来月離婚することに……マンション購入で利用している住宅ローンはどうする?

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離婚

目次

離婚をすると住宅ローンはどうなるのか?

マイホームを購入していた場合どうするか

電卓とお金

各家庭、不動産の売却理由は様々です。

『住み替え』や『転勤』、『実家の相続』など、様々な理由があるのですが、中でも離婚による不動産売却では注意が必要です。

ちなみに、子ども1人の3人家族の家庭が持ち家を持つと仮定した場合『70㎡台/3LDK』タイプのマンションか一軒家をご自宅として購入することが望ましいともいわれています。3人家族を想定している広さですから、離婚をして家族が少なくなるのであれば70㎡のマンションは必要なくなるので、離婚を機に不動産売却をするのも当然と言えるでしょう。

ここで気を付けなければいけないのが住宅ローンです。

住宅は世の中で最も高価なものと言われる商品ですから、多くの方は住宅ローンを利用して購入します。最近では共働き世帯が増加傾向にあるので、マンションを購入する際に、ご主人・奥様の共有で住宅ローンを組む家庭がとても多くなっているので、このような場合は離婚時に注意が必要です。

住宅ローンが返し終わっていれば離婚をしても当事者同士で解決することが出来ますが、住宅ローン返済中の場合は金融機関との調整も必要になります。
とにかく、離婚というと財産分与に注目が集まりがちですが、住宅ローンを利用してマンションなどを購入している方は離婚後の住宅ローンの取り扱いにも注意をしなければいけません。

共有名義の住宅ローンはどうするの?

銀行

なぜ共有名義の住宅ローンが問題になるのか、この点を確認をしていきましょう。まず前提条件として、離婚をしたからといって共有名義が自動的に解消されることはありません。

融資をしている銀行も、全顧客の家庭状況までは把握していないので、自己申告をしない限り分かりません。銀行の関心ごとは、家庭の夫婦仲ではなく住宅ローン完済なので、この点がクリアになれば大きな問題になることはないでしょう。

離婚時の完済方法は大きく以下の2つが考えられます。

  1. 物件を売却して、売却資金で住宅ローンを完済する
  2. どちらかが物件を所有して、住宅ローンの返済をし続けていく

多くの方は、①の物件売却での完済方法を選択する方の方が多いのですが、注意して頂きたいのは②を選択される方です。物件を共有名義で購入している場合、多くのケースで住宅ローンも連帯債務、共有名義で借り入れをしています。

銀行との相談が必要になりますが、住宅ローンを共有名義から単独名義に変更することは可能ですが、再度ローンの審査を行わなければいけないので、越えるべきハードルは低くありません。

中には、「単独名義で住宅ローンを借り換えれば良いでじゃない」という方もいますが、銀行の審査が必要になる事は変わりないので収入面や資金面との相談が必要になります。

年収に応じた借入限度額もあり、借り換えのハードルは意外と高いと言えるので、安易な気持ちで借り換えを考えてはいけません。

不動産の取り扱いについては、事前に弁護士や銀行に相談することをおすすめします。

ここで分かりやすいよう、事例で確認してみましょう。

夫婦共有名義でマンションを購入したAさん夫婦の場合

それぞれの収入は、ご主人:税込500万円、奥様:税込400万円、

ぞれぞれで住宅ローンを組み、5000万円のマンションを購入しています。
毎月支払うローンの返済金額は、約15万5千円(管理費・修繕積立金等含む)、離婚後も不動産を所有していく場合は一人でこの支払を続けることが絶対条件なので、銀行の再審査が必要になります。

年収に応じた借入限度額もありますから、審査が不調になった場合は「離婚するので私の債務をなくして下さい」ということは認められません。

住宅ローン全額もしくは、どちらか一方の住宅ローンを完済する現金を準備しないので、どっちが資金面の負担を負うのか、これが大きな問題となるのです。

この問題は、離婚協議の段階で決めるべき内容なので、担当弁護士に自身の希望を伝えて頂き対応してもらうと良いでしょう。

スムーズに不動産を処分するるために確認する4点  

家を売る

離婚をする時に確認すべきことは?
では、離婚時にスムーズに話を進めていくためにはどうすれば良いのでしょうか。最後にこの点をしていきます。

※ここで確認することは、住宅ローンに関しての事項です。
離婚時には、その他多くの協議事項や手続きがあるので、個別で弁護士の先生にご相談下さい。

離婚には様々なケースがあるのですが、今回は所有不動産が夫婦の共有財産(財産分与の対象となる資産)であり共有名義で住宅ローンを組んでいることを前提に確認をしていきます。

確認事項①対象不動産にどちらかが居住する意思を持っているか

双方が居住の意思を持っていなければ、売却の選択肢しかありません。

確認事項②住宅ローンの残債金額

住宅ローンの融資残金がいくら残っているのか、1円単位までしっかりと確認しましょう。金融機関から支払い関係書類が送られてくるので、この書類を見れば問題ありません。

もし、この書類が見当たらない時は金融機関に連絡をして頂き確認して下さい。

確認事項③所有不動産の予想売却価格

所有不動産がいくら位で売却することが出来るのか、不動産仲介会社に査定をしてもらい売却予想価格を確認します。一括査定を利用して頂くと複数の不動産仲介会社に相談することが出来るので、効率的にお話を進めることが出来ます。

確認事項④住宅ローン残高よりも査定価格が高くなっているか

住宅ローンを利用する場合、融資の対象となる不動産には銀行の抵当権が必ず設定されます。この抵当権を解除しなければ、第3者に不動産を売却することが出来ません。
解除する唯一の方法は、住宅ローンの融資残高を『一括返済』することなので、不動産の売却資金で住宅ローンを一括返済することが出来るのか?
万が一、売却資金で一括返済が出来ないのであれば、不足分を自己資金で補填することが可能かどうか。

任意売却(競売)というケースも考えられるので、売却諸経費の事も含め資金面は慎重に確認をして下さい。

離婚時に決めることはたくさんある

離婚が決まっても住宅ローン支払い遅延のないように

離婚の協議事項は不動産以外にも多くあります。
ですが、住宅ローンの支払い遅延は信用情報に大きな影響を与えるので、共有名義で住宅ローンを利用している場合は。可及的速やかに離婚協議を行い、不動産の取り扱い方法について取り決めをしておきましょう。