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不動産の価格は、公示価格、基準地標準価格、相続税評価額、固定資産税評価額の4種類、取引価格である実勢価格を含めると5種類あります。例えば、相続税評価額は公示価格の約80%の評価になるなど価格も異なります。それぞれどのような目的で使われるのか、評価額を知りたい場合にはどのように調べたらよいのか、不動産評価額の調べ方について解説しています。
誰でも調べられる!あなたの家の不動産評価額
無料でわかる土地や建物の評価額
「所有する土地や建物の価値を知りたい」、そう考えたときに不動産の価値を判断する不動産鑑定士への依頼を思いつくかもしれません。ちょっと評価額を知りたいだけ、という場合には依頼するかどうか迷われるでしょう。そこで今回は、査定を依頼する前に不動産評価額を調べられる方法について紹介していきます。
使う目的によって異なる不動産の価格
4つの不動産価格
不動産の価格は、実際に取引されている価格(実勢価格)以外に4つの価格があります。それぞれ発表されている公的機関が異なり、使用目的も違います。不動産は資産価値があり、固定資産税や相続税の計算でも使用されますので、違いを理解しておきましょう。
不動産価格の違い
一般的な取引指数 | 税の算出基準 | |||
A)公示価格 | B)基準地標準価格 | C)相続税評価額 | D)相続税評価額 | |
発表元 | 国土交通省 | 都道府県 | 国税庁 | 市区町村 |
評価 | ― | 公示価格と同じ | 公示価格の80% | 公示価格の70% |
使用目的 | 土地の取引の目安となる | 相続税や贈与税の算出 | 固定資産税、都市計画税、不動産取得税の算出 |
A公示価格・B基準地標準価格
Aの公示価格は毎年1月1日時点の価格を3月に国土交通省から発表。公示とは官公庁などの公的機関が一般の人に広く知らせるために発表するような意味です。
Bの基準地標準価格は毎年7月1日時点の価格を9月下旬に都道府県から発表しています。公示価格は平成29年1月1日現在で26,000地点、基準地標準価格は平成28年7月1日現在で21,675地点あります。
C相続税評価額
相続税評価額は相続税や贈与税の算出に使用します。不動産のうち、土地の評価方法には路線価方式と倍率方式があります。倍率方式は路線価のある地域の土地を評価する方法です。
D固定資産税評価額
固定資産税評価額は、固定資産税や都市計画税、不動産取得税等の算出で用います。基本的には土地や建物の所有者が閲覧する評価額です。
不動産評価額の調べ方
A公示価格・B基準地標準価格
国土交通省HPの標準地・基準地検索システムで価格を調べることができます。
まずは、国土交通省地価公示価格を検索する画面を開きます。検索方法は、複数の地域を選択したり、詳細な地名を入力したりと様々な方法があります。一般的には下の地図から都道府県を選択し、調べたい地域を選べばいいでしょう。
検索では詳細な条件で絞り込むこともできます。決まった地域ではなく、条件に合う地域を探したい場合でも活用することができます。
C相続税評価額
相続税評価額は、路線価図・評価倍率表ともに同じ国税庁のサイトで調べることができます。国税庁の財産評価基準書路線価図・評価倍率表をクリックすると次のような日本地図が出てきますので調べたい都道府県をクリックしてください。
調べた地域を絞っていくと、次のような路線価図にたどり着きます。基本的には路線価図の上部に、地図の見方が書かれています。また土地が接している道路に数値が記載されています。この数値の見方について解説します。
路線価図
調べた地域を絞っていくと、次のような路線価図にたどり着きます。
基本的には路線価図の上部に、このような地図の見方が書かれています。
また土地が接している道路に数値が記載されています。この数値の見方について解説します。 例えば、「300D」で確認してみましょう。「300」の単位は「千円/㎡」となっていますので、この路線価は、1㎡あたり30万円ということになります。次に「D」ですが、これは借地権割合を表しており、「D」は60%です。借りている人の権利が土地の価格の60%で、貸している人が40%となります。
話はそれますが、自分の土地を自分で所有している場合、借地権割合は無関係ですので、土地の評価額がそのまま適用されますが、土地を貸すと40%をかけますので、評価額が下がり、税負担も軽減されます。
もう少し詳しく見てみましょう。複数の道路に接している土地があります。数値に囲まれた図形に「黒塗り」や「斜線」、「白抜き」があります。「黒塗り」の道路を適用することになっていますので、「19」の土地の路線価は「320C」で計算します。
D固定資産税評価額
固定資産税評価額は、都税事務所や市区町村役場から送付される納税通知書・課税明細書で確認することができます。
不動産を所有している納税義務者である本人は、固定資産課税台帳をいつでも閲覧することができます。借地・借家人は、固定資産課税台帳のうち借地・借家対象資産について記載された部分のみ閲覧できます。固定資産課税台帳は都税事務所や市区町村役場にありますので、税務課窓口などでご確認ください。
E不動産査定価格の調べ方
これまでの評価額は売却額とは異なりますのでご注意ください。評価額が高くても実際に買う人がいなければ売却額は0円です。
不動産会社による査定価格を調べる場合は一括査定サイトを使うのが便利でしょう。絶対に売却をすると決めた状態ではなくて「金額を知りたい。そしてもし売ってもいい査定額なら売却も検討する」「もし近くにいい不動産会社があるなら売却の相談してみようかな」ぐらいの気持ちで利用する方も多いです。
おすすめの不動産一括査定サイトは2つあります。
1つは大手不動産会社6社が運営し、業界で最も知名度がある「すまいValue」。三井のリハウスや住友不動産など、大手不動産会社にまとめて査定が依頼できるサービスです。
2つめはLIFULL HOME’Sが運営しているHOME’Sです。こちらは約2,800社の不動産会社が登録しておりどんな会社なのか説明も具体的です。
まとめ・目的に合わせた評価額の調べ方を
知りたい価格で窓口が異なる
この記事では以下の内容を紹介しました。
不動産には様々な価格があることを解説してきました。それぞれ価格の目安が異なり、使い方や発表元も違います。実際の取引価格を知りたい場合は不動産会社に問い合わせてみるしかありません。また不動産鑑定士に評価をしてもらう方法もあります。ただこれまで紹介してきましたように、ネットなどである程度の価格を調べることができますのでご活用ください。
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