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「今のマンションから別のマンションに住み替えたい」……そう思うタイミングは、多くの人に訪れます。たとえば、仕事の都合での転勤や家族が増えたときなどですね。しかし、住み替えは「マンションの売却」と「マンションの購入」を同じ時期に行うため、致命的なミスを犯しがちです。ただでさえ慣れていない不動産の売買取引を2つも行うため、不動産の知識がない一般人に住み替えはなかなか大変でしょう。
大変でも失敗したくはない。それが住み替えです。ここでは、住み替えのために必要な最低限の知識を4つ紹介しますので、マンション買い替えを検討している方は参考にしてください。
準備と情報収集がマンション住み替えの成功の鍵を握る
マンションの住み替えポイント①:必要な諸経費を知る
マンション住み替えの場合、売却に関する諸経費と購入に関する諸経費、ならびに税金がかかります。これらの手数料について把握していないと、「住み替えなどしなければよかった。」という流れになり、住み替えを「失敗」と捉えかねませんので、基本的に必要な諸経費を理解しなければなりません。
売却に関する諸経費
- 仲介手数料
- 印紙代
- 登記に関する費用
- 住宅ローン繰り上げ返済手数料
- 3,000万円以上の譲渡益があれば譲渡所得税
購入に関する諸費用
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登記費用
- 住宅ローンに関する費用
- 場合によっては頭金
このような諸経費が必要となります。とくに仲介手数料は売却マンション、購入マンションともに2,000万円とすれば、合計で約143万円かかります。これだけでも大きな負担になるでしょう。他にも、印紙代、登記に関する費用などを合計するとかなりの額になります。
マンションを売却した金額から引かれる諸経費、マンションを購入した金額に追加する諸経費を事前に計算するようにしてください。
マンション住み替えのための頭金は?
また、頭金について何も考えていない場合、金融機関に200万円~300万円程の頭金を入れてしまうと、家計への負担が大きくなってしまうことも考えられます。事前にローンをお願いする金融機関に、頭金がいくら位必要か相談をしましょう。住み替えでは、ローン返済のシュミレーションをしておくことが大切です。
マンションの住み替えポイント②:「買ってから売る」ではなく「売ってから買う」
マンションを住み替える場合、売却するマンションについてよりも購入するマンションについて意識しがちです。さらに、「良いマンションが見つかったから先に購入しよう」と考える方もおられますが、そのような住み替えはやめるべきです。
その理由は、先にマンションを購入してしまうと、今住んでいるマンションと購入したマンションの2つの住宅ローンを支払うことになるから。持ち家が2つになってしまえば、引越しをして住み替えが完了するまで、片方の物件は空き家という状況になります。空き家のローンを払う意味も見出せませんし、賃貸でも始めないかぎりは2つの物件を抱えるメリットもありません。
たしかに、気に入ったマンションを手に入れたいという気持ちはわかります。しかし、金銭的なリスクが大きいので、先にマンションを購入すべきではない。そう考えておいてください。
また、住み替えの場合は今住んでいるマンションを出来るだけ高値で売ることも重要です。そのためには、仲介会社の担当者に内覧してもらうまでにベランダの粗大ゴミを捨てる、キッチンやお風呂、トイレなどの掃除をして担当者の印象を良くさせる……このような点に注意をする必要があります。
買う事ばかり考えていると査定額が低くなり損をしてしまいます。まずは、「売る」ために必要な行動をする。その上で「買う」ための行動を起こす……これがおすすめの住み替え手順です。
マンションの住み替えポイント③:安易な買い替えローンは組まない
マンションや一戸建ての買い替えの場合には、買い替えローンをすすめられて契約するケースも多いです。買い替えローンとは、マンションを売却して債務が残っていても、住み替えたマンションの住宅ローンに残債務を加えて契約ができるローンです。こんな便利なローンを使わない手がないと考える方も多く、現に住み替えの際には、買い替えローンを利用する人も多いのですが……安易に買い替えローンを利用すべきではありません。
買い替えローンをおすすめしない2つの理由
その理由は2つあります。1つ目は、借入額が大きくなることです。契約内容にもよりますが、借入れは増えれば増えるほど債務者の負担が増えるだけです。現在から将来的に高い所得が保証されている方は別ですが、借入額については継続して自分が払えるかという点を確認しなければなりません。安易に借入額を増やすのではなく、割安のマンションを手に入れるなど借入額が大きくならないような努力をしましょう。
2つ目は、残債務が多いと属性が良くなければ自分の気に入ったマンションを手に入れにくい点です。金融機関は貸したお金に利息を付けて回収する事が業務内容です。そうなると、今の住んでいるマンションを売却しても大きな残債務がある場合、新たなマンションでは担保価値が足りない場合があります。この時に、職業、年収、勤続年数、これまでの経済的活動における評価である属性が高ければ買い替えローンは比較的自由に組めるでしょう。
しかし、属性が低いと金融機関から出される融資条件が厳しくなり、住み替えに成功しても「前住んでいたマンションのほうが良かった」というケースもあります。残債務が大きく残りそうな場合は、安易に住み替えローンを組むべきではないでしょう。
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マンションの住み替えポイント④:複数の仲介会社をまわり、情報提供をお願いする
住み替えの場合、良いマンションが見つかった時にはスピーディーに今住んでいるマンションを売却して購入手続きに入るべきです。
その場合、インターネットに情報が載る前のマンション情報を手に入れることが大切です。自分から仲介会社を訪問して、購入したいマンションの諸条件を伝えましょう。
可能であれば、事前に金融機関への融資は通過するという仮審査をもらってください。そうすれば、仲介会社はマンションを探せば仲介手数料をもらえますので頑張って動いてくれます。
「マンションを住み替えたい」その気持ちが先行する程リスクが大きい
金銭面を考えた後に住み替え後のマンション探しを!
この記事では以下の内容を紹介しました。
住み替えには事前の準備が必要だとおわかり頂けたと思います。住み替えでとくに重要なのは、引っ越し作業でもマンション選びでもなく、金銭的な部分。諸経費やローンについてシミュレーションを行い、住み替えに大きなリスクがないかを確認してから、新たなマンションを探すようにすると良いでしょう。
住み替えマンションについての良い情報があり、新築マンションの購入を決めたら迅速に売却を行うことです。住み替えでは「いつでも売れる、いつでも買える準備」を心がけましょう。
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