中古マンションを購入するときの注意点と流れを不動産のプロが解説

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マンション

目次

中古マンションを購入するときの注意点

不動産関係者なら買う前に絶対確認するポイント

高級マンション、横浜

耐震強度の偽装などの根本的な問題があるマンションが論外であることは言うまでもありませんが、普通に見えるマンションでも注意するポイントはあります。

順番に解説していきます。

適正な修繕積立金

中古マンションを適切に維持管理するためには、適切な修繕積立金が必要です。では適切な修繕積立金とはいくらなのか?

正確に計算するなら、各マンションで維持管理に必要なコストを調査して算出するのですが、一般の方がその計算をすることは不可能でしょう。

そんな時は国土交通省が発表しているガイドラインが役に立ちます。

マンションの修繕積立金に関するガイドライン

購入予定のマンションが基準内であるか確認してみましょう。

但し、ガイドライン記載の目安外であっても、管理組合の中には、管理費のコストを抑える事によって、余剰金を修繕積立会計に振り替えている中古マンションもあります。

このガイドラインは一つの目安としましょう。

但し、管理組合自体が借入をしている中古マンションは、修繕積立金が相当不足している可能性が高いので注意が必要です。それだと修理が必要になっても資金不足で修繕ができない場合があるのです。

減税適用の有無

不動産の広告において、マンションの面積は「専有面積」が記載されています。専有面積とは、壁の中心線を基準として計測した面積です。

一方、不動産登記上の面積は壁の内側から計測した面積が記載されています。

住宅減税、不動産取得税、登録免許税の減税等、「税の減税特典」は登記簿面積を基準として判断され、その要件は50㎡以上。

従って、パンフレットに記載の面積ではなく、登記簿の面積を確認することが必要です。

また減税適用を受けるために新築後25年以内という要件があります。

但し、築年数が25年を超えていても、耐震診断を受け、耐震性能があると認められたマンションは税特典を受けることができます。

建て替え余力

マンションの敷地にどれだけの大きさの建物を建てることができるのか?

この規定は建築基準法で定まっています。

容積率といい、2,000㎡の土地で容積率が200%なら、建物の延べ面積は4,000㎡が限度という規定です。

現在のマンションを立て直した際、現状よりも大きな建物が建築可能であれば、大きく建てた分を分譲し建て替え費用に充てることができます。

隠れた資産ともいえる「建て替え余力」はあるに越したことはありません。

リフォーム制限

リノベーション、リフォーム

中古マンションとリフォームは切って切れませんので注意が必要です。

注意するべきポイントは、壁、配管、フロアです。

壊すことができない耐力壁と呼ばれる壁の位置や、配管の位置は間取りの変更に重大な影響を及ぼします。

購入後に「フローリング禁止マンション」であることを知って愕然とした。という話も耳にします。

マンションの場合、「フローリングはL45又は同等以上」といった決まりがあることが多いです。

遮音性能が高くなればなるほど、リフォームコストは上昇します。

また、下の階とのトラブル発生リスクを減らすためには、管理規約規定のフローリングではなく、規定よりもワンランク上の遮音性能のフローリングを使う方法も有効です。

中古マンション購入の流れ

資金計算

では次に中古マンションを購入する流れを説明しましょう。まずはマンションの見学に出かけたい所ですが、その前に資金の計算が必須です。

おおよそですが、マンションは価格の他に、7~8%程度の諸経費が必要になるので注意してください。

また、融資を利用する場合は、「銀行がいくらまで貸してくれるか?」「自分自身がいくら迄返済できるか?」二つの金額の内低いほうで資金計画を立てましょう。

見学

資金計算ができたら、実際に見学に行きましょう。この時に注意したいのは、比較しやすい物件を見て回るという点。

条件が違うマンションを見て回ると比較、検討が非常に難しくなってしまいます。

広さ、築年数、駅からの距離がほぼ同じくらいのマンションを見て回ると比較がしやすいです。

現地を見学する際は、室内の状態、日当たりの具合を確認する他、その他駅からの道のり、周辺環境、マンションの共用施設、特に、自転車置き場やごみ置き場は住人の意識が出やすい場所で、注意するべきポイントです。

購入申し込み

不動産の相談、不動産業者

自分にとってベストだと思う中古マンションに出会うことができたら購入申し込みを入れましょう。

購入申し込みは別名「買付証明」と言います。

不動産業界の慣習として、買付証明を提出した順番により優先交渉権が決まります。

但し、優先交渉権を得る為だけに買付証明を提出するのは止めましょう。

売買契約

媒介契約

取り決めた売買契約条件を書面にして、売買契約を締結します。

場所は売主の不動産会社若しくは仲介会社で行うことが多いです。

売買契約関係書類はボリュームも多めです、信頼関係が高くない不動産会社から購入する場合、利害関係のない「契約書チェックの専門家」に依頼することも有効です。

代金支払い、引き渡し

「不動産登記名義変更申請」「代金の支払い」「鍵の受け取り」を行います。

売主の口座へ代金を振り込む手続きをするために、買主が利用している銀行で手続きをすることが多いです。

また、住宅ローンを利用して購入する場合、「借入」もこのタイミングで行うことになります。

マンションの管理費、修繕積立金について未納があると、買主に継承してしまうため、代金を払う時点で未納がないか確認もしましょう。

リフォーム

リフォーム

リフォームが必要な中古マンションの場合、リフォームは前述した手続きを行い、売主から鍵を受けとった後に実施します。

マンションによって、施工実施の30日前までに管理組合に申請を要するといった規定がありますので、どのタイミングで申請が必要か事前に確認しておきましょう。

引越し

マンションは多くの世帯が入っているので、引っ越しが重なると思わぬ時間がかかり、予定通り引越しが終わらない可能性もあります。

事前に引越し日を管理組合に届ける決まりになっているマンションもありますので、届け出が必要か否かも確認しておきましょう。

まとめ

中古マンションを購入する注意点と流れについて解説してきました。

全部の要素に対して自分でチェックすることは、なかなか難しいと思います。そこで頼りになるのは信頼できる専門家です。

物件選びは、信頼できる不動産営業マン探しでもあるのです。