相続した親の土地を売ってしまう前に考えたい3つのポイント

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目次

土地持ちのご両親が亡くなり当該土地を相続することになった場合、それまで土地活用の経験がないと扱いに困ってしまいますね。売却して処分してしまうのが最も簡単ですが、せっかくですから他の選択肢も考えてみたいものです。

この章では親の土地を相続した際の土地活用について、いくつかの選択肢を検討しながら3つのポイントを確認します。土地の活用法のヒントと、あなた自身が土地の活用・運用についての素地があるかどうかが分かりますので最後までご覧くださいね。

相続した土地の選択肢は「売る」「貸す」「運用する」の3つ

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土地を活用するということはどういうことか?

土地を相続した人の大半はシンプルに売却処分という選択肢を取りますが、売らずに活用することを考えた場合、活用の仕方としては大きく「貸す」「建物を建てて運用する」という二つの選択肢があります。そこから、「誰に貸すのか」、「何を建てるのか」を考えると選択肢には複数の方向性が見えてきます。

どちらにしても、土地を活用するということは土地のオーナーとしてそこから生ずる利益を享受し、同時に責任を果たさなければならなくなります。事業者、経営者としての目線が必要になるということですね。まずは土地活用の方法として一般的にどのようなものがあるか見てみましょう。

相続した親の土地の活用法とリスク

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①自分の子どもに貸す

余った土地は自分の子供夫婦の居住用宅地として貸し出すことができます。有償でも無償でも構いませんし、貸し出す相手が親族ですので安心感があります。しかし子ども夫婦がその土地の範囲で生活しなければならないので仕事上無理な場合もあり、実現の可能性は人それぞれでしょう。

【リスク・低】
子どもと不仲になるなど。

②駐車場経営

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手軽な土地活用法としては駐車場の経営があります。駐車場という形で自分で運営すれば、後述する他の利用法に比べると法的なトラブルを大幅に抑えられます。また他の用途への転用がしやすい利点もあります。青空駐車場にするか立体駐車場にするかは周辺環境などにも左右されますが、手軽さの面で有利な青空駐車場でもアスファルト敷きに舗装することで相続税の対策にもなります。

【リスク・中】
借り手がいない。契約者が周辺と何らかのトラブルを起こしたり、改造車による騒音被害を引き起こすなど。

③土地の貸し出し

市場にいる需要者に向けて広く宣伝し、土地を貸し出して賃料を得ることもできます。自分で土地の活用形態について試案しなくて良いものの、血縁者以外に貸すということは法的トラブルの可能性が高まるため一気にリスクが大きくなります。

【リスク・高】
一度貸すと約束した通りになかなか返してもらえないなど返還時のトラブルが心配ですが、契約が更新されることのない「定期借地権」を活用した契約を用いることで幾分リスクは下がります。それでも、借り手による土地の利用の仕方によっては土地の価値を下げられてしまう恐れは消えるわけではありません。

④アパート・マンションを建てる

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自身の相続対策にもなるので不動産業者などがよく勧めるアパート・マンション建設も検討できます。土地が存するエリアや立地条件に合わせた不動産運用ができれば、賃料などの安定した収入を得られる魅力があります。

【リスク・高】
このご時世、想定通りに事が進む保証は全くありません。特にアパートやマンションなどの賃貸物件の運用では、借り手が見つからない空室リスク、事故物件リスクが要注意です。満室経営は理想ですが、現実は空室リスクが現実化して赤字経営に苦しむオーナーさんも多くます。また自殺、他殺など事件事故が自分の物件で起きてしまうと大変です。

その部屋の賃料は相当下げなければなりませんし、そのアパートやマンション全体に忌避感が生じ、全体的な価値が激減してしまいます。

⑤オフィスビルや老人ホーム等の建設・運営

投資の側面が強くリスクも高いですが、うまくいけば高い収益を上げることも可能なのが、事業性の強いビジネスへの算入です。オフィスビルを建ててテナントが上手く入れば、一般的な居住用マンションよりも高い賃料を得ることができます。他には、需要のある老人ホームや保育所などのビジネスに活用することも検討できます。ただし事業センス、経営センスのある人でなければ敷居の高い選択肢です。

【リスク・大】
オフィスビルの建築には高額の費用がかかりますし、老人ホーム等の運営は高いビジネス感覚が求められます。後述する資金の借り入れ等が必要になることが多いので、経営に失敗した場合は生活を脅かす恐れもあります。以上を踏まえて、次の項から土地活用の3つのポイントを押さえていきます。

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ポイント1:リスクを被る勇気はあるか?

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事業経営にはリスクが付きものですが、土地活用においても例外ではありません。活用法によってリスクの性質が異なるので以下で確認しましょう。もしこのようなリスクを負いたくないと直感で感じたならば、素直に売却処分してしまう方が良いかもしれません。

ポイント2:現実の実務ができるか?

自分の子どもに貸し出す程度であれば大した問題にはなりませんが、他人に貸して賃料を得るにしても、駐車場や種々のビジネスに活用するにしても、物件の管理・維持や人的な付き合いを全くしないわけにはいきません。トイレが壊れた、配管が水漏れしたなどの苦情には即座に対応しなければなりませんし、その事業に深く関わるほどに日常割かなければならない時間も増えていきます。

アパートなどは管理会社を雇って実務をさせることができますが、オーナーは法的な責任からは逃れることができないので常に何らかのトラブル発生の余地が残り、責任者としての判断を求められたり、必要に応じて対応実務にも動かなければなりません。

ポイント3:資金はあるか?

土地の活用方法が大がかりになるほど、それに必要な資金量も増えます。自分で用意できる範囲でやるという場合はいいとして、金融機関からの借り入れが必要な場合、どれくらいの借り入れが可能かどうかが問題となります。建物を建てて貸し出し、あるいは運営する場合、自己資金の用意が難しければ建築会社や不動産業者との交渉で「等価交換」という方法を検討することもできます。

これは、相続した土地の一部の所有権をビジネスパートナーとなる建設会社や不動産業者に譲り、その代り必要な建物を建築してもらう方法です。自己資金を要せず目的の建物を建造できるので、大規模な土地活用も可能になります。資金の問題はポイント1のリスクの許容度ともリンクするので、どの程度の資金を投入するかは大変な思案が求められます。

まとめ・売るのが一番簡単な方法

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他人に貸す、運用はハイレベルでハイリスク

今回は親から相続した土地の活用法について色々と考察してきました。

土地活用にはリスクがあること、実務の手間がかかること、資金調達の問題もあることを考えると、恐らくほとんどの人は尻込みしてしまうのではないかと思います。はっきり申せば土地を上手に活用できる人の方が圧倒的に少ないので、ほとんどの人は売却して処分してしまうのがオススメです。ちょっとでも「難しそうだな」「手間が要りそうだな」と負の感情を持ったならば、売却するのが間違いのない選択でしょう。

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