中古物件市場にはリノベーション済の不動産と、工事がなされていない未リノベーション(以下未リノベといいます)不動産が存在します。

この記事では、リノベーション済の不動産を購入する方が得か?未リノベ不動産を購入する方が得か?解説していきたいと思います。

なお、本記事において、リノベーションとは簡易的なリフォーム工事を含むものとして解説します。

リノベーションが必要なマンションの割合

国土交通省が公開している平成26年度住宅経済関連データによると、全国にマンションのストックは約650万戸(平成30年度末時点)あります。そして、この約650万戸のマンションストックのうち、半数近くのマンションがリノベーションを必要とする築20年以上の物件です。

引越しをするまでのコスト

最初に、引っ越しまでの流れをみてみましょう。

リノベーション物件

「売買契約」→「代金支払い」→「引っ越し」

上記のようにリノベーションマンションへの引っ越しは、とてもシンプルな流れです。マンションを購入したら直ぐに引越しができるので、無駄なコストはほぼゼロです。

最近では、家電・家具付きのリノベーションマンションも増えてきています。そのような物件ならば、家電や家具を購入する費用も削減できます。

末リノベ物件

次に、未リノベのマンションを購入し、引っ越すまでの流れを考えてみましょう。

「売買契約」→「代金支払い」→「リノベーション工事」→「引っ越し」

「代金支払い」~「引越し」までの期間は、工事内容にもよって変わりますが、1~4か月と長期に渡ります。その期間は住むことができません。

今のお住まいが賃貸マンションでしたら賃料が発生しますので、住宅ローンと二重払いになります。また工事中、購入マンションの管理費などの負担も発生します。

工事費面ではどちらが有利?

では次に、工事費の面から比較してみましょう。

結論から書くと、リノベーション物件の工事費用のほうが安いです。

「リノベーションマンション」と「未リノベマンション」……どちらも同じボリュームの工事ならば、同じ工事費用ではないか?

そう思いますよね。しかし、違うのです。不動産会社のほうが安いのです。何故でしょうか?その理由は次の通りです。

  • 発注件数

中古物件を購入して再販する事業を専門的に行っている不動産会社は、年間少なくても10件、多い会社ですと数百件もの中古物件をリノベーションしています。

たとえばキッチン一つにとってみても、1セット購入するのと年間100セット購入するのとでは、仕入れ金額が圧倒的に変わるでしょう。トータルで考えると、かなりの金額差になることも少なくありません。

  • 打合せ時間

一般消費者がマンションをリノベーションをする場合、工事会社のコーディネーターが全体のデザインを提案します。一度で決まることはほとんどなく、複数回の打合せが必要となります。

色決め一つにしても、まずは商品カタログやサンプルの取寄せから始めます。その後に仕様決めの打合せをするのですが……30分から1時間、仕様が決まらないことも珍しくありません。時間がかかればかかるほど、その分人件費がかかってしまいます

また、キッチンなどの設備は、好みのものを一つだけ選んで仕入れます。前者は「量産」、後者は「オーダーメイド」。当然、コストには大きな違いが現れてしまうのです。

住宅ローン借入によるコストの違い

不動産の相談、不動産業者

では次に、住宅ローンの借入に視点を移します。

リフォーム用の住宅ローンを使う場合は、リノベーションマンションに軍配が上がることが多いです。

仮にリノベーションしていない中古マンションを購入した場合、住宅ローンに加えて、(キャッシュ支払いを除き)リフォームローンを別に借りなければならないケースもあります。

住宅ローンは低金利で、返済期間も長く設定できるのですが、リフォームローンは比較的高金利で返済期間が短めのため、月額の返済の負荷が高くなることもあります。しかし、リノベ済みならマンション単体の購入になるので、住宅ローン一本で済むことになります。

自由度

キッチン

一口にリノベーションと言っても、その完成系はさまざまです。

一般的に不動産会社が行うリノベーション工事は「多くの人に気に入ってもらえる流行りの仕様」になりがちです。そのため、超個性的な仕様にはなりません。

ただ、完成したものを実際に確認したうえで購入できるので、失敗が少ないとも言えるでしょう。

一方、未リノベ物件の場合、工事仕様はオーダーメイドですから自由度は非常に高いです。しかし、想像していたイメージと違ったり希望の間取りに変更が不可能だったりとトラブルが起こる可能性もあります。

まとめ:リノベーションマンションと非リノベマンションの比較

「きれいなマンションに住む」というゴールに向けての道は、「工事済みを購入するルート」と「未工事を購入するルート」の2種類があります。

コストを強く意識するのであれば、リノベーション済のマンションを購入したほうが良いでしょう。また、リノベーション済の物件の中からご自身のライフスタイルに合う物件が見つかるのなら、素直にリノベーション済の物件で良いです。

しかし、どこを探しても理想の物件がない、または、自分の理想を追求したオリジナル空間を作りたい……そう考えるのであれば未リノベ物件の購入も検討してみてください。まずは、リノベーション済みマンションを検討し、その後に未リノベ物件を検討する。その順番で考えると効率良く理想のマンションに巡り会えると思います。

記事監修者 玉井 伸樹
(株)ウィルゲイツ・インベストント勤務。ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て(株)ウィルゲイツ・インベストントの創業メンバー。不動産、建築と広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、1級建築士。HP:http://www.willgi.co.jp/


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