中古マンションなどの住宅購入時、一定の要件を満たしたうえで住宅ローンを利用すると、住宅ローン減税の適用を受けることができます。実質的な負担金額が大きく変わる住宅ローン減税……適用されるなら使わない手はありません。

本記事では、住宅ローン減税にフォーカスして、中古マンション購入時の利用条件や賢い購入方法などお伝えしていきます。

不動産マーケットにも個人と業者が混在している

家を売る

販売価格が税込み表示、かつ個人(消費税非課税の売主)と業者(消費税課税の売主)が混在するマーケットには、メルカリやヤフオクなどがあります。

個人と業者が混在するマーケットでは、業者が不利。何故なら、業者が消費税分を上乗せして販売すれば消費税の分だけ価格が高くなってしまい、価格競争には敗れてしまうからです。

メルカリやヤフオクと同じような現象が高額商品である不動産マーケットにも起こっている……購入者の目線で考えると、ここにビッグチャンスがあります。

今こそ知っておこう!住宅ローン減税緩和措置とは

ビッグチャンスの説明をする前に、まずは一般的な住宅ローン減税の説明を……。

住宅ローン減税とは、一定の要件を満たした住宅を購入する際に住宅ローンを組むと、一定期間、所得税と住民税から控除を受けられるというもの。控除金額は住宅ローンの年末残高の1%分です。

もともと控除を受けられる期間は、平成21年以降の10年間で設定されていました。しかし、消費税が8%から10%に引き上げられたため、緩和措置も行われています。さらに、ある条件を満たすと、原則の控除期間10年間を13年間に延ばすことも可能です。

更に、住宅ローン減税の上限額に関しても、ある条件を満たすだけで令和2年現在、原則の20万円/年から倍増の40万円/年減税が受けられる可能性があります。

納めている税金によって還付される減税額が変わりますが、ある条件を満たすだけで最大20万円/年×10年=200万円から、40万円/年×13年間=520万円分に控除金額が変更。つまり、ある条件を満たすと最大320万円の差が出ます。

たった1つのある条件を満たしているだけで、控除の期間は3年間も延長。最大で320万円という非常に大きな金額のメリットがあります。

なお、拡充された3年分は通常と異なる減税額の計算方法になります。詳しくは国土交通省のサイトをご参照ください。

参考リンク:国土交通省 住宅ローン減税制度の概要

http://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/

さて、ここまでの文中でなんども出てきたある条件が気になると思いますが、そちらは後ほど詳しく説明します。その前に、一般的な住宅ローン減税について、紹介しましょう。一般的な住宅ローン減税を知らないと、ある条件を満たした時に、どのくらいメリットがあるのか伝わりづらいからです。

中古マンションでも住宅ローン減税を利用できる?

この記事を読んでいる方の中には、中古マンションの購入を検討している人も少なくないでしょう。しかし、住宅ローン減税は中古マンションの購入にも適用されるのでしょうか?

中古マンションも一定の要件を満たせば住宅ローン減税を利用できますが、中古住宅特有の要件も追加される……これが答えです。

まずは、中古住宅特有の要件も含めて、住宅ローン減税の適用要件を確認していきましょう。これら原則的な適用要件を満たした上である条件をクリアすれば、非常に大きなメリットが受けられます。

住宅ローン減税の適用要件

住宅ローン減税の適用要件には以下のようなものがあります。

・自ら居住すること

・床面積が50㎡以上であること

・借入金の償還期間が10年以上であること

・合計所得金額が3,000万円以下であること

それぞれについて見ていきましょう。

自ら居住すること

住宅ローン減税を利用するには、住宅の引渡しから6カ月以内に対象のマンションに自ら居住する必要があります。

たとえ住宅ローンを組んでいても、セカンドハウスや賃貸に出してしまった場合は、住宅ローン控除の対象外です。

マンション取得後、転勤になり家を空けることになってしまったケースでは、家を空けている間は住宅ローン減税を利用できなくなります。ただし、配偶者の方が住み、本人は単身赴任のケースならば、本人が住んでいるものとしてみなしてもらうことができます。

床面積が50㎡以上であること

住宅ローン減税の対象は、床面積が50㎡以上ある物件です。マンションの場合、登記上の床面積と同じように床面積は内法面積により判断されるのですが……分譲時のパンフレットなどでは内法面積より大きい壁芯面積で記載されていることもあるので、注意が必要です。

借入金の償還期間が10年以上であること

住宅ローン減税の適用を受けるには、住宅ローンの借入期間が10年以上である必要があります。当初は10年以上あった場合でも、借入期間中に繰上げ返済して総返済期間が10年以下となった場合には住宅ローン減税の適用を受けられなくなりますので注意です。

合計所得金額が3,000万円以下であること

住宅ローン減税を受けるには、合計所得金額が3,000万円以下である必要があります。給与所得などはもちろん、不動産を売却した際に計上する譲渡所得や退職所得等も含まれるので注意。

なお、住宅ローン減税の適用を受けられるかどうかの判定は年ごとです。そのため、合計所得3,000万円超の年があっても、翌年の合計所得が3,000万円以下だった場合は、再び住宅ローン減税が適用されます。

中古住宅特有の住宅ローン減税適用要件

中古住宅の場合は、ここまで紹介したもの以外に「対象の住宅が耐震性能を有しているか」という点も見られます。耐震性能の有無は、築年数が25年(木造の場合20年)以内かどうか。ここを、まず見られます。

築年数が25年より古い場合でも、

・耐震基準適合証明書を提出する

・既存住宅性能評価書(耐震等級1以上)を提出する

・既存住宅売買瑕疵保険に加入する

のいずれかの方法により耐震性能を有していると証明できれば、住宅ローン減税適用要件です。

「たった1つのある条件」とは!ここで減税額に大きな差が出るコツ

不動産やマンション査定、買取

では、いよいよ大きな金額のメリットを得るためのある条件についてお話しましょう。

物件の売主が消費税課税業者であること。

これが、住宅ローン減税で得をするためのたった1つの条件です。

どのくらいのメリットがある?

消費税課税業者である不動産業者から物件を買うと、どのくらい得をするか見ていきましょう。

ざっくり言うと中古マンションに消費税が課されるかどうかで、住宅ローン減税の控除期間及び最大控除額が以下のように変わります。

・消費税10%が課される場合:(業者が売主と考えて大丈夫です。)

控除期間13年間 最大控除額 520万円

・消費税10%が課されない場合(個人が売主と考えて大丈夫です):

控除期間10年間 最大控除額200万円

参考:国税庁 No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213.htm

冒頭でお伝えしたとおり、住宅ローン減税の控除期間は10年から13年へ、最大控除額が200万円から520万円へ、それぞれ拡充します。

もともと住宅ローン減税は、消費税が増税されたことに対する緩和措置です。消費税が課税されないケースには緩和措置が適応されないので、結果的には消費税課税業者から買ったほうが購入者にメリットが生まれます。

中古マンションの住宅ローン減税について課税・非課税を比較

ここまでの話を前提に、不動産業者から購入するケースと個人から購入するケースをそれぞれシミュレーションしてみましょう。シミュレーション条件は以下のとおりです。

・築年数10年

・売買価格(税抜)3,000万円(内、建物価格2,000万円)

・住宅ローン年末残高は毎年減らないものとする

・毎年満額分控除を受けられるものとする

・11年目~13年目について常に住宅ローン年末残高×1%の控除を受けられるものとする

不動産業者から中古マンションを購入するケース

まず、不動産業者から中古マンションを購入するケースでは、建物価格2,000万円について消費税10%が課されるため、売買価格が3,200万円となります。

ただし、先にも述べたように、メルカリなどと同様で消費税分を上乗せすれば価格競争に敗れてしまうでしょう。消費税無しで売れる個人も参入している不動産マーケットでは、不動産業者も物件の価格に消費税を上乗しづらいものです。だから不動産業者は「税込3,000万円」で物件を販売し、税無の個人売主と価格合わせて競争力を保っています。

税込3,000万円の物件を購入した場合、控除期間が13年になり、最大年間控除額は40万円。満額の年30万円の控除の適用を受けられる住宅ローン減税額の合計は3,000万円×1%×13年間=390万円です。実質負担額は3,000万円-390万円=2,610万円と計算できます。

個人から中古マンションを購入するケース

一方、個人から中古マンションを購入するケースでは、消費税が課税されないため売買価格は3,000万円(税無)のままです。

住宅ローン減税の控除期間は10年で、年間最大控除額は20万円です。残債の1%である30万円満額の減税は受けられません。したがって、受けられる住宅ローン減税の合計額は3,000万円×1%×10年間=30万円×10年⇒最大控除を考慮して⇒20万円×10年間=200万円です。このため、実質負担額は3,000万円-200万円=2,800万円となります。

不動産業者と個人どっちから購入するべき?

上記条件で計算すると、不動産業者から購入した方が個人から購入する場合より190万円もの金額がお得という結果となりました。

個人ではなく不動産業者が販売している物件を購入するだけで、190万円の差が出ます。同じ金額という条件ならば、不動産業者から購入しない理由はありません。

中古マンションの住宅ローン減税に関するまとめ

この記事では、中古マンションの住宅ローン減税を賢く利用する方法をお伝えしました。

住宅ローン減税は適用内容によって、実質的な負担額が大きく変わります。売主が不動産業者か個人かによって、減税額が100万円単位で変わることも少なくありません。これから中古マンションを購入する予定の方は、是非、住宅ローン減税を考慮した中古マンション探しを意識してみてください。

監修 鈴木 良紀
(株)ウィルゲイツ・インベストント勤務。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。宅地建物取引士・ビル経営管理士

サイト:https://fudousan.click/


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