数年住んだら転売できる資産価値が落ちないマンション選び3つのコツ

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高層マンションを飛ぶ紙飛行機

目次

長い人生において、1つの住まいに必ずしも永住するわけではありません。「数年後にまた住み替えが必要かもしれない」という状況だと、マンションを買わずに賃貸住宅を選ぶ方も多いかもしれませんね。

でも、あらかじめ「転売」や「住みかえ」を視野に入れてマンションの購入をすれば、数年後に手放したとしてもローンを完済できる可能性は高いです。さらに、購入時より高くマンションが売れるケースも考えられます。今回紹介する3つのコツを意識すれば、所有期間が数年のマンションでも損をせずに転売できるでしょう。

将来的な転売も考えてマンションを選ぼう

マンション

転売も意識したマンション購入

転売や住みかえを視野にいれるのなら、「通勤・通学に便利」「広さもちょうどいい」などの条件だけでマンションを選ぶのは危険。転売は一種の投資と考えて、資産価値の落ちにくさを見極め、損をしないマンション選びをする必要があります。

一般的にマンションは、1年で2%ずつ価値を落としていくもの。たとえば、5年の所有期間を経てマンションを転売するとしたら、5年×2%で10%価値が低下するのが一般的です。購入時5,000万円だったマンションは5年後には4,500万円に、3,000万円だったら2,700万円の価値になるのが相場ですね。

一方、5年後のローン残高はどのくらいになっているでしょうか?35年ローン、元利均等型、金利1.4%の固定金利で算出すると、マンション購入金額5,000万円の場合は約4,420万円、購入金額3,000万円の場合は約2,650万円になっています。つまり、5年後の売却でも、相場通りの価値低下率であれば、ギリギリ売却金額でローンの完済は可能です。

マンション売買にかかる諸費用

しかし、忘れてはならないのが、仲介手数料などマンションの購入と売却にかかる諸費用。その金額は、購入時が物件価格の6%、売却時は物件価格の4%が目安です。相場通りにマンション価値が低下した場合は、5年後の売却金額とローン残高は「とんとん」でしたよね。となると、諸費用については大部分が持ち出しになってしまうわけです。

こうならないためには資産価値が落ちにくいマンションを見極め、選ぶ必要があります。そのコツとは以下の3つです。

  1. とにかく好立地なマンションを選ぶ
  2. 新築マンションより中古マンション
  3. マンションの管理状態を確認

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転売できる資産価値が落ちないマンション選びのコツ

高級マンション、横浜

転売できるマンション選びのコツ①:好立地の物件を選ぶ

資産価値の落ちにくさは、「立地」が一番大きく影響します。

  • 「住みたい街ランキング」にランクインするような人気の街
  • 駅から徒歩5分圏内
  • 急行停車駅

この3つを満たす立地が一番ですが、優先させるべきは駅からの距離です。「駅から○分」と表すとき、不動産業界では80mの距離を徒歩1分として計算します。

つまり、駅から徒歩5分圏内は駅の周り400m圏内ということ。非常に限られたエリアのため需要が高く、マンションの資産価値の低下率は最低限に抑えられます。その他の条件としては商業施設や医療機関、学校、役所関係などが近くにあると利便性が高いと判断でき、マンションの資産価値が保たれる傾向があります。

転売できるマンション選びのコツ②:新築より中古

マンション 男女

新築マンションか中古マンションか?……築年数などを考えると、新築マンションのほうが良さそうな気がしますよね。たしかに、資産価値の高さは新築マンションのほうが高いのですが、資産価値の下がりにくさに注目すると中古マンションが有利です。

先ほど、「マンション価値は1年で2%ずつ低下していくのが一般的」と言いましたが、これは中古物件になってから言えること。新築マンションは誰かが住んだ時点で新築ではなくなり、ガクンと価値が下がるものです。その低下率はおよそ10%。これほどまでに価値が下がってしまう理由は、新築物件には分譲会社などの利益が上乗せされているからです。

また、新築には買い手にとって中古にはない魅力があります。しかし、一度でも誰かが住んでしまえば「プレミア感」はなくなり、一定の価値が低下すると考えられます。5年間で10%価値が低下するのに、さらに新築から中古になったことで10%価値が下がるとなれば、転売時に損をしないことはかなり難しくなるでしょう。

タワーマンションやブランドマンションなど、新築後も価値の上昇が見られるマンションもありますが、それはほんのひと握り。数年後の転売を視野に入れる場合は、基本的にはすでに「新築プレミア」がなくなった状態で購入できる中古マンションの方が断然有利です。

転売できるマンション選びのコツ③:管理状態を確認

綺麗な部屋

マンションは管理を買え

「マンションは管理を買え」とも言われるくらい、マンションの管理は重要です。管理の状態次第では、同じ築年数でも劣化状況には雲泥の差がありますし、清掃状態など見た目にも差が出ます。短期間の所有だとマンションの管理状態はそこまで「住みやすさ」に影響しないでしょうが「売りやすさ」には大きく影響する部分。ですから、必ず購入時に確認するようにしてください。

自主管理のマンションは避けるほうが賢明

まず避けるべきなのは「自主管理」のマンション。住人が自ら管理をしているマンションですね。自主管理のマンションは管理費が安いので、一見お得にも思えます。しかし、マンション全体の築年数が底上げされていき、管理状態を気にする買い手がこれからどんどん増えることが予想される中、管理会社が入っていないマンションを選ぶのは賢明ではありません。

管理会社が入っていても、マンションの管理は管理組合が主体となっておこなうべきものですが、管理のプロの目が行き届いていないマンションはやはり将来的に不安があります。資産価値にも影響すると考えられるからです。

修繕積立金が安いマンションは注意

また、修繕積立金が著しく安いマンションにも、注意が必要です。こちらも毎月徴収される費用ですから安いほうがいい気もします。しかし、そもそも修繕積立金とはマンションの大規模修繕の元手となるお金。この費用が十分に積み立ててられていないマンションは、満足のいく修繕や点検ができないことにも繋がりやすいのです。

国土交通省の直近の調査によると、全国のマンションの約8%は長期修繕計画さえ立てていないとか。また、同調査によると、修繕積立金の額の平均は月額11,800円となっています。100世帯や200世帯ある大規模なマンションは1世帯あたりの負担額が少ない傾向がありますが、少ない世帯数で1万円に満たないようなマンションには注意が必要です。

マンションの管理状態は、不動産会社の担当者を通して確認することができます。以下の点は必ず確認してもらいましょう。

  • 管理会社が入っているか
  • 長期修繕計画があるか
  • 積立金は十分あるか

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転売できる価値のあるマンションを!

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この記事では以下の内容を紹介しました。

マンションは一戸建てと違って、条件さえ見定めれば資産価値の低下は最大限避けられます。短期間所有であれば、さらにその可能性は高いです。転売する前提でマンションを選んだり、買ったばかりのマンションをすぐ売る。このような行動に前向きになれない方もいらっしゃるでしょう。でも、損をせずにマンションの売却ができ、マンションの転売によって得をする可能性をも秘めているのは、短期間所有だからこそ。

「資産価値の落ちにくさ」を重視したマンション選びの旨は、不動産会社にも伝えるようにしてください。自己居住用の物件は投資ではありませんが、数年後のマンション転売を視野に入れる場合はその要素も持ち合わせることになります。投資物件を得意にしている担当者であれば、転売できるマンションの見極めに尽力してくれるはずです。

監修者:鈴木 良紀

監修 鈴木

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧