マンションには、それぞれ耐用年数が定められています。耐用年数はそのマンションの資産価値などにも影響を与えるので、中古物件を買う際は耐用年数を考えることも重要。言い換えれば、築年数を考えての購入が重要です。

この記事では、築年数によって異なる中古マンションのメリット・デメリットやメンテナンスがマンションの耐用年数に与える影響について解説します。

マンションの耐用年数とは?

マンションには、建物の構造によって税法で会計上の耐用年数が定められています。

「耐用年数」と聞くと寿命のように思う人もいるかもしれませんが、耐用年数は寿命ではありません。あくまで会計上の減価償却費用(経年による資産価値の減少)を計算するためのものです。

したがって、この会計上の耐用年数を過ぎでも、物理的な性能が落ちることはありません。もちろん住み続けることも可能です。

構造ごとの耐用年数(非事業用)は次のとおりです。

  • 木造:33年や20年
  • 軽量鉄骨:34年や40年
  • 鉄筋コンクリート造:70年や47年
【監修者から】所得税法の耐用年数は、税金を計算するための観念的な数字で、数字にばらつきがあります。たとえば、鉄筋コンクリートの場合は、70年(所得税法38条二項)や47年(省令別表)。一般に知られた会計上の耐用年数は省令別表の47年のほうかと思いますが、あくまで観念的な数字で物理的な耐用年数は表していません。

築10年くらいのマンションを買うメリット・デメリット

築10年ぐらいの中古マンションは、まだ見た目もよく感じると思います。まずは、築10年くらいの築浅マンションを買うメリットとデメリットを詳しく見てみましょう。

メリット設備が比較的新しい
購入時は劣化が少ない
住宅ローンが組みやすい
デメリット価格が比較的高い
価格下落のリスクが大きい

築10年くらいのマンションを買うメリット

上の表からもわかるとおり、築10年くらいのマンションを買うメリットは大きく3つです。

まずは、「築年数が浅いほど新しくきれい」のイメージどおり、設備が比較的新しいこと、劣化が少ないことです。

また、築10年以内のマンションは住宅ローンを組みやすい。この点もメリットです。

築10年くらいのマンションを買うデメリット

一方、築10年くらいのマンションを購入するデメリットは、価格が比較的高いことです。

中古マンション市場では、築10年目までの築浅物件はリフォームや設備のメンテナンスなどが不要な場合が多いので、築10年くらいまでのマンションは価格が高めに設定されています。

また、基本的には築年数が古くなるほどマンションの資産価値は下がるため、築年数が浅いと売却時に価格が下落するリスクもあります。

築20年くらいのマンションを買うメリット・デメリット

築浅のマンションには、長く暮らせるマンションなのかどうかの判断材料がそろっていないことがあります。なぜなら、マンションのメンテナンス状況を確認するためには、ある程度の築年数が必要だからです。

一方、築20年ぐらいのマンションには、そのマンションが長く暮らせるかどうかの判断材料がそろっています。

その材料を見て、購入するか判断しても良いでしょう。そんな築20年くらいのマンションを買うメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット価格が比較的安い
物件によっては劣化が小さくお得感がある
デメリット設備が古い

築20年くらいのマンションを買うメリット

メリットの一つは、なんといっても価格です。中古マンションの価格は、築年数が経過していくごとに下がるため、築20年では半額になることもあります。

また、修繕計画が綿密に練られており計画どおりに修繕が施工されてきたマンションであれば、築年数が古くても劣化が少なくお買い得と言えるでしょう。

築20年くらいのマンションを買うデメリット

デメリットは、設備が古いことです。家電の寿命も10年ほどと言われるように、どうしても設備は最新のものに比べて見劣りします。

収納や洗面台の高さ、スイッチやコンセントの場所など、今の生活スタイルに合わない可能性もあるでしょう。

【監修者から】公益財団法人東日本不動産流通機構のデータ(http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_202004_2.pdf)を見るとどの築年数の物件もまんべんなく売れていますが、築25年~築30年の物件で少し減速しています。これはリフォームしなければ住めない物件とフルリフォームの物件が混在してフルリフォーム済みの物件のほうが多く成約していくからだと考えられます。

マンション管理が耐用年数に与える影響

最初に述べたとおり、マンションには耐用年数が定められています。この耐用年数は寿命とは異なりますが、メンテナンスにより100年以上延命できるとも言われています。

つまり耐用年数は、マンションの管理状態によって大きく変わるのです。では、マンション管理が耐用年数に与える影響について解説します。

管理会社によって長期修繕計画が異なる

マンションを維持し管理するのは、管理組合から仕事を請け負った管理会社です。

国土交通省は、「長期修繕計画ガイドライン」を策定し、計画的に修繕を実施するよう勧奨しています。

管理会社はこのガイドラインに基づいて、25年先の大規模修繕を想定した長期計画を立て、修繕を実施する必要があるのです。

しかし、どのような計画をたてるかはマンションごとに異なります。

そのため、中には修繕計画がずさんで、過去の修繕履歴さえ記録していないマンションもあるのが現実です。

購入前に不動産会社経由で長期修繕計画を見せてもらおう

今までどのようなメンテナンスがおこなわれてきたか知るためには、購入前に長期修繕計画を見せてもらうことが重要です。

長期修繕計画は、不動産会社に依頼して取り寄せしてもらいましょう。

30年スパンで修繕計画を立てているマンションが理想

長期修繕計画ガイドラインでは、新築マンションにおける修繕期間を30年と定義しています。

10~15年程度の修繕計画しかないマンションも少なくありませんが、30年スパンで修繕計画を立てているマンションが理想と言えるでしょう。

30年が目安となる理由は、エントランスほかの共有部分の修繕周期が30年と言われているからです。エレベーター設備、機械式駐車場の入れ替え工事、自動ドアの作動不良や劣化による取り換えなどがこれに含まれます。

これまで修繕維持積立金が上昇していないかチェックすることも重要

長期修繕計画ガイドラインによると、修繕維持積立金の金額は「新築時から30年間に必要な修繕工事費の総額を均等に積み立てる方式」とされています。

ですので、本来ならば修繕維持積立金の値上げはないはずですが、計画の見直しがあったり、新築時に修繕維持積立金を安価に設定したりすることにより、途中で値上がりすることもあります

これまでに修繕維持積立金が値上がりしているならば、修繕計画に無理がある可能性も考えられます。必ず確認しましょう。

まとめ:マンションの耐用年数には管理状態が大きく影響

この記事では、以下のものを紹介しました。

マンションには耐用年数が定められており、耐用年数の長さは管理状態が大きく影響します。中古マンションを購入する際は、長期修繕計画を必ず確認しましょう。

【監修者から】記事のまとめに記載してある通り、マンションは管理体制、管理状態によって価格が大きく変わります。現地へ内覧へ行った際は、廊下やエントランスホールの清掃の状況、駐輪所の整理整頓状況、切れている電球は無いかなど簡単な項目をチェックしてみてください。それだけである程度の管理状況は分かります。また、築年数だけでは大きな判断基準にはなりえないので、以下の記事をご参照ください。

監修 鈴木 良紀
(株)ウィルゲイツ・インベストント勤務。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。宅地建物取引士・ビル経営管理士

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