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ここ数年、リフォームしてコダワリの家に住みたいからという理由から積極的に中古マンションを選ぶ人が増えています。
新築にない中古のメリットはいくつかありますが、そのひとつは「実物を見てから買えること」。今回はこの中古ならではのメリットを活かした、失敗しないマンション選びのポイントと、逆に中古だからこそチェックしたいポイントについてご紹介します。また、リフォームを考えているならばチェックしなくてはならないポイントもありますので、それについても触れていきます。
新築・中古にこだわらず両方検討する人が増えてきた
中古ならではの「実物を見られる」からこそチェックしたいポイント
中古マンションを積極的に選ぶ人が増えてきた背景
かつては、新築マンションに住みたいけれど、価格の面で折り合わずに中古マンションを選択する人が多かったように思います。でも、最近では「新築」にこだわる人が少なくなりました。むしろ、リフォームしてコダワリの部屋に住みたいと積極的に中古を選択する人もいます。
中古マンションの選び方のポイントに関しては、当サイトの「中古マンション選び方まとめ。プロは5つのポイントを見ていた」にも詳しく書いてありますので、是非それを参考にしてください。今回は筆者や友人のマンション購入の経験や失敗談に基づいた「意外と気がつかない中古マンション購入のチェックポイント」についてご紹介しようと思います。
中古ならではの「実物を見られる」からこそチェックしたいポイント
中古マンションのメリットは大きく3つ、「割安な価格」「同じエリア内なら中古のほうが供給数が多い」「実物を見てから買える」です。
新築マンションはモデルルームを見て購入を決めるので、「想像とは違っていた!」ということもあります。また、どんな人が住むのかもわかりません。
でも、中古なら実物を見られたり、実際に住んでいる人から聞き取りしたりできます。以下は新築ではなかなかわからない、中古だからこそチェックできるポイントです。
中古マンション購入するときにチェックすべき4つのポイント
1.24時間を通したマンションの周辺環境
筆者の友人の話です。彼が購入した新築マンションの近くにはスポーツ施設とそれに併設する宿泊施設がありました。その存在や、そこを利用する人は駅から彼のマンションを通過することは購入前から知っていました。
しかし、盲点はそこの宿泊客がほぼ全員キャリーバッグを利用するということでした。スポーツをするため荷物が多いからということらしく、終電近くに駅に到着する人も多いのだそうです。
深夜でまわりが静かだとキャリーを引くガラガラという音がよく響きます。しかも、音は上へと伝わるので、1~2階などの低層階よりも彼の住む7階くらいがいちばん響くとのこと。そのせいで眠れない夜が多いと言っていました。
住まいを買う際に朝・昼・夜で周辺環境をチェックしに行く人はいると思いますが、深夜までチェックする人は少ないでしょう。やはり、1日を通じての周辺の様子を把握するには住んでみないとわからない部分もあります。
最近は規制が厳しくなったとはいえ、周囲に民泊をしているお宅もあるかもしれません。売主さんや同じフロアの階の住民に深夜の人の流れや音についても細かく聞き取りをすることを是非おススメします。
2. 眺望、通風、採光など
モデルルームを見て購入を決める新築では実際の眺望や採光などをチェックすることができません。筆者も新築で都内の湾岸エリアのマンションを購入したとき、実際の眺望はどんなのだろうと心配した経験があります。
そのマンションは東南が海に面していて、海の眺望が臨める部屋は高めの値段設定がされていました。対して南西の角部屋は割安でした。角部屋は本来人気が高いのですが、その部屋は海が見えるのか微妙だったのと、西日が当たるのを嫌う人が多いのもその理由だったと思います。
賭けではありましたが、私はその割安な南西の部屋を買いました。結果、その部屋からは海もばっちり見えましたし、花火大会も見ることができました。
でも、鍵の受け渡しをして部屋に入るまでは実はドキドキでした。窓から見える眺望や採光、風の通り具合などがチェックできる点は、やはり中古マンションの大きなメリットだと思いました。
3.管理状況
当サイトの過去記事「資産価値の高いマンションを購入するためのポイントとは?」にも書きましたが、「マンションは管理で買え」という不動産の格言があるほど、管理状況の良しあしは不動産の価格に反映されます。
「ポストからチラシなどがあふれていないか」「清掃が行き届いているかどうか」「自転車が散乱していないか」「ゴミ置き場が不潔な状態になっていないか」「植栽が手入れされているか」などは是非チェックしたいものです。
新築ですと管理状況がどうなるのか未知数ですが、中古ならばきちんと管理されているのかがよくわかります。
また、仲介会社を通じて管理組合に「過去の修繕状況」「今後の修繕計画」「修繕積立金・管理費の状況」などについても質問しておくのも大事です。実は筆者はこれで失敗したことがあります。
スノーボードに凝っていたころ、スキー場の近くの中古リゾートマンションを購入したことがありました。温泉付きのリゾートマンションはそのメンテナンスなどのために管理費が高めの傾向があります。私がそのマンションに決めたのは比較的管理費が安かったからです。
しかし、売買契約の際の重要事項説明のとき、聞いていたよりも1万円多い管理費を言われました。「●万●千円と聞いていましたけど?」と聞くと、値上げすることになったのだと告げられました。これは管理組合が決めることなので、売主さんや仲介会社に文句を言っても変えられないこと。
中古ならば、年々メンテナンスにお金がかかることはある程度予想できるので、「管理費は足りていますか? 近々値上げ予定はありますか?」と聞いておくべきだったなと思いました。
管理費のみならず、中には購入してすぐに大規模修繕することになり、修繕積立金だけでは足りずに何十万円も追加で支払わねばならないケースもあります。内見のときにしっかり聞いておきたいものです。
また、1のケースと関連しますが、同じフロア内に民泊をしているお宅があると騒音の問題などがあります。民泊OKのマンションかどうかもチェックしておきましょう。
4.リフォームを考えている人がチェックしたいポイントとは?
リフォームを前提に中古マンションの購入を考えている人は以上のポイント以外にもチェックするポイントがあります。
間取りはリフォームによって変えられますが、もっともお金がかかるのは水まわりの位置を変えること。その物件が自分の希望の間取りの水まわりの位置にあるかを確認しておきましょう。
マンションによってはフローリングにしたくても音の問題から床をじゅうたんでなくてはならないなどのルールを設けているところもあります。また、玄関扉も共用部分に当たるために変えられないケースもあります。そのへんの管理規約についても確認が必要です。
いちばんいいのは、リフォームしたい間取りを仲介会社に告げておくこと。リフォームの知識のある営業マンなら内見の際に「この壁は構造壁ですから、抜けませんね」などと一緒にチェックしてくれるでしょう。
中古マンション買う場合の大事な4ポイント
その街や近所の状態はリフォームできないのでよく確認
住んでから壁紙は変えることができますが、近所の様子などリフォームできないところをしっかり確認しておくことがポイントです。
- その街の朝、昼、夜、深夜の様子も知っておく
- 窓からの日当たり、景色、風通しを確認しておく
- マンションの管理状態を確認しておく
- 水回りの位置。変えることはできるけれど大幅に位置を変えるとお金がかかるため