住宅ローンの支払いが大変になった時にただ闇雲に返済を続けるだけではいけません。
無理はいつか綻びます。
家計の見直し、ローンの見直し、借り換えや買い換え、そして任意売却。
綻びが生じる前にできることの選択肢を書きましたので参考にしていただければ幸いです。

住宅ローンが大変になったら・・・?

家計の見直しから任意売却まで

住宅を購入する前は「これくらいの住宅ローンの返済額なら払える」と思う人は多いです。
ところが、実際に返済を始めるとローン以外にも住宅に関する支出が意外に多額になることに気づきます。

これは現在の不動産の販売手法にも問題があります。
しかし、せっかくのマイホーム。頑張りすぎて身の丈を超えたローンを組んでしまう人も少なくありません。
頑張りすぎた人へ、家計の見直しから任意売却までご説明いたします。

住宅ローンが大変になったときの選択肢

家計の見直し

家計の見直しが始めの一歩であると同時に最もベターな方法です。見直しを行うことで家計が健全化します。競売や任意売却等でマイホームを手放さずに住み続けることもできます。

購入当時は住宅ローンの返済額だけに目が行きがちです。販売時の説明では、購入費用や返済額といった説明義務のある金銭に関してはしっかりと説明しますが、それ以外のお金についてはできるだけ説明しないか、説明する場合でも控えめに留めることもあります。

説明されない金銭の代表的なものとして、自治会費や、建物のメンテナンス費用、庭のある場合には庭木の手入れの費用等。説明されるものの失念しがちなのが固定資産税です。

自治体によって差がありますが、毎年4~6月頃に納付書が届きます。忘れた頃に請求されるこの税金は、家計が毎月ギリギリのご家庭であればローン返済に支障の出る場合もあるでしょう。

家計を見直す際の簡単なコツは、毎月の収支を見るだけではなく1年間の予算を立てることです。
たとえば、固定資産税などは納付額をその納付する月に支出するのではなく、毎月少しずつ積み立てておきます。

同じように年払いの自動車税や保険料なども毎月積み立てておくようにします。このように年間を通して予算立てすることで、収支の予測を立てることができます。

1年後に不足する金額が分かっていれば、携帯料金や保険料の見直し、買物や旅行の自粛や小遣いの減額、アルバイトやパートの増加など様々な対策を事前に講じることができます。

「こういうのはちょっと苦手・・・」という人は、金融機関や保険会社等で実施しているFP(フィナンシャルプランニング)相談へ足を運んでみると良いでしょう。専門家がアドバイスをしてくれます。

住宅ローンの見直しと借り換え

住宅ローンの毎月の返済額を減らすことができれば、家計への圧迫も減少します。
返済額を減額する方法は「見直し」と「借り換え」の2つです。

1.見直し

住宅ローンを借りている金融機関と相談して返済内容を見直します。代表的な方法は返済期間の延長です。これは借入額をそのままに返済期間を延長することで、毎月の返済額を少なくできるというメリットがあります。

期間が長くなるので金利は高くなりますので、総返済額も高くなってしまうことはデメリットです。また、金融機関の審査も必要ですので、期間延長が必ずできるとは限りません。

2.借り換え

他の金融機関で住宅ローンを借り換えます。高い金利で借りている場合や期間延長ができないという場合には、他の金融機関のローン商品を検討する価値はあります。

仮に今のローンと金利は変わらなかったとしても返済期間が長く組めるのであれば、毎月の返済額を抑えることは可能です。借り換えする場合にも諸費用が発生しますので、その費用も加味しながら検討することになるでしょう。

借り換えには、諸費用がかかりますが、諸費用を住宅ローンに含めることができる金融機関もあります。借り換え効果が出るかどうかは、住宅ローン残高、現在の金利と借入先の金利との差、残りの返済期間に加え、諸費用の額によって変わりますので、シミュレーションをして確認しましょう。

今はネットでも住宅ローンの返済シミュレーション、審査申し込みができます。住信SBI住宅ローン返済シミュレーションだけなら3分、仮審査申し込みは10分あれば完了。

買い換えも有効な選択肢の一つ

駅

住宅ローンの返済額を低くする方法として、価格の安い物件に買い換えるという方法があります。例えば、駅から徒歩5分と20分の距離に同程度の住宅があったとします。

不動産取引上は、前者は「駅近物件」として価格も高くなり、後者は駅から遠いために不人気です。
さらにその駅には特急が停車するなどの利便性から人気があるが、たった1つ隣の駅は停車しないために価格が低いという場合もあります。

これは距離で例示しましたが、住宅の広さを狭くするダウンサイジングという方法も有効です。物件価格には結構差がつくので、買い換えた場合には毎月の返済額は減少するはずです。仮に通勤時間が30分増えるだけで、あるいは1部屋狭くなるだけで、毎月の返済のプレッシャーから解放されることになります。

このように売却代金でローンを完済し、残りのお金で新しくマイホームを購入します。もしもローンを完済できずに残債が残ってしまった場合、買い換え物件のローンへ組み込んで一緒に返済するという方法もあります。

そういった買い換えローンの方が金利は高い傾向も見受けられますが、トータルの借入金額を減らすことができれば、毎月の返済額も抑えることができます。

ちょっといいマイホームを買いすぎたかもしれないという方は、まず今の不動産を査定してみるといいでしょう。住み替えるかどうかは査定額を見てから検討すればいいと思います。

査定額を調べる場合、不動産の一括査定サイトで複数の会社でお住まいの見積もりをとると簡単に比較検討ができます。

おすすめは大手不動産会社6社が運営し、業界で最も知名度がある「すまいValue」。三井のリハウスや住友不動産など、大手不動産会社にまとめて査定が依頼できるサービスです。

すまいvalue 公式ページ

最後の手段としての任意売却

中古マンションの売却

どうしてもローン返済が大変という場合、差し押さえ・競売になる前に売却することを検討すると良いでしょう。住宅ローンを滞納して差し押さえから競売にかけられた場合には、通常価格よりも安い落札価格になってしまうからです。

その前に売却するとしても、通常売却できれば良いのですが、住宅ローンを返済できるくらいの金額で売れなければ、抵当権者である金融機関が了承しないために売却ができません。その場合には任意売却という方法になります。

任意売却とは、売却しても住宅ローンが残ってしまう場合に、金融機関の合意を得ることで売却できるという方法です。任意売却であれば一般の取引相場と同じ水準で売却が可能ですので、ローン返済へ充当できる金額も多くなります。任意売却後、残った住宅ローンは免除されるということはまずあり得ません。

減額されることもありますが、基本的には返済を続けます。要は、借金はしっかり残るというわけです。このため、任意売却ではできるだけ残債額と同じかそれ以上で売却することを目指したいところです。

任意売却を行う場合、多くの人は様々な苦労をします。
例えば、金融機関や保証会社との交渉。
今までは『お客様』でしたので、金融機関の担当者も愛想良くいろいろとやってくれました。しかし、任意売却とは債務者(住宅ローン借入者)の救済措置であり、債権者(金融機関)にとっては厄介事です。

住宅ローンの担当者とは別に任意売却専門の担当となり、その対応は冷たいものになるでしょう。恫喝されることはないでしょうが、嫌みを言われたりため息をつかれるなど、ハラスメントまがいの対応をされることもあります。

それがなくても任意売却の同意を得るのも大変ですし、任意売却金額や引き渡しの時期や方法など一つ一つ報告し同意を得る必要があり、それぞれ交渉をしなければなりません。通常売却よりも煩雑な任意売却ですので、時間をかけてじっくり行いたいところですが、のんびりしていると競売にかけられてしまいます。

このため、任意売却は最後の手段と受け止めて、任意売却に至る前の早い段階で、まずは家計の見直しや、借り換えや買い換えといった方法を検討したいところです。

任意売却とは最後の手段

大切なのは任意売却にしない方法

任意売却とはメリットもありますがデメリットも多い方法です。言葉は大げさかもしれませんが、最後の手段と言っても大きな違いはないでしょう。ローン返済が大変になった場合、無理して払い続けるのも悪いとは思いませんが、無理はいつか綻びるものです。

闇雲に無理して返済し続けるのではなく、家計を見直したり、まだ余力のある段階で他の選択肢を選ぶことをお勧めします。

マンション売却を考えているものの、何から始めて良いのか分からない方へ
マンション売却の査定をする前に

マンションの売却は一生に一回あるかないかの事です。非常に大きな金額になりますので「なるべく高く早く売りたい」という方は多いと思います。

そのために一番大切な事は「査定」で売却を依頼する不動産会社を見極める事です。ここからはその査定をする前に必ず読んでおいて頂きたいマンション売却20ヶ条をお話します。

マンションを売却する前に必ず読みたい20ヶ条
鈴木 志安
宅建取引士。不動産会社取締役。業歴20年余。他社の業務支援や助言、一般人の賃貸・売買・相続等の不動産相談を引き受ける。法務や税務の知識に加え、人の気持ちも踏まえたアドバイスには定評がある。ライターとしては主に不動産関連のコラム等を執筆。