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マンションの住み替えで失敗したくない!」……そんなあなたのために、3つのリスク回避方法をご提案します。マンションの売買取引では、「高く売却したい」「安く買いたい」「住宅ローンの負担は押さえたい」。そんな思惑が買い手と売り手の双方にあります。住み替えは相手との駆け引きによって成立するといっても過言ではありません。
マンション売却で失敗したくない!住み替え上手の秘策
自宅マンションの売却損を小さくして住み替える
中古マンションの売買市場を見ると、築10年を経過した自宅は売却の旬を迎えています。住み替えの目安は築10年です。これには3つの要因が考えられます。
- 住宅ローン減税期間が10年であること。
- 10年以上住めば、売却で損をしても税金で優遇してもらえる可能性あること。
- 買い手側が探している物件は「築年数10年」に多く、売却しやすい状況にあること。
仮に、中古マンションの売買市場において、売却希望価格が3,500万円だとしたら、自宅を売って損失が少ないのは、販売時に4,000万円だった物件です。
ただし、特定の地域においては「売れば高値で取引される不動産バブル的な現象」が起きている場合もあります。このような例外もあるので、中古マンション市場の動向にはご注意ください。
中古マンションを含む不動産全体の動きをとらえる指標をまとめた記事がありますのでご参照ください。投資僧「不動産価格相場・災害リスクを自分で調べるサイト一覧!査定前に参照!」マンションの売り時は10年~20年程度これを過ぎると、設備の劣化や汚れも目立つようになり、リフォーム費用などをかけないと売却が難しい状態になります。現状のままで売却できる限界が築20年位と考えておいたほうが良いでしょう。
参考記事
マンション住み替えに潜む「3つのリスク」とその突破口
住み替えのリスク1・住み替えのタイミングを決めていない
マンションの場合、住宅ローンを利用される方が大半。そのため、住宅ローンの残債が残ることを気にされる方は少なくありません。売却のお金で住宅ローンの一括返済ができれば、預貯金を取り崩すことなく住宅ローンの清算ができます。しかし、大半のケースでは別途資金を用意することになります。
なるべく出費を押さえたいなら……以下の2点を意識することが大切です。
- 住み替えをあせって動かないこと。
- 時間の余裕をもって日程調整すること。
住み替えでは売却が済む前に、購入したい物件が現れることもあります。先に購入したい物件が見つかっても良いように、事前に住宅ローンの残債や売却諸経費をシュミレーションすることです。また、きちんと資金計画を立てて販売活動を行うことも意識してください。居住中のマンションが売れずに気に入った物件を購入できない……そうならないためには、計画的な準備が必要です。
急な住み替えを要される時は……
急な転勤などの諸事情で住み替えをしなければならない場合は、売却をあせりがちです。でも、こちらから慌てた様子を見せると、足元を見て不当な値引きを要求してくる可能性もあります。
急な時期の住み替えは、動いている物件の数は少なく、必然的に内覧希望者からの問い合わせも少ないもの。新築マンションへの住み替えなら事務的に処理できますが、中古マンションへの住み替えだと、相手がいるだけに引っ越し日や契約日の調整など、タイミングを計るのが難しくなります。住み替えの準備が早ければ早いほど、失敗のリスクを軽減できます。
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住み替えのリスク2・自宅マンションの価格が「2段階」になってしまう場合
自宅を売却する時、一般的には購入価格から物件の価値を検討します。しかし、最近のマンション事情により、購入価格だけで判断するのが困難になってきました。
そもそも、マンションは集合体ですから、売り出す時は一定の成約数が期待できます。ただし、売れ残り物件が発生すれば、マンションの売却価格に影響を生じかねません。完売を目指す販売会社は、当初4,000万円で販売していたマンションをを3,580万円に値下げして販売することもあるのです。
値下げされたマンションの売却は注意!
もしもあなたのマンションが旧価格と新価格のように2段階になっていたら、直近の価格(最後に販売された価格3,580万円)が購入価格として査定されてしまいます。もちろん売却価格にも大きな影響を与えるでしょう。売れ残りがあるマンションに住んでいる場合は、売却価格が下がる可能性もあるので、売買価格の動向にも注意が必要です。
新築時は同じマンション内のお部屋が、数十個から数百個同時に売りに出されます。ときには少し売れ残った部屋を、業者が事業完結のために値下げをして販売することもあるでしょう。しかし、値下げした価格がマンションを売却する時の価格に大きく影響することはありません。値下げ前の価格と、階層や角部屋などの部屋の条件で適正な値段をつければ、十分に売却は可能です。
住み替えのリスク3・高く売りたいと思うほど、住み替えは失敗しやすい
マンション価格は建築年数が比較的浅いうちは、売却価格も比較的高い傾向にあります。しかし、築11年を過ぎると購入希望者が少なくなりはじめ、築30年のマンションになると買い手が、付きにくくなる特徴があります。
オーナー側の気持ちとしては、購入時の価格が高いほど、売却価格を高めに設定する傾向が。しかし、マンションには旬があります。建築から10年を過ぎると時間の経過とともに、マンションの資産価値はどんどん下落してしまうでしょう。
改修工事の検討期間に注意!
とくに、築15年のマンションの場合、大規模改修工事の検討時期にも入ります。すると、買い手が補修費の負担を懸念するため内覧者も少なく、価格の値引き交渉をされやすくなるでしょう。
築15年くらいのマンションは修繕計画がきっちりしています。そのため、大規模修繕前の物件はむしろ歓迎されるでしょう。たしかに工事中は多少不便ですが、管理会社の能力や修繕計画がきっちりしているのなら、大規模修繕前を理由に弱気になる必要はありません。
売却を検討しているマンションオーナーには、周辺地域のマンション相場を確認することと、複数の不動産屋に査定してもらうことをおすすめします。査定をまとめて依頼したい場合は、一括査定サービスを使うと良いでしょう。おすすめはすまいValueです。大手不動産6社からの査定を一括で申し込めます。もちろん査定は無料です。
マンション住み替えに伴う住宅ローンの債務
マンションの住み替えに伴い「今の住宅ローンを完済するか」「買い替えの住宅ローンを利用する」などの選択をしなければなりません。最近の住宅ローンは頭金なしで住宅ローンを組めますが、一方で住み替えするには、住宅ローン債務を一括返済するリスクがあります。
買い替え住宅ローン
住み替えの需要に応えようと、複数の金融機関で「買い替え住宅ローン」を取り扱う金融機関が増えております。ただし、すべての方が利用できるわけではありません。マンション住み替えの為に必要な費用を上乗せして融資することになるため、金融機関は担保価値を超える融資をしなければならないからです。
結果として「毎月の返済額が上がる」可能性が高くなるため、住宅ローンの利用者本人の借り入れ審査が以前よりも厳しくなる傾向があるのです。正しく返済できるのかチェックされ、必要によっては追加書類の提出を求められることもありますので、書類提出の不備が起こらないよう注意しましょう。
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マンションの住み替えは、準備すれば失敗は減ります
住宅ローンの利用者されている方は月々の返済額をキープ
この記事では以下の内容を紹介しました。
無理をしてマンションの住み替えをしてしまうと、居住費が増えすぎるリスクがあります。住居費は固定費なので、少しでも上がると生活が苦しくなるもの。回避するためには、売却価格と同じようなマンションを選ぶことです。
月々の返済額で資金計画を行うことが多いので、購入時と今の金利を比較してください。購入時よりも金利が下がっていれば資金計画も立てやすくなります。物件価格と同様に金利、つまり月々の返済額にも注目してください。
これまでの返済額の範囲以内であれば、家計負担のリスクは予測範囲で抑えられるでしょう。この記事で紹介したポイントを押さえて、無理のないマンション住み替えを目指してください。
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監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧