実家が空き家になったらすぐ行動!3つの選択肢のうちどれを選ぶ?

0
4760
開放感のある住宅

目次

実家が空き家になって、ふと気づいたら10年経過していた。久々に行ってみたらゴミ屋敷になっていて、片付けも大変。そんな話を耳にすることがあります。空き家対策といっても何をどうすれば良いのかご存知ない方も多いと思います。 この記事では簡単な3つの選択肢をご説明しています。

空き家だと固定資産税が6倍に?

困っている女性

軽減措置の対象外になる場合があります

少し前までは空き家でも建物が建っていることで固定資産税などの軽減措置の恩恵を受けることができました。しかし、通称「空き家特措法」(2015年5月施行。「空家等対策の推進に関する特別措置法」)や税制改正などにより、『特定空家等』として勧告を受けることで軽減措置の対象外となります。さらに自治体により空き家の強制撤去がされた場合には、その費用は所有者が負担することとなります。

このため、空き家を放置し続けることでリスクはどんどん高まっていくことになりますので、実家が空き家になったら放置せずに適切な管理を行う必要があります。適切な管理にはどんな選択肢があるでしょうか。

実家が空き家になったら絶対に放置しない!

室内

選択肢Ⅰ『売る』

実家が空き家になるということは、実家の住宅としての必要性は終わったと考えることもできます。生まれ育った実家である場合には、やはり手放して処分するのは寂しいと感じるのも人情です。そうかと言って実家を空き家のままにするのも抵抗があるものです。こうしてずるずると日時が経過してしまい、ふと気づいたら10年経過ということもあります。

感情面を脇へ置くならば、不要になった資産(実家)はやはり売却する方が合理的な判断です。10年も放置していてはその間の税金や管理コストも少なくありませんし、何よりも売却した際の税金の控除特例が使えなくなってしまいます。空き家対策の施策の一環として、一定の要件を満たしていれば相続した空き家を売却した利益から最大3,000万円の特別控除が受けられます。売却時の税金の負担が軽くなることで空き家を売却する方向へ舵を切りやすくなりました。

売却までの期間に注意

ただし、売却までの期間は3年などの要件があります。このため、売却する場合にはあまりのんびりと構えていない方が良いでしょう。過疎地の物件の場合、持ち家がなかなか売れないことも考えられます。控除などの優遇措置がいつまで継続するかは不確定要素ですので、優遇を受けられるうちに売却するという選択肢も有効です。

さらにすぐに買い手が見つかるとも限らないので、実家を売却することに決めたのなら、すぐに行動に移した方が良いでしょう。期間の要件以外にも築年数やその他の要件がありますので、空き家になったらすぐに国税局HPか最寄りの税務署へ問い合わせることをお勧めします。

売却する際は不動産一括査定サイトを使えばご自宅にいながら実家近くの不動産会社に見積もりを出してもらうことができます。おすすめ不動産一括査定サイトはHOME’Sです。47都道府県の約2,800社の不動産会社が登録しており、不動産会社の雰囲気も分かりやすいです。

ホームズ

選択肢Ⅱ『貸す』

防犯

空き家になった実家を活用して、人に貸すのも良いでしょう。投資物件を最初から購入するとなれば購入代金や諸費用もかかりますが、空き家となった実家を賃貸に出すなら、そういった初期投資費用が不要です。 他の物件に比べて高利回りで賃貸経営ができる可能性もあるでしょう。

不動産の現物投資は一時期に比べれば勢いは落ち着いたようですが、人間は家に住む生き物ですので住宅の需要がなくなることはありません。もちろん、大家業を営むということは事業者として義務を負うのですから、安易に貸室賃貸業を始めるのも考えものです。

実家を賃貸に出す場合には、売却の優遇措置のように3年などの期限はありません。 焦って他人に貸す必要もありませんが、売買の場合の買主も同じですが、すぐに借り手が見つかるとも限りません。貸すと決めたら先送りにせずに早めに行動を開始しましょう。建物は人が住まなくなると、不思議と急に傷みが早くなります。賃貸であっても人が住んでいることでその不思議な痛みの早さはなくなるように感じます。ちなみに、賃貸契約には大きく分けて2つの種類があります。

関連記事

[普通借家]

一般的な賃貸借契約です。更新のできる契約で、契約期間は2年間が多いです。借主の権利が強く、貸主は借主からの更新希望をまず拒絶できません。

[定期借家]

契約期間に定めがあり、期間満了を持って契約が終了します。更新がなく再契約は可能ですが、貸主は正当な理由がなくとも再契約を拒絶できます。実家を貸し出す場合に適している契約はどちらということはありません。ただ、実家ですので、築年数の経過している建物であることが多いでしょう。近い将来の取り壊して解体し、建て替えのことも考慮しておくと良いです。ここで注意が必要なのは、賃貸入居者の立ち退きです。

建物が古くなったから立ち退いて下さいと申し入れをしても、普通賃貸借契約の場合はそれが貸主の正当事由と認められなかった判例もあるのです。借主の権利が強いため、取り壊すしかないというほど老朽化していなければ借主からの更新希望を拒絶することができません。

一方、定期借家の方は、再契約を拒絶できる代わりに、契約期間内の契約解除は基本的にはできません。 また借主の権利が弱い分、家賃は抑え目に設定されることが多いようです。簡単に言えばこのような差があるため、契約の種類をどちらにするかはよく考えることをお勧めします。

選択肢Ⅲ『空き家のまま』

住宅

前述した「空き家特措法」では、管理のされていない空き家を対象としているため、しっかりと管理さえしておけば空き家でも全く支障はありません。実家ですので、近いうちに自分や兄弟が住むという予定もあるかもしれません。その場合には、立ち退きに手間のかかる賃貸よりも、むしろ空き家のままの方がスムーズでしょう。 あるいは実家を賃貸に出すなら定期借家契約を比較的短い期間で締結しておくのも、立ち退きの手間がかかりませんので有効です。

空き家の管理

空き家の管理としては、例えば、不法侵入や不法投棄や隣人の越境、建物本体や塀の破損や倒壊リスクなどが考えられます。実家に庭のある場合には雑草対策として定期的な草刈りや防草シートの敷設、庭木のある場合には伸び過ぎない程度に伐採をします。遠隔地となるとなかなか現地へ行けませんので、地元の不動産会社や便利屋などに巡回を依頼しておくことや、必要に応じて作業を発注できるように打ち合わせしておくと良いでしょう。

火災保険に関して

空き家のままにする場合、管理の次に懸念されるのが火災保険です。空き家ですのでわざわざ火災保険に加入しなくてもいいと考えがちですが、例えば不審火で全焼した場合でもきれいに全て燃えてなくなるわけではなく、残骸はしっかりと残ります。

普通に撤去する方が残骸撤去よりも安く済むことも少なくありません。 保険会社ごとに扱いは異なるようですが、空き家の場合は火災保険の加入を断られる事も少なくありません。 また、「住宅」ではなく、店舗併設住宅と同じく「一般建物」という扱いになり、火災保険料は高くなることが多いようです。保険料と建物の状態次第という要素はありますが、火災保険の加入も一考する価値はあるでしょう。

「売る」「貸す」「空き家のまま」の3つがあります

住宅

焦らずしっかりと検討して早めに方針決定を

この記事では以下の内容を紹介しました。

実家が空き家になったからといって焦って行動する必要はありません。しかし、3年などの期限のあるものもありますので、落ち着いてのんびり構え過ぎるのも良くありません。空き家になった場合の選択肢は大きく分けて3つしかありません。 必要な情報を集めた上で、「売る」「貸す」「空き家のまま」のいずれにするか方針を早めに決めておくことをお勧めします。

関連記事