マイホームを購入する際、ほとんどの人が金融機関で住宅ローン組んでお金を借り入れます。しかし、住宅ローンの内容はさまざま。比較をせずに「銀行口座を持っているところで組もう」と考えるのは少々安易かもしれません。

この記事では主に特約のある5社の住宅ローンを、比較・解説しています。住宅ローンを組むのはほとんどの方が初めてのはず。特約などに詳しくない方も多いでしょう。住宅ローンならではの専門用語についても分かりやすく触れながら解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

住宅ローンは金利だけにとらわれないように

お金

住宅ローンで最も重要視されるのは、返済金額にも直結する金利でしょう。しかし、金利だけにとらわれすぎると保障の手厚さや手数料の大きさなどに気づかず、良い結果にならないこともあります。この記事では、それぞれの住宅ローンの特約(オプション)に焦点を当てて解説していきます。

最低限知っておきたい住宅ローンの専門用語

それぞれの住宅ローンの説明に入る前に、住宅ローンで使われる基礎的な用語について確認しておきましょう。どの金融機関でも使われる用語のほとんどは共通しているので、用語を知っておくと、住宅ローンごとの違いが理解しやすくなります。

①:金利

ポイント

金利とは利子や利息と呼ばれるものと同じだと考えて構いません。不動産は大きな買い物ですので、一括で買うことはできず基本的には金融機関で住宅ローンを組んで購入することになります。

お金を借りるわけですから当然利息をつけて返していくことになります。利息は「利息額=元金額(=借入残高)×金利(利率)×借入期間」の式で計算できます。つまり、総返済額や利息は借りた金額と返済完了までの期間によって大きくなるわけです。

金利の「〇%」というのは1年間でかかる利息を表しています。たとえば100万円借りた際の金利が5%で、1年間かけて返済する場合の総返済額は、借りたお金の100万円に加えて100万円×5%の5万円が必要になるので105万円となります。半年で返済する場合は、金利も半分になり総返済額は102万5千円です。

借りた金額は同じでも、完済までの期間によって総返済額が大きく変わるのが金利の特徴です。

固定金利と変動金利

住宅ローンの金利には「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。固定金利はその名の通り一定期間金利が固定されているもので、変動金利は景気などに合わせて金利が変動します。

固定金利は、金利が変わらないので返済計画が立てやすいですが金利は高い傾向にあり、変動金利は固定金利より低い金利から始まりますが、将来的に金利が高くなるかもしれないリスクがあります。

②:ローン保証料(保証料)

不動産を知るためのポイント

ローン保証料は、住宅ローンの連帯保証人を立てる代わりに保証会社へ支払う費用のことです。万が一契約者がローンの返済をできなくなれば、お金は貸した金融機関は損をしてしまいます。そのようなリスクを避けるために、金融機関がローンを組む条件です。住宅ローンにおいて保証料という記載があれば、それはローン保証料のことを指します。

お金を貸す金融機関がリスクを避けるための費用ですので、仮に支払いができなくなったとしても契約者にとっては、残債を返済する相手が金融機関から保証会社に変更されるだけで、引き続き返済の義務は継続します。

ポイント

ローン保証料には、借入時に一括で支払うタイプとローン金利に上乗せ(概ね0.2%)して支払うタイプの2つがあります。初期費用を抑えたい時は金利に込みとしても良いし、月々の支払を気にされる方は一括でも良いでしょう。

③:団体信用生命保険料(団信)

住宅ローンの返済中に契約者が亡くなってしまった場合などに、ローンの残債をすべて弁済してくれる生命保険のために支払う費用です。基本的には、住宅ローンの金利に組み込まれています。

基本的には、住宅ローンを組むと必ず基本サービスとして組み込まれているもので、今回紹介する5つの住宅ローンはすべて金利に組み込まれており、別途で団体信用生命保険料を支払う必要はありません。

④:特約

団体信用生命保険料は、いざというときの備えとなりますが、実は適応できる範囲が広くありません。そのため、各住宅ローンでは、団信にプラスするかたちで独自のオプションを設けています。このオプションは「〇〇特約」などという名称で用意されていることが多いです。

住宅ローンを比較する際に、最も個性がでるのが特約です。住宅ローンを比較する際には、ぜひ特約をチェックしてみてください。特約は無料のものと金利を上乗せしてつけるものの2パターンが主流です。

特徴のある住宅ローンを5つ紹介!

不動産の説明をする女性

ここからは実際にある住宅ローン5つをピックアップして紹介していきます。特徴があるものを厳選して紹介していきますので、自分にはどれが合っているかを考えながら読み進めてください。紹介する金利は2021年3月現在のものです。

①:りそな銀行の団信革命

りそな銀行

りそな銀行の「団信革命」という住宅ローンは、3大疾病に加え「病気・けがによる16の状態」や「要介護状態」に該当すれば住宅ローンの残高が0円になる保障がついた住宅ローン。3大疾病とはがん・急性心筋梗塞・脳卒中のことで、「病気・けがによる16の状態」は以下の状態のことです。

  • 呼吸器の機能に著しい障害を永久に残し、酸素療法を受けたもの
  • 恒久的心臓ペースメーカーを装着したもの
  • 心臓に人工弁を置換したもの
  • 肝臓の機能に著しい障害を永久に残したものまたは肝移植を受けたもの
  • 腎臓の機能を全く永久に失い、人工透析療法または腎移植を受けたもの
  • ぼうこうを全摘出し、かつ、人工ぼうこうを増設したもの
  • 直腸を切断し、かつ、人工肛門を増設したもの
  • 両耳の聴力を全く永久に失ったもの
  • 上肢を手関節以上で失ったもの
  • 上肢の用を全く永久に失ったもの
  • 上肢の3大関節中の2関節の用を全く永久に失ったもの
  • 下肢を足関節以上で失ったもの
  • 下肢の用を全く永久に失ったもの
  • 下肢の3大関節中の2関節の用を全く永久に失ったもの

団信革命は、通常の住宅ローン金利(変動金利の場合は金利が年0.470%~)に年0.3%を上乗せすると契約可能になります。

②:住信SBIネット銀行の全疾病保障

住信SBI銀行

こちらは無料の特約で、住信SBIネット銀行の住宅ローンに任意で加入するものになります。全疾病保障という名称のとおり、特定の病気になった場合にのみ保障が受けられるというものではなく、精神障がいなどを除くケガや病気で働けない期間が続けば、住宅ローンの残高が0円になるものです。

がん・脳卒中・急性心筋梗塞・高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎の8種の疾病の場合は、働けない状態が12ヵ月、それ以外の場合は24ヶ月続けば住宅ローンの残高が0円になります。残高が0円になるまでの期間も月々の返済金が一定期間保障される仕組みです。

また、住信SBIネット銀行における変動金利の住宅ローンの金利は、年0.41%です。

③:auじぶん銀行

じぶん銀行

au自分銀行は、無料の特約と有料の特約が充実しています。無料の特約は「がん50%保障団信」という名称のもので、がんと診断された時点で住宅ローンの残高が半額になります。さらに「がん50%保障団信」では、余命半年と宣言された場合・すべての病気、けがで入院が180日以上続いた場合は住宅ローンの残高が0円になります。

この無料の特約に加え、有料のものとしてがんと診断された時点で住宅ローン残高が0円になる「がん100%保障団信」、がんと診断された場合に加え、10種類の生活習慣病で入院が180日以上続いた場合でも残高0円となる「11疾病保障団信」などがあります。「がん100%保障団信」は金利が年0.2%プラス、「11疾病保障団信」は金利が年0.3%プラスです。

住宅ローン自体の金利は、変動金利のものは年0.41%でスタートします。じぶんでんきとのセット契約で住宅ローン適用金利から年0.03%引き下げられるというサービスがあります。

たとえば、年0.41%の変動金利住宅ローンに有料の特約をつけず、じぶんでんきとセット契約にした場合は、年0.38%の金利になります。

④:PayPay銀行(旧・ジャパンネット銀行)

ペイペイ銀行

PayPay銀行の特約の内容は、auじぶん銀行と似ています。大きく異なる点は金利で、PayPay銀行では変動金利のもので0.38%からスタートします。ただし、「がん50%保障団信」が無料の特約ではなく金利が年0.1%プラスとなっています。「がん100%保障団信」は金利が年0.2%プラス、「11疾病保障団信」は金利が年0.3%プラスなのはauじぶん銀行と同じです。

⑤:新生銀行

新生銀行

新生銀行の住宅ローンには、「安心保障付団信」という無料の特約があります。特定の症状によらず、要介護状態が180日以上継続した場合、または公的介護保険制度の「要介護3以上」に認定された場合に、住宅ローンの残高が0円になるものです。

要介護状態とは下記5項目中、1項目が全部介助、かつ他の1項目が全部介助または一部介助の状態、または下記5項目中3項目以上が一部介助の状態をいいます。

  • 歩行
  • 衣服の着脱
  • 入浴
  • 食べ物の摂取
  • 排泄

新生銀行の住宅ローンは変動金利で、年0.45%から始まるものがあります。また、付帯サービスとしてセブン銀行ATMやローソン銀行ATM、イーネット銀行ATM、イオン銀行ATMなどでの出金手数料が0円になります。

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特約で選ぶ住宅ローン:まとめ

住宅地

この記事では以下の内容を紹介しました。

住宅ローンは千差万別で、これを選べば間違いないというものはありません。自身のライフスタイルや将来設計などをよく考慮し、しっかりと比較して選んでください。

監修 鈴木 良紀
(株)ウィルゲイツ・インベストント勤務。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。宅地建物取引士・ビル経営管理士鈴木が監修した他の記事はこちら