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30代~50代の公務員・サラリーマン(男性)で、住み替えに興味を持っている方に向けて『マンションの査定額をアップできる簡単な方法』を3つにまとめました。一般的な内容に加えて、ネット上ではあまり書かれていない業界の仕組みなども盛り込んであります。マンション査定の注意点をわかりやすく紹介しました。
マンション査定は高額売却を目指す始めの一歩
査定段階で安いマンションは“絶対に”高くは売れない
マンションの住み替えを考えた時に、最初に思い浮かぶのは今の住まいが一体いくらで売れるのか……やはり気になるのはマンションの査定です。
- 「思ったよりも査定が低かったらどうしよう?」
- 「どうにか査定額を高くできないだろうか?」
マンション査定額が高ければ高く売れるわけではありません。しかし、査定が低いマンションは“絶対に”高く売れません。高額査定を目指すことは高額売却に必要なステップと申し上げても過言ではないのです。ということで、この記事では、相場よりも高く売却するためのマンション査定の注意点についてご説明いたします。
高額査定ゲットのための簡単な3つの方法
①:一括査定で不動産会社をふるいにかける
複数の不動産会社へ一括で査定を依頼できるサイトがあります。おすすめの不動産一括査定サイトは2つあります。まずは、すまいValueです。大手不動産6社からの査定を一括で申し込めます。もちろん査定は無料です。
続いては、LIFULL HOME’Sが運営しているHOME’Sです。こちらは約2,800社の不動産会社が登録しておりどんな会社なのか説明も具体的です。
一括査定をおすすめする理由
売りたい物件の情報をサイトのフォームに入力することで、登録している複数の不動産会社から査定額の連絡がきます。通常の査定依頼では、それぞれの不動産会社と個別に打ち合わせを行うため、自分のマンションの情報を各社へ毎回説明をしなければならない手間が生まれます。
しかし、一括査定ならサイト上のフォームへ入力するだけで各社へ送信されますのでかなり楽です。これは一社ずつ探して連絡するよりもかなり時間と労力を節約できます。
また、査定の依頼先を選択できる仕様なら、選択画面で表示されるのは営業エリアや取扱可能な物件種別を登録している不動産会社です。その不動産会社が得意か不得意かをサイトが自動的にふるい分けてくれます。得意なほうが高く売却できる可能性が高いのは想像できますよね。
妙に高い、あるいは低い査定をする会社に注意
肝心なのはここからです。一括査定による査定額は、所定の入力フォームの情報だけですので、立地・築年数・階数・専有面積・相場など、あくまで外形判断に過ぎません。お部屋の状態や修繕履歴、眺望や採光、周辺環境や騒音等の情報は反映されていないのです。この時点ではまだ情報量が少ない分、各社の査定額には大きな差が生まれにくいのです。
それなのに実際には査定額に大きな差が出ることがあります。妙に高い、あるいは低い査定をする会社は何らかの思惑があって査定額を捻じ曲げている可能性があります。こういう不動産会社は参考になりませんし相手にするだけ時間の無駄なので、ふるい落としてしまって構いません。冒頭述べました通り、査定額が高ければ高く売れるわけではなく、査定が低ければ絶対に高く売れないためです。
一括査定に関しての取材をしたので、よろしかったらご覧ください。
信頼性は知名度に現れる
知名度も重要です。上記のふるい落としで残った会社のうち、大手は別として、中堅どころの不動産会社や街の不動産屋さん規模の業者。その中でも名前を知っている不動産会社があるはずです。
知っている=認知しているということは、店舗や看板や宣伝などをどこかで目にしているということです。これは一般人に認知されるだけの露出のある会社という事になります。買主側の目線でも同じことが言えます。
知っている不動産会社で売り出している物件となれば信用してしまう心理もあります。逆に言えば、名前を見聞きしたことのない業者は地元で一般人の目に触れる活動を行っていない可能性が高いです。露出や集客力に期待できなければ、顧客もあまり持っていないことでしょうから、高額で売却できる可能性も低いと考えられます。こうしてふるいにかけた不動産会社と交渉を行います。
②:ふるいにかけたあとは各社との交渉
不動産会社との交渉といっても、交渉して高値をつけさせるということではありません。担当者にプレッシャーを与えて査定額を押し上げたところで、実際に買手がその値で買う訳ではないので意味がありません。ここで交渉するのは各不動産会社の担当者から高額売却するための方法やアイディアを引き出すことです。不動産会社の担当者は個人差もありますがプロフェッショナルです。こうすればもっと良くなるというプロならではの着眼点を持っています。
ここで注目したいのは、直接的に売却価格へ影響する事柄ではなく、担当者のハラの中にしまっておかれてしまう事柄。それを引き出すことです。通常、担当者は自分の考えの全てを売主様へお伝えするわけではありません。内容によってはハラの中にしまっておきます。
「改善の材料」をいかに引き出すのか
たとえば、売却に支障は出ないけれど売主様へお伝えすることで心証を害してしまう事柄です。具体例を挙げますと、以下のような要素です。
- その家独特の室内の臭いやペットの臭いなどの生活臭
- 家具や家財の散乱や汚れなど
- 売主様やご家族様の生活習慣への批判に受け取られてしまう事柄
- 部屋の間取りや日当たりの悪さなどご自宅マンションをけなされたように受け取られてしまう事柄
その他にもいろいろありますが、売主様の中にはご自宅マンションのマイナス要素を告げられると不快に思われる方も少なくありません。 担当者としては良かれと思って告げたマイナス要素でも、それを改善の材料としてもらえずに結果的には不興を買ってしまい、売却を任せて頂けなくなってしまうのです。担当者にとっては売却を任せてもらえないことほど無意味なことはありません。
改善の材料を聞くのが大事!
ここで言う交渉とは、担当者がハラの中にしまってしまうような売買自体には支障を及ぼさない「改善の材料」をいかに引き出すのかということです。ふるいにかけて残っている複数の不動産会社の複数の視点から得られるこの「改善の材料」は、相場よりも高い水準で査定額を確保するためには重要なポイントの1つとなり得るのです。
立地や築年数などはどんなに努力しても改善はできません。しかし、室内の環境については改善も十分可能です。改善材料の全てをやらなければならないのではなく、まずは実現できるところから改善していけば良いのです。改善を積み重ねられれば、相場よりも高い査定額を引き出せる可能性がより一層高くなります。
③:不動産相場を本質的に理解すること
前述した通り、高額査定を獲得したからといってその価格で買手がつくとは限りません。しかし不動産相場を本質的に理解していれば、高額査定を獲得する意味も分かるはずです。
一昔と違い、インターネットで検索すれば取引事例や地域の動向などの情報がすぐに入手できます。一般人である買手でも比較的容易に相場を知ることができるのです。したがって、買手もわざわざ割高で買うことはせず、高いと感じたら値下げ交渉をします。ところが相場よりも高い価額で取引される物件もあります。買手が相場を知らない可能性もありますし、売買のタイミングもあるでしょう。でも実はそれだけではありません。
相場よりも良い物件だから高く売れる
それは「良い物が欲しい」という心理。投資用やセカンドハウスなどとはやや事情が異なりますが、マイホームに関しては「安くて悪いものより高くて良いものを買いたい」と思うのです。ほとんどの買手は相場よりも高いからという理由では購入を見送ることはしません。高い物件は目を引きます。
なぜ高いのか?と疑問を持ち、それを担当者へ尋ねます。担当者は前述の「改善の材料」により改善されている点をアピールして差別化をはかることもできます。一言で言えば、相場よりも良い物件だから高いということです。買手の目線では、これにより「改善材料をクリアしている物件」と「クリアしていない相場なりの物件」との比較検討となります。
改善しているということは、それだけ売主が大切にマンションを使っていたと想像するに難しくありません。しかも改善されている点を積み重ねることにより、買手はより強く好印象となるでしょう。それは購入動機を一層強くすることにつながります。
競合の有無もマンション価格に影響を与える
例えば、シンプルに考えてみましょう。同じマンションの全く同じ間取りの部屋が同時期に売却へ出ていた場合。売主がキレイに使っていた部屋とそうではない部屋を比較すると、多くの買手は相場よりも割高でもキレイに使われていた部屋を選ぶ傾向があります。
その反面、キレイではないマンションの売主側の立場なら、売り出す時期をずらすという選択も有効です。比較されて負けてしまうのであれば、わざと売り出す時期を遅らせるのです。
キレイな部屋が売れた後なら室内を比較されません。また、相場よりも高く売れた取引事例が記録されることで、わずかですが相場が上方修正されます。キレイではないマンションの査定額を下げずとも、相対的に相場よりも割安感のあるマンションとして買手の目に触れることになります。このように、強い競合がいなくなれば自分のマンションが高く売れる可能性が高くなるのです。
マンションの高額査定をゲットするため
マンション査定は「効率」と「情報」と「仕組」が大事
この記事では以下の内容を紹介しました。
不動産ほど大小の業者が乱立している業界は珍しいでしょう。一般的な会社員や公務員がマイホームの買い換えをするのに、一部上場企業から社長一人の業者まで名乗りを挙げてくるのです。「玉石混交」であり、石ころを相手にしている時間はありません。
たくさんの石の中から玉を選びとるためには「効率」(一括査定)が必要です。また、きちんとした不動産会社から適切な「情報」(改善材料)を収集することも大切です。最後に「仕組」です。高く売れるのは理由があります。相場という仕組(良い物件だから高い)をしっかり理解することは必須と考えてください。
査定書を受領する際に貴重な不動産業者のみ閲覧可能なデータベースからマンションの実際の販売実績、実際に成約した成約価格データを見る事が出来ます。マンションは実績データが豊富ですので適正価格にそれ程の大きなぶれは突き詰めれば突き詰めるほど、詳細に査定すればするほどなくなります。よって受領したデータと、査定会社の営業マンの価格に影響する要素のヒアリングで自分なりの査定額を計算してみて下さい。その時の注意事項として「眺望」・「リノベーションしてあるか否か」・「管理費積立金が高額でないか」は価格に大きな影響を及ぼすので重点的に事例と比較しておくと良いでしょう。
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監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧