現実的な家賃交渉:賃貸物件の家賃はいくらまで下がる?

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室内 女性

目次

この記事ではこれから賃貸マンションへの引っ越しを考えている方に向けて、家賃交渉が可能かどうかについて解説しています。家賃交渉を行う際のコツや家賃を下げてもらいやすい物件の特徴なども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

賃貸マンションへの引っ越しを考えている方に向けて、家賃交渉が可能かどうかについて解説しています。家賃交渉を行う際のコツや、いくらくらいなら現実的な交渉になるのか、家賃を下げてもらいやすい物件の特徴なども紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

そもそも家賃交渉はして良いの?

不動産営業マン

賃貸物件の場合、あらかじめ家賃が提示された上で内見や契約を行います。そのため、家賃を下げてもらおうとする家賃交渉自体してはいけないのではないかといったイメージがある方もいるでしょう。

しかし、家賃交渉はしてはいけないものではありません。もちろん強引な態度で家賃を下げてもらおうとすれば、そもそも契約させてくれないといったことになりかねませんが、節度を持って行うのなら全く問題ありません。

いくら下がる?家賃交渉をする際のコツ

住宅

賃貸物件のオーナーである大家さんにとって一番困るのは空室ができることです。どんなに高い家賃を設定していても、住んでくれる人がいなければその部屋から利益は生まれないからです。空室ができるくらいなら多少家賃を安くしても入居してもらいたいというのがオーナー側の心理であることをまず頭に入れておきましょう。

家賃交渉でいくらまで下げてもらえるか

お部屋のオーナーが空室を避けたいのは当然ですが、誰も住まないよりはマシといった理由で家賃が大幅に下げられることはありません。家賃交渉できる金額は、元の家賃にもよりますが数千円、多くて3,000円ほどといったところでしょう。たったの数千円でも1年で考えれば数万円の差があります。たとえ1,000円でも下げてもらえれば大いに喜ぶべきだと言えます。

ポイント

家賃の交渉する際には、根拠が必要です。たとえば人気の物件ですぐに入居者が見つかるようであれば家賃交渉には応じてくれないでしょうし、すでに相場より安いような場合も家賃を下げてもらうのは難しいです。また、進学や就職などで物件を探す人が多い時期も家賃交渉には向いていません。言い換えれば、家賃交渉は根拠があれば成功しやすいということ。どんな物件であれば家賃交渉しやすいか確認していきましょう。

家賃交渉のタイミング

多くの人が進学や就職で引っ越しを行う3月~4月あたりは引っ越しの繁忙期にあたり、物件探しをする人が多いです。そのため繁忙期に家賃交渉をしても失敗することが多いでしょう。オーナー側の心理としては「この人で決まらなくてもすぐに次の人が見つかるから大丈夫」という気持ちになるからです。家賃交渉をする時期としては、閑散期にあたる5月から9月くらいがよいでしょう。

10月からは、4月から始まった年度の半分が終わり転勤や異動で引っ越しをする人が出てきます。そのため9月くらいまでが家賃交渉に適した時期となります。

また、閑散期であってもまだ内見なども終わっていない状況でいきなり家賃交渉をすることはおすすめしません。家賃交渉をするベストなタイミングは、申し込みの直前です。入居がほぼ決まっている段階で家賃交渉をすれば、新たに入居希望者を探す手間と比べての判断となりますので成功しやすくなります。このとき、漠然と「もっと安くなりませんか」と交渉するのではなく、「これだけ家賃を下げていただければすぐに入居します」と入居を確約することで相手が判断しやすい状況につなげることで成功しやすくなります。

家賃交渉が成功しやすい物件

総じて「あまり人気がない物件」は家賃交渉が成功しやすいと言えます。人気があれば入居希望者も多いので家賃を下げてまで入居してもらってもオーナーに旨味がありません。人気のあるなしの判断材料として、以下のようなものが挙げられます。

  • 周辺の相場より家賃が高い
  • 駅から遠い
  • 1階などの低層階
  • 日当たりが悪い
  • 設備が古い
  • 駅から遠いなどのマイナス要素がある
  • 空室の期間が長い
  • 物件全体で空室が多い

周辺の相場に関してはネットを使えばすぐに調べられます。建物が古くなってきているのにも関わらず家賃の見直しが行われていない物件であれば交渉しやすいでしょう。同じ物件で他の部屋が空室かどうかも同様にネットで調べられます。

いつから空室かは分かりにくいので、それとなく不動産業者に聞いてみるとよいでしょう。たとえばお部屋のクリーニング済であれば、いつクリーニングをしたかといった表示がある紙などが玄関に残してあることがありますので、それもヒントになるでしょう。

マイナス要素があることと不人気物件であることは、必ずしもイコールとは限らないので注意が必要です。マイナス要素があるという理由で他の物件よりも家賃が安いのであれば、人気物件である可能性もあります。

監修者から
値下げの要素として一番大きいのは空室期間です。サラリーマン大家の増加でローン利用して賃貸物件のオーナーになっている人が増えました。この方たちは空室が長引くとローンの支払いを自己資金から行わなければならず、空室期間が長引くと資金が苦しくなっていきます。そして空室のままよりは安くても貸した方がいいという決断になりやすいです。オーナーがローンで賃貸物件を購入しているか?空室期間は何ヶ月かは不動産会社に聞けばわかるので、この点を交渉材料にすると良いでしょう。

家賃交渉が上手くいかない時には

落ち着いた部屋

さまざまな条件が揃っていても家賃交渉が失敗することは少なくありません。家賃が高くどうしても予算をオーバーしてしまうようなら、家賃以外の部分で交渉してみるという方法もあります。

礼金をいくらか下げてもらう

礼金は入居時にオーナーに支払うお礼のお金です。大体家賃の1か月分か2か月分に設定されていることが多いです。礼金が2か月分の物件で、家賃が8万円なら礼金が1か月分になるだけで8万円も初期費用が安くなるわけです。オーナー側としても、毎月の家賃を減らすよりは1回だけの礼金を減額する方がよいと考える場合もあるでしょう。

敷金は礼金と混同しないように注意してください。礼金は単なるお礼のお金ですが、敷金は保証金の役割があります。敷金は入居者の不注意で部屋を汚したり破損したりした場合の修繕費用として充てるもので、入居中に何も問題がなければ返ってくるお金です。初期費用を下げるという意味では効果がありますが、たとえ下がってもお得になるわけではないので、敷金を交渉する意味はあまりないと言えます。

また、仲介手数料も値下げを交渉すべきではありません仲介手数料は、部屋を紹介してくれた不動産業者に支払うもので、これが不動産業者の収入になります。仲介手数料の値下げ交渉は業者によい印象を抱かれなくなり、物件探しに悪影響が出る恐れがあります。

「いくら」ではなく、設備リフォームを交渉

家賃や礼金の交渉が難しい場合には、お部屋のエアコンや給湯器などのリフォームを交渉する方法もあります。支払うお金が減るわけではないですが、お部屋がアップグレードされることで結果的にお得な家賃で住むことができます。

エアコンや給湯器が古い、フローリングに傷がある、壁がくすんでいるなど気になる点を直してもらえば住み心地がよくなります。リフォームはある程度年月が経てば行うものですので、オーナーも「この機会に」となる可能性は高いです。

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家賃の値下げをはじめとしたさまざまな交渉は、決して成功率が高いものではありません。交渉しやすい条件が揃っていても断られることや、そもそも家賃交渉自体がNGなオーナーも少なくありません。

だから、「ダメで元々」。それでも交渉してみる価値は十分にあります。その際物件のオーナーに話を通してくれる不動産業者は入居希望者の味方です。不動産業者と良好な関係を築くことも、交渉において重要であることは忘れないようにしてください。

監修者:鈴木 良紀

監修 鈴木

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧