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年収500万円:借り入れ可能な住宅ローンの金額は?

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年収500万円:借り入れ可能な住宅ローンの金額は?

目次

年収500万円の人を対象に、マイホームを購入する際にどのくらいの住宅ローンが借り入れできるのかお伝えします。これからマンションや一軒家を購入しようとしている方は、ほとんどが住宅ローンを検討しているでしょう。住宅ローンの借入限度額は主に6つの要素で決まります。

年収500万円:住宅ローンの借り入れ可能額は計算できる

住宅ローン お金
  • 一体、どのくらいのローンを組めるの?
  • 年収500万円だと、どのくらいが適正な返済金額?

マイホーム購入のために住宅ローンを組もうとしている方は、上記のようなお悩みを持っているのではないでしょうか。年収500万円くらいだと、現金一括では家を買えません。新居の予算は住宅ローン次第です。 

そこで知っておきたいのが、住宅ローン借り入れ金額の計算方法。住宅ローンで借り入れることができる限度額を知るための計算方法を知れば、マイホームの予算や頭金の準備などがスムーズになります。

ポイント

計算式さえ知っていれば、金利が変わっても、返済期間が変わっても、ご自身で簡単に借り入れ限度額を知ることができます。年収500万円の場合をモデルケースとしてシミュレーションしますので、ぜひ参考にしてみてください。

年収500万円のための住宅ローン借り入れ基準①:年齢

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多くの金融機関では、完済時の年齢を80歳までと定められています。そのため同じ年収500万円でも、年齢によって住宅ローンの借入可能額は変動します。申し込み時の年齢を制限していることもあるのでご注意ください。ちなみに国土交通省の調べによると、初めて家を購入する方の平均年齢は40歳前後です。 

購入する不動産の種類によっても平均年齢にバラつきが見られます。分譲地での新築一戸建てを購入する方の平均年齢が約39歳、中古マンションを購入する方の平均年齢は43歳です。

監修者から

住宅ローンはローンの期限の利益を最大限に得るため、35年ローンで組まれる方が大半です。65才を定年と考えると、30才から35年ローンを組む計算になります。よって、本来は30才から住宅ローンを組み始めるのがおすすめなのですが、年収との関係上30才位では購入可能物件の価格に限界が出てくるケースが多いでしょう。

年齢と年収のバランスを考えると、35才位までに住宅ローンを借入るのがタイミング的にはベストです。平均年齢(40才)で35年の住宅ローンを組むと完済する年齢は75才になります。この辺の想像力を働かせると、どのくらいの年齢から住宅ローンを組めば負担が少ないか、わかりやすくなるでしょう。

年収500万円のための住宅ローン借り入れ基準②:借り入れ期間 

カレンダー

住宅ローンの借り入れ期間は、35年が最長であることが多いです。35年以上の住宅ローンを希望するのであれば、借入先を検討する必要があるでしょう。たとえば、住宅金融支援機構の「フラット50」など、長期優良住宅の認定を受けた物件への住宅ローンなら、35年以上の住宅ローンを組める可能性があります。

年収500万円のための住宅ローン借り入れ基準③:勤務形態や勤続年数

多くの民間の住宅ローンには、借り入れる人の勤務形態や勤続年数に条件があります。多くの金融機関が定めている住宅ローンの借入条件は、公務員もしくは正社員であり勤続年数が1年~3年以上の方達です。一般的には、非正規での雇用や勤続年数が短い方の住宅ローンは組みにくい傾向があります。

監修者から

勤続年数が1年に満たなくても、同業種の中でのステップアップ的な転職や、資格を取得しスキルアップでの転職であれば、借入が出来る可能性が高いです。このようなケースの場合、銀行に説明をすると良いでしょう。

派遣社員・契約社員は住宅ローンが組めない?

派遣社員や契約社員でも借り入れ可能な住宅ローンもありますが、その場合の金利は高めです。また、個人事業主や経営者の場合は「頭金が多めなら融資可能」のように、会社員よりも住宅ローンを組むための条件が厳しくなる傾向があります。

現在は共働きの家庭も増えたため、夫婦での合わせた収入で住宅ローンを申し込む方も増えています。夫婦で住宅ローンを申し込めば、融資額が増えるのは間違いありません。ただし、借入額が返せる金額とは限りませんので資金計画は慎重に行いましょう。

監修者から

個人事業主や経営者は、個人の与信力と経営の与信力を同一とみられます。そのため、経営している事業法人が黒字になっていないと住宅ローンの借入は厳しくなります。

経費を多めにして年収を低く抑えられるのが事業主のメリットです。しかし、いずれ住宅を購入するのなら、3年前位から申告する年収を住宅ローン審査に通りやすい水準まで上げるような経費の調整をおすすめしておきます。

年収500万円のための住宅ローン借り入れ基準④:その他の債務状況や過去の延滞履歴 

トラブル

年収500万円の方達に限らず、ローン審査の際には住宅ローン以外の借入金や過去の返済延滞履歴が厳しくチェックされます。他の債務があると借り入れ不可というわけではありませんが、その分、借り入れ可能額は下がると思ってください。

また、過去の延滞履歴は非常に厳しくチェックされます。日ごろから税金やキャッシングなどの支払い・返済は気を付けておきましょう。 

監修者から

銀行が利用する与信情報機関は3つあります。これらは自分でも与信情報を取得出来ますので、不安な方は取得してみるのも良いでしょう。

株式会社シー・アイ・シー(略称:CIC)クレジットカード会社と信販系の与信機関。私が取得した時は、銀行借入や携帯電話の割賦払いの履歴も載っていました。

株式会社日本信用情報機構(略称 : JICC)消費者金融と信販会社の与信機関。

全国銀行個人信用情報センター(略称 : JBA)銀行と銀行系カードの与信機関。

年収500万円のための住宅ローン借り入れ基準⑤:物件の基準 

借り入れる人だけでなく、物件に対しても制限があることがあります。たとえば、平米数や耐震性・耐久性などに基準を設けているケースが多いです。

年収500万円のための住宅ローン借り入れ基準⑥:団信・火災保険加入 

住宅ローン商品の多くは、団信や火災保険への加入が必須となっています。

団信とは、債権者に死亡や万一のことがあったときに、債務が相続人等に移行しなくなる生命保険のような制度です。

住宅ローンの借り入れ可能額は「返済負担率」か「物件価格に対する割合」で決まる

マンションのエントランス

住宅ローンを借り入れるための条件について、ここまで紹介しました。続いては「いくら借りられるのか」……住宅ローンの借入可能額について紹介します。という借り入れ可能額は、どのように把握すればいいのでしょうか? 

借り入れ可能額の判断基準には2つあり、いずれか少ないほうがその人の借り入れ可能額になります。

年収500万、住宅ローンの借入基準①:物件価格

 1つは、金融機関が設けている物件価格に対する借り入れ割合基準。金融機関によっては、借り入れ限度額を「物件価格の〇%まで」としていることがあります。たとえばこの数字が80%だったら、4,000万円の物件に対してMAX3,200万円まで貸し出してくれるということです。

また割合についての規定はないものの、どんな条件であってもこの価格以上は貸せないという制限があることもあります。たとえばフラット35の貸付可能額は、100万円以上8,000万円以下となっています。 

年収500万、住宅ローンの借入基準②:返済負担率

そして借り入れ可能額のもう1つの基準は、返済負担率です。返済負担率とは、年収に対する返済額の比率のこと。たとえば、年収1,000万円の人が年間200万円ローン返済している場合は、返済負担率20%となります。

この返済負担率の基準は金融機関や商品によって異なりますが、30~35%ほどに設定されていることが多いです。住宅金融支援機構のフラット35は、以下のように返済負担率を定めています。

監修者から

審査基準の返済比率算定時の金利は現状の金利ではなく、ストレスをかけた高めの金利にて算出されます。

返済比率算定時の金利を4%としている金融機関が多いです。例外として、フラットは固定金利なので実際の金利で計算されます。現在の超低金利で返済比率を計算しても、借入可能額は計算できませんので注意してください。

年収住宅ローン返済負担率
年収400万円未満30%以下
年収400万円以上35%以下

年収300万円の場合、返済負担率を30%以下にしなければならないので「300万円×30%=90万円」で、借り入れ可能額は年間返済額が90万円となる水準までということです。

【シミュレーション】年収500万円の人の住宅ローン、借り入れ可能額はいくらまで?

電卓と見積もり

ではここからは、年収500万円の人の住宅ローン借入可能額をシミュレーションします。 借り入れ基準は各金融機関や住宅ローン商品によって異なりますので、ここでは住宅金融支援機構のフラット35の借り入れ基準と条件から借り入れ可能額を計算します。

 年収500万円の住宅ローンシミュレーション①:モデルケース

  • 35歳会社員
  • 年収500万円
  • その他の借り入れなし
  • 35年間借り入れ

年収500万円の住宅ローンシミュレーション②:フラット35の借り入れ基準と条件

  • 年収500万円の人の返済負担率は35%以下
  • 金利1.1%(2019年9月現在)
  • 物件価格に対する割合の制限はなし
  • 借入れ可能額:100万円以上8,000万円以下(1万円単位)

年収500万円の住宅ローンシミュレーション③:借入れ可能額の計算式 

返済負担率は、年収に対する1年の返済額の割合でしたね。年収500万円で返済負担率が35%ということは、「500万円×35%=175万円」。年間の返済額が175万円を超えてはいけないということです。

だったら「175万円×35(借り入れ年数)」が借り入れ可能額になるのかというと、そういうわけではありません。ローンには金利がありますから、以下の計算式で借り入れ可能額をもとめることになります。

借入れ可能額=(年収×返済負担率÷12)÷「審査金利で100万円を〇年間借りた場合の毎月の返済額」×100万円

「その金利で100万円を〇年間借りた場合の毎月の返済額」というのは、コチラでご確認ください。

年収500万円の住宅ローンシミュレーション④:借入額を計算!

では、上記計算式にモデルケースを当てはめてみます。金利は0.8%想定です。

(500万円×35%÷12)÷2,731(①上記「コチラ」より)×100万円≒5,339万円(1万円単位切り捨て) 

上記計算式①の部分について、金利の変動、ローンの種類から使用する数字を下記表にまとめました。現在の金利などを調べてから利用すると大まかな借入額が分かります。

100万円を35年ローンで借り入れた場合の月々返済額

フラット35民間住宅ローン
審査金利月々返済額審査金利月々返済額
0.8% 2,731円4.0%4,428円
1.0%2,823円
1.2%2,917円
1.5%3,062円
2.0%3,313円
2.5%3,575円
3.0%3,849円

フラット35の借り入れ基準

フラット35の借り入れ基準には、借り入れ限度額8,000万円とあります。「5,339万円<8,000万円」となりますから、今回の条件で年収500万円の人が借り入れられる上限額は、5,339万円という計算が出ました。 この場合の毎月返済額(ボーナス返済なし)は、約145,000円となります。

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年収500万円の住宅ローンシミュレーション⑤:借り入れ可能金額=返済可能金額ではない

上記のように計算すれば、借り入れ可能額を知ることができます。しかし、借り入れ可能額が返せる額とは限りません。5,000万円台のマンションが買えるから購入して、後々生活が苦しくなってしまっては大変です。

ベストな返済負担率は20~25%ほど 

500万円の年収に対し、月々の返済が145,000円。この数字を見て「平気」と捉える人もいれば、「無理」な人もいるはずです。

年収500万円サラリーマンの手取り年収は390万円ほどです。毎月の手取り月収25万円ほどではないでしょうか。そこでローン返済が14万5千円もあったら大変です。マンションの場合は、管理費は別途発生します。

ポイント

とくにお子さんがいらっしゃる世帯や住まい以外にかけるお金が多い人は、可能だからといって限度額すれすれまでの借り入れを避けるべきです。

ベストな返済負担率は、20~25%ほどとも言われています。年収500万円で返済負担率25%というと、月々の返済額は10万円前後。借り入れ額は上記シミュレーションと同条件の場合、3,800万円ほどになります。

一方、返済負担率20%計算するとなると、月々の返済額は8万円前後で、借り入れ額は3,000万円ほどです。 年収500万円の人は、条件によっては5,000万円前後借り入れることが可能ですが、3,000万円~4,000万円ほどに抑えることも考えるべきでしょう。

年収に関わらず住宅ローンは無理のない借り入れを

住宅ローン

 住宅ローンを借り入れるときは、今の収支を明確にし、将来設計も具体的に考えるようにしましょう。

  • 頭金はどれくらい入れられそうか
  • 親から援助は受けられるか
  • 今後、給与の増減はあるか
  • 子供を私立の学校に入れたい
  • 妻がずっと働けるとは限らない
  • 将来は親と同居しなければならないかもしれない
  • 不動産購入の諸費用、手数料分まで含めて計算しているか 

同じ年収500万円でも、現在の貯蓄額も違えば、これから歩む人生によって生涯収入も大きく変わります。住宅ローンは35年など長期にわたって返済していくもの。「今」借り入れ可能だからといって、返済可能とは限らないということを念頭にいれて借り入れ額を検討するべきです。

また固定や変動といった金利の種類によっても、返済額には大きな違いが生じます。こちらも「今」の金利だけを見るのではなく、金利上昇のリスクも考えた商品選びをすることが大切です。

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この記事では以下の内容を紹介しました。

今、年収500万円の人でも、ライフプランは人それぞれ。今は著しく金利が低いときなので「あれ?意外と借りられる!」と思うほど借り入れ可能額は高いかもしれません。しかし「これからその年収を維持できるのか」「出費が増えることはないか」をよく考え、自分に合った無理のない借り入れ額を検討するようにしましょう。

監修者:鈴木 良紀

監修 鈴木

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧