マンションの売り時を見極める4つのポイント

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住宅

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なるべく高い値段でマンションを売却したい!……そう考えている人も多いのではないでしょうか。マンションのような高額商品であればあるほど、売り時が非常に大切です。

しかし、マンションの売り時は単純ではなく、売るタイミングによって物件の価格が大きく変わってしまうものです。もしもあなたがマンション売却を考えているのなら、なるべく利益が出るようなタイミングで物件を売り出しましょう。この記事では、なるべく高い値段で売却できるように、マンションの売り時ポイントを4つ紹介します。

売り時次第でそのマンション、200万円以上高く売れるかも⁉

不動産会社のスタッフ

マンションには高く売れる「売り時」があります

マンションや不動産に限らず、何かを売る時に最高値のタイミングを見極めるのは非常に難しいです。最高値で売れたケースのほとんどは「運が良かった」の結果論でしょう。

しかし、それでもマンションを売却する人の多くが「なるべくならば最高値に近い金額で売却したい」と考えていると思います。最高価格で売却するのは困難ですが、最高価格に近い値段で中古マンションを売却するタイミングの予測は可能。これから、マンションの売り時を見極める4つのポイントを紹介するので、参考にしてください。

マンションの売り時タイミングを見極める4つのポイント

パソコンを眺める女性

マンションの売り時ポイント①:価格の推移を時系列でチェック

マンションの売り時を見極めるためには、まず価格推移のチェックです。

東京カンテイが発表している「70㎡換算価格推移」というレポートがあり、東京、名古屋、大阪の三大都市圏別に、中古マンション価格の動向がわかるレポートを、毎月20日前後に無料で公表しています。

三大都市圏 中古マンション70平方メートル換算価格 年間平均推移

 

これを見れば、中古マンションの価格動向と相場が一目瞭然。マンションの売り時を考える参考になります。

マンションの売り時ポイント②:需要と供給のバランスを考える

高層マンションを飛ぶ紙飛行機

中古マンションの売買においても「需要と供給」のバランスは重要です。とはいえ、どこのエリアの住宅が人気とかどんなマンションが人気とか、判断が難しいですよね。

マンションは誰かが住んでこそ価値があるもの。そのマンションを買った時期は、人気の街だったとしても多くのマンションが建設されてその後、そのエリアの空室率が高くなれば需要と供給のバランスが崩れます。

需要と供給からマンションの売り時をチェック!

  • 需要が多い…住みたい人が多いエリア
  • 供給が多い…売りたいマンション・貸したい物件が多いエリア

首都圏の限られた人気エリアであれば、マンションを建築すれば満室御礼が継続しているかもしれません。しかし、不動産売買情報を見ると、マンションの売り物件や賃貸物件の募集が増えています。需要よりも供給のほうが多いエリアが増加中です。

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すでにあなたのマンションは売り時なのかも……

あなたのマンションエリアに住みたい人が多い……つまり需要が高いのであれば、今後も価格は上昇するでしょう。反対に、エリア内にマンションや家の供給が多いようであれば、すでに価格はピークに達していて売り時を迎えているのかもしれません。

需要より供給が多いエリアであれば、すでにマンションの売り時に入っている可能性があると考えるべきです。その場合、マンション売却の相場が今後現在以上になることは考えづらく、今こそがマンションの売り時かもしれません。

マンションの売り時ポイント③:マンションの築年数は10年、15年、20年がポイント

マンションの売却は相場の推移だけでは決まりません。なぜなら、築年数などはマンションによって異なりますし、あなたのマンションの売り時を決める要素があるからです。中古マンション購入者の多くは、切りの良い数字を頭に思い描きます。

たとえば、マンション購入を検討する多くの人が、築8年で条件を絞ることはなく、築10年以内で条件を絞ります。家を売る側にすれば、築8年と築10年は違うかもしれませんが、買う側の感覚は大差ありません。仲介会社に依頼して対面で物件を探す場合は、不動産会社は積極的に築11年のマンションを提案してきます。なぜなら、築10年以内の条件に合った「築9年」と、条件を満たさない「築11年」に大差がないからです。

スマホ検索では築11年、21年のマンションは『売り時』としては不利……

高級マンション、横浜

今は、多くの方がスマホで物件を検索します。不動産ポータルサイトで「築10年以内」の条件で物件を検索すれば、築11年の物件は表示されません。つまり、築11年の物件は「築15年以内」または「築20年以内」で検索している方にしか閲覧されないのです。築15年以内や築20年以内で探す方の多くは、「古くても値段が安いほうがいい」と考えています。

そのため、彼らには、築11年のマンションは少々割高である可能性が高く、売れづらいのが正直なところです。ここまでの話をまとめると、マンションの築年数が切りの良い数字である10年、15年、20年になる1年ほど前から売りに出すのが良いでしょう。

マンションの売り時、切りの良い数字ならどれが良いの?

築5年、10年、15年、20年の中で、もっとも検索されやすいのは「築20年」のマンション、次いで「築10年」のマンションです。東日本レインズの2016年の調査によると、売りに出されている中古マンションの平均築年数は20.26年のようです。また、20年目以降のマンションは値段の下落がゆるやか。東京のマンションの坪当たりの値段で比較してみましょう。

  • 築5年  232万円/坪
  • 築10年 203万円/坪 (-29万)
  • 築15年 175万円/坪 (―28万)
  • 築20年 150万円/坪 (―25万)
  • 築25年 139万円/坪 (―11万)

3LDKなら60~70平米20坪以下ぐらいなので築15年と築20年では500万円ぐらい差がある可能性がありますね。築22~24年目ぐらいだと築20年のマンションとあまり変わらないという可能性もあります。ただ、築40年近くの物件になると新耐震基準ではないため、多くの場合マンションの売却価格は下落傾向です。

マンションの売り時ポイント④:不動産投資物件の人気エリアであるかを知る

室内 女性

不動産投資の基本は「利回りが安定している人気エリア」です。日本全国、住居としての目的で建てられている一戸建て、アパート、マンション、ワンルームマンションなどは無数にあります。

しかし、不動産投資の人気エリア(例えば千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、千葉県成田空港周辺など)では、マンションに実際に住むのではなく、投資目的でマンションを買いたい投資家がいるため値段が上昇します。

エリアからマンションの売り時を確かめる方法

では、あなたのマンションが不動産投資に人気エリアなのかどうかを確かめてみましょう。不動産投資専門の仲介会社か、あなたのエリアのマンションを仲介している仲介会社に電話をして、「○○(あなたの住んでいるエリア)の投資用マンションを探しています」と伝えてください。

  • 「そのエリアのマンションはなかなか売りに出ません」
  • 「そのエリアのマンションは利回りが低いです」
  • 「そのエリアのマンションは高騰しています」

仲介会社からこのような回答があれば、あなたのマンションの価格は上昇中です。売却を先延ばししても良いでしょう。価格が上昇している理由も聞いておくとさらに良いですね。大きな工場や会社の移転などであれば、移転後は価格が落ち着く可能性があるからです。小学校の移転で局地的に人気エリアになることもあります。

マンションの価格相場が売り時を判断

しかし、仲介会社の回答が、以下のような回答であれば、マンションの相場価格が下がる前に売却をすべきです。 

  • 「現在入居者はいませんが、入居した場合は高利回りですよ」
  • 「いろいろご紹介できますので、近日中に案内しますよ」
  • 「値下げ交渉も可能ですのでお買い得ですよ」

不動産投資家からの人気があるエリアのマンションは、今後、価格が上昇する可能性が高いと考えてください。

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売り時が気になるならマンションを一括査定に出してみるのもアリ

あなたのマンションが現在いくらくらいで売れるのか……簡易的に知りたいのであれば、無料の一括査定サービスがおすすめです。代表的なサービスを2つ紹介しておきます。1つ目のおすすめはすまいValueです。大手不動産6社からの査定を一括で申し込めます。もちろん査定は無料です。

すまいバリュー

2つ目のおすすめはLIFULL HOME’Sが運営しているHOME’Sです。こちらは約2,800社の不動産会社が登録しておりどんな会社なのか説明も具体的です。

ホームズ

また、物件によっては売却よりも買取に向いているものもあるでしょう。買取を考えるのなら、買取専門の業者に一度相談してみましょう。おすすめは買取博士です。査定や手数料は無料ですし、買取してもらった後の物件への責任はなし。なるべく早く物件を現金化したい方にもおすすめです。

買取博士

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まとめ・欲深いとマンションの売り時を逃してしまう

お金 驚き

この記事では以下の内容をお伝えしました。

マンションの売り時を見極めるには、客観的な情報を分析することが重要です。一時的な景気に頼るのも悪くはありませんが、ピークを過ぎた時は急激なマンション価格の下落が予想されます。「結果的に見たらあと5%ほど高く売れたのでもったいなかった」と後から思う……そのくらいが落としどころではないでしょうか。

監修者:鈴木 良紀

監修 鈴木

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧