マンションを売るか貸すか

その前にマンションを貸せるかどうか

マンションをお金に変える方法には2種類あります。それは、「売るか」、「貸すか」です。マンションを売却する際、貸すという選択肢も考えられます。しかしながら、マンションを売るか貸すかを迷うという前に、マンションを貸せるか貸せないかを見極める必要があります。マンションは貸せることが分かって、初めて売るか貸すか迷うのです。今回はプロの見地から、マンションを売るか貸すか、貸せるか貸せないかについて判断基準を解説いたします。

貸せるか貸せないかの判断基準

必要条件は外部環境と内部環境

マンションを貸せるか貸せないかを判断するには、自分のマンションの取り巻く外部環境と内部環境の2つの要因が整っている必要があります。外部環境とは賃貸マーケットなどの自分ではコントロールできない部分を指します。一方で、内部環境とは住宅ローンの残債状況などの自分でコントロ―ルできる部分を指します。

マンションを貸すための外部環境とは

始めにマンションを貸すための外部環境について説明します。外部環境としては、そのマンションに対して賃貸需要があるかどうかの問題です。誰も借り手がいないようなマンションであれば、そもそも貸せません。通常、ファミリータイプのマンションは借手が非常に少ないです。恐らく、マンションを持っている皆さんも、借りるよりも買う方が得という判断で、マンションを購入した方も多いはずです。そのため、ファミリータイプのマンションは、ワンルームマンションと比較して借手が非常に少ないのが実情です。

貸せるマンションとは

ファミリータイプのマンションでも①駅に近いこと、②40~50㎡台であることの2つの要件を満たしていれば、貸すこともしやすいです。駅に近いというのは、言い換えると立地が良いマンションのことを指します。仮に買うとしたら手が届かないような高い価格のマンションでも、数年間だけ借りることができる人ならたくさん居ます。賃貸マンションは分譲マンション以上に立地条件が厳しいです。都心部の駅に近い分譲マンションであれば、賃貸に出しても借りる人は存在します。

マンションは広すぎないほうが良い

またファミリータイプのマンションの場合、40~50㎡程度の2DKタイプが最も借手が付きやすいです。この規模のマンションであれば、DINKSや姉妹といった2人暮らしの賃貸需要が見込めます。また子供が幼稚園に入学する前の若い夫婦の賃貸需要もあります。逆に貸しにくいのが75㎡以上の3LDKはあるようなマンションです。広いマンションは賃料総額が張ってしまうため、借手が一気に減ります。ダブルインカムの夫婦であれば月20万円程度の賃料は払えるかもしれませんが、そのような夫婦であれば分譲マンションを買ってしまう夫婦の方が圧倒的に多いです。

マンションを貸すための内部環境とは

次にマンションを貸すための内部環境について説明します。マンションを貸す場合、住宅ローンが払い終わっているか、もしくは残りが非常に少ないかという状態の方が望ましいです。通常、マンションを貸しても、所有者が支払う修繕積立金や管理費などは所有者が賃料の中から支払います。また土地と建物の固定資産税及び都市計画税、建物の損害保険料なども賃料の中から所有者が支払います。さらに住宅ローンも払うとなると、実質的なキャッシュフローは薄利です。

マンションの収益性を決定するのはローンの残債

賃料はマーケットによって決まります。修繕積立金や固都税、住宅ローンの合計額が賃料よりも高ければ、そもそも貸す意味がありません。また入居者も常に入っているとは限らないため、空室が発生した場合は、修繕積立金などがそのまま負担となります。通常、住宅ローンを除けば、修繕積立金などは賃料の内側で収まります。そのため住宅ローンの有無次第で賃貸事業の収益性が大きく変わってしまうのです。

リフォーム余剰資金も必要

また賃貸に出す場合は、多少リフォームもする必要はあります。通常、一般の賃貸マンションでは汚くなるとオーナーがリフォームするのが常識です。賃貸マンションとの競合を考えると、最低でもクロスの貼替は行い、フローリングもクリーニングする必要はあります。そのためリフォームもできる余剰資金があることが望ましいと言えます。

マンション売るか貸すかの判断基準

マンションを売らない理由の確認

このように貸せるか貸せないかの判断は、賃貸需要の外部環境と、ローン残債やリフォーム資金などの内部環境の2つの要件が整っている必要があります。貸せることが分かった上で、はじめて売るか貸すかの悩めるのです。

貸す場合は貸す目的によります。単純に家賃収入を得たいだけであれば、そのマンションを売却して都内のワンルームマンションを購入した方が良いです。ファミリータイプのマンションは賃貸需要が弱いことに加え、賃料単価も低いため、賃貸経営には不向きです。手離さない方が良い理由がない限り、無理にそのマンションで賃貸経営をする必要はないのです。

まとめ

本人の手離したくないという理由が貸すことの判断基準

以上、マンションを売るか貸すかの判断基準について見てきました。貸せる物件であれば、最終的に本人の手離したくないという理由が貸すことの判断基準となるでしょう。ますは貸せるか貸せないかを見極めることが第一歩となります。

不動産鑑定士&中小企業診断士。1974生まれ。大阪大学卒業。日本土地建物㈱にてオフィスや賃貸住宅など多くの賃貸物件の開発に携わり、賃貸業を得意とする。2015年に㈱グロープロフィットを設立し代表取締役に就任。