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この記事では、一軒家を購入するタイミングの考え方についてお伝えいたします。一口にタイミングと言っても難しく感じるかもしれません。でも大丈夫。「自分自身の状態」である内的要因と「社会情勢」の外的要因。二つの要素を勘案して計画すると判断しやすくなります。順番に解説していきますね。
自分自身の状態で判断するマイホーム購入のタイミング
①:年齢から考えるタイミング
内的要因は、ご自身の事というお話をしましたが、家は人生の中でいつでも購入できるものではありません。また、必要になるタイミングも意外と限られています。この章では「ご自身の人生」という視点で一軒家を購入するタイミングを考えていきたいと思います。住宅市場動向調査報告書によれば、新築分譲住宅30歳代が最多で51.7%、続いて40歳代22.2%、平均が39.7歳となっています。
中古住宅は、30歳代が最多30%、40歳代が29.7%、平均が46.2歳と平均年齢が若干高いです。これは高齢者がダウンサイジングの買い替えをしている影響だと思われます。では、一軒家を購入する年齢として最適なのは何歳でしょう?理想は30歳までです。理由は35年返済をしても65歳定年なら返済が終わるからです。
しかし実際はどうでしょうか?結婚年齢が上昇している為、定年までに返済が終わることが難しくなっています。後述する「繰り上げ返済」の計画をすると、年齢の問題をある程度カバーすることができます。年齢という視点で一軒家を購入するタイミングを考えた場合「可能な限り早い時期」が理想です。
②:資金面から考えるタイミング
住宅ローンの返済は長期に渡りますので、このページの中で一番重要とも言える要素です。現在の家賃をベースに住宅ローンの返済額を決める人が多くいらっしゃいます。確かに家賃レベルは重要ですが、それだけで判断するのは危険。理由は二つあります。
持ち家だから発生する費用
一つは、賃貸では不要な費用が発生する点。住宅を購入すると、固定資産税という税金が毎年発生します。新築から数年間は減税されますが、通常、住宅の規模により年間7万円から15万円程度課税されます。また、賃貸の場合、修繕費は大家が負担しますが、購入した場合修繕費は全て自己負担です。
例えば給湯器は10~15年程度で交換(25~40万程度)、外壁は10年程度で塗装(100万円前後)といった具合で、意外と大きな負担となります。
家を買っても預貯金ができるかどうか
理由の二つ目は家賃を払った結果、家計はどうなっているのか?という点です。例えば家賃を支払うことにより貯蓄がゼロ。という家計の場合、家賃と同じ住宅ローンの返済をするのは危険です。修繕費や繰り上げ返済、将来の教育費などの為に、所得の10~20%程度の蓄えができる計画を立てましょう。特に、定年までに完済できない場合は繰り上げ返済ができるように計画をすることが大切。
ローン返済が苦しくて家を手放すケースもある
私の元には、住宅ローンの返済ができずに不動産を手放す相談が数多く寄せられています。お話をお聞きすると自己資金ゼロのフルローンで購入した方の割合が非常に多いです。家計という視点で一軒家を購入するタイミングを考えた場合「安定した収入、貯蓄ができる時期」が理想です。
③:家族・子どもの成長から考えるタイミング
一軒家を購入するタイミングのアンケートで上位にランクインするのが、家が手狭になった。という理由です。確かに、お子様が生まれ育っていくと相対的に家は狭く感じます。筆者が一番オススメする一軒家購入のタイミングは「幼稚園入学前」です。筆者自身、下の娘が小学校に入るタイミングで住み替えをしたことがあります。小学校入学時であれば、子供の影響も少ないと考えたのです。
しかし、予想に反して慣れるまでに時間がかかってしまいました。当然といえば当然ですが、小学校にいる生徒は幼稚園の時から交流があります。「幼稚園から友達」という要素が意外と大きいと実感しました。また家を購入する際「学区内」という制約の影響は意外と大きいです。家庭という視点で一軒家を購入するタイミングを考えた場合「幼稚園入学前まで」が理想です。
社会情勢から考えたベスト時期は?
相場が高い時
では次に、社会情勢等の外的要因について解説していきます。不動産の相場は常に変動しています。1円でも安く買いたいという思いは誰も同じですが、株の世界に「タイ焼きの頭と尻尾はくれてやれ」という格言があります。ベストを求めすぎるとタイミングを失うという意味です。不動産の世界も同じ。8割で良いとしましょう。
相場の変化は、お住まいの地域の公示地価・基準地価等、地価動向の情報を見ると把握しやすくなります。相場という視点で一軒家を購入するタイミングを考えた場合「地域の地価動向等を見て個別に判断」ということになります。
住宅ローン金利が低い時期
現代は史上最低金利と言っても良いくらい、低金利で住宅ローンの借り入れができます。フラット35の貸し出し金利は1%を下回るものも出ています。消費増税もしたこともあり、しばらくこの金利状態は続くものと予想されます。仮に更に金利が下がったとして、下げ幅は僅少だといえます。金利という視点で一軒家を購入するタイミングを考えると「今がベスト」です。
税制の面から考えたタイミング
令和元年10月1日から消費税が増税されました。負担も大きくなったとお感じになっている方も多いと思います。一般的な一軒家の場合、建設費は1,500~2,000万円ですから、2%の増税で30~40万円負担が増えたことになります。その一方、住宅税制が拡充されました。ここでは簡単に住宅税制の拡充について触れておきます。
住宅ローン減税は残高4,000万円を限度として「10年間、残高の1%」から「13年間、残高の1%」と3年延長、給付金は最大30万円から最大50万円と20万円拡充。これだけ見ても消費税の増税分カバーされた施策であることが分かります。この大盤振る舞いは消費増税によるものですので、この先更に拡充される可能性は低いと判断できます。税制という視点で一軒家を購入するタイミングを考えた場合「今がベスト」です。
家を買うタイミングのまとめ
内的要因と外的要因どっちが重要?
この記事では以下の内容を紹介しました。
一軒家を購入するベストタイミングを見つける為には複数の要素を勘案して判断することが必要です。二つの要素のうち、ご自身の状況つまり内的要因の方を優先すると良いでしょう。なぜなら外的要因は価格の交渉でカバーできるからです。また、100%を求めないという点も忘れずに。
一軒家を購入するのは、お見合いをするのと同じです。自分にとってベストのタイミングであっても、良い物件に出会える保証はどこにもありません。ベストな時期だけど、良い物件が買えなかったというのは本末転倒です。良い物件に出会うことが優先、その上でタイミングが合えば更に良いという気持ちで臨むと良いでしょう。
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