預貯金はどれだけ残す?頭金はどれだけ払う?マイホームの頭金で後悔したこと

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自宅でくつろぐ家族

目次

節約ブロガーのかのんこさんは、世帯年収300万円台で新築マイホーム を購入しました。さて、マイホーム の頭金はどれだけ用意したのでしょうか?

これからマイホーム購入しようと考えている方に向けて、かのんこさんからのアドバイスです。残しておくべき預貯金、そして頭金の準備について解説してもらいました。

かのんこ家のマイホーム購入、リアルお金事情

世帯年収300万円台で新築マイホームを購入!

マイホーム

我が家が購入したマイホームは2,863万円の新築戸建でした。

建物の金額1,300万円
土地の金額
1,310万円
オプション153万円
諸費用100万円
合計2,863万円

2,863万円から住宅ローン1,900万円を引いた金額は963万円。それを1,100万円あった預金で支払いました。

かのんこ家の住宅ローン内容

夫の手取りが月18万円だったこともあり、住宅ローンは1,900万円に決めました。住宅ローンの詳細は以下のとおりです。

  • 契約当時のフラット35Sの金利:当初10年0.79%、残り25年1.09% 
  • 月々の返済額:当初10年51,794円、残り25年54,434円

段落

これらを払った後の預金の残りは137万円。これはマイホーム購入後のお金として多いのでしょうか、少ないのでしょうか?正直なところ、これは残しておく預金としては、少な過ぎました。

マイホーム購入後の、家電や家具代が嵩む

スマホを見て驚く女性

マイホーム購入前後は、理想の生活を求めて家電や家具探しが楽しくなります。また、新築戸建は施主側でカーテンレール・カーテン、物干し金具の準備はもちろん、希望によってはテラス屋根、カーポートなども取り付けなければなりません。我が家でマイホーム購入後に実際にかかった金額は以下になります。

オーダーカーテン3LDK分19万円
家電
46万円
家具33万円
その他4万円
引越し代4万円
合計106万円

気づけば、137万円の預金は残り31万円。赤信号点灯です。このようにマイホーム購入の際は、家電・家具購入で思った以上にお金がかかります。我が家は住まい給付金や満期保険金で難を逃れましたが、生活防衛費が3ヵ月分を割っている危ない時期もありました。

 

皆様はこのようなことにならないように、家電・家具代と生活防衛費(3か月~1年分の生活費)を緊急資金に残し、万が一の出費に備えてくださいね。

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マイホーム のための頭金。用意する?用意しない?

家

マイホーム購入時には諸費用と頭金を現金で用意する必要があります。

貯蓄に限りがある中、頭金は払ったほうが良いのでしょうか?まず、頭金を用意するメリットを紹介します。

マイホームの頭金を用意するメリット①:金利優遇と月の返済額の軽減

頭金有りでマイホーム購入すると「金利優遇」を受けられます。「金利優遇」とは、店頭にある金利より低い金利で借入れ出来る制度のことです。

たとえば、フラット35の金利は借入金が物件の9割超の場合年1.610%になりますが、物件価格の9割以下の借入の場合、年1.170%の金利になります。これがどれだけの差になるか、以下で検証しました。

マイホーム価格2,000万円:頭金を用意するときとしないときの違い

頭金なし 住宅ローン借入金2,000万円の場合
  • 金利1.610% 期間35年
  • 月々の返済額 62,320円 
  • 総返済額 26,174,253円
頭金200万円 住宅ローン借入金1,800万円の場合
  • 金利1.170% 期間35年
  • 月々の返済額 52,249円
  • 総返済額 21,944,818円

段落

頭金200万円を入れると、月々の返済額が減るとともに、頭金+総返済額の差が約223万円と大きく開きました

ここまで大きな差があるのなら、頭金を1割用意するメリットは十分にあります。

マイホームの頭金を用意するメリット②:頭金があると審査が通りやすくなる。

女性 快適な部屋

マイホームの頭金を用意できる=計画性があるとみなされます。結果的に住宅ローンの審査が通りやすくなります。

マイホームの頭金を用意するメリット③:物件価格の値下がりリスク

新築マイホームは購入してすぐに1~2割程度は、価格が値下がりしてしまいます。頭金がない場合は、当面、売却価格がローン残債を下回ってしまうため、売却時に差額分の現金を用意する必要があり、リスクが高くなるでしょう。

具体例

たとえば、2,000万円でマイホームを購入して、何らかの事情で数年後に新築戸建てを購入して、住んでいたマイホームを売却しようとしたとします。 築5年だと15~20%ほど値下がりすることが多いので、購入金額の2割引きで売却が成立したと仮定すると、売却金額は1,600万円です。

頭金がない場合のローン残債は17,756,480円。つまり、差額の約170万円は現金で用意しなければなりません。一方、頭金がある場合のローン残債は16,119,036円なので、今のマイホームが売れればローン残金のだいたいが完済可能です。

マイホーム購入の際、頭金を入れない2つのメリット

不動産物件を探すカップル

次は頭金を入れないメリットを紹介します。

マイホームの頭金を用意しないメリット①:欲しい物件をすぐに購入できる

頭金が貯まるまで待っていたら、実際にマイホームを手にするまでの時間がかかってしまうでしょう。「どうしてもこの家が欲しい」と好条件の物件を見つけた際、頭金なしのマイホーム購入ならば貯蓄が無くても買うことができます。

マイホームの頭金を用意しないメリット②:住宅ローン控除制度を最大限利用可能

今は低金利ということもあって「頭金は入れず住宅ローン控除を目いっぱい利用したほうがお得だ」と言う方もいます。

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高に応じた控除額が、10年間にわたって所得税から控除(所得税から引けなかった場合は住民税から軽減)される制度(2019年10月1日~2020年12月31日の期間は住宅ローン減税の控除期間を3年間延長)です。しかし、こちらには注意したい点も。

たとえば、我が家のように年収300万円台だと、そもそもの納税額が少ないため、住宅ローン控除の全ての金額を控除できないことがあります。

実際、昨年、年収395万円だった夫の住宅ローン控除額は所得税が5.8万円、住民税は9.7万円でした。わかりやすく説明すると、住宅ローンの年末残高が2,500万円だったとしても、1%分である25万円がすべて控除されるのではなく、所得税5.8万円、住民税9.7万円の合計15.5万円までしか控除されないことになります。

マイホーム購入時の頭金をどうすればいいかわからない方へ

住宅

物件価格の1割の頭金+諸費用+家電・家具代+生活防衛費分の預金を用意しておき、物件価格の9割分は住宅ローンを借りるのが、リスクが少なくおすすめです。

たとえば、月の生活費が25万円で物件価格3,000万円の新築戸建を購入するときのシミュレーションをしてみましょう。

  • 頭金:300万円
  • 諸費用:90万円~210万円(仲介手数料の有無、保証料がある変動金利の方が高くなる。新築の場合…3%~7%、中古の場合…6%~10%)
  • 家電・家具代:100万円(ご家庭の状況による)
  • 生活防衛費:75万円~300万円

段落

このシミュレーションでは計565万円~910万円を預金で用意し、残りの2,700万円分は住宅ローンを借りる形です。このくらいの現金を残しておけば、無理のない形でマイホーム購入できるでしょう。

実際にマイホーム購入者はどれだけ頭金を用意している?

例として、2018年度フラット35融資利用者の主要指標を調べました。住宅購入の資金調達内訳は以下となっておりました。

住宅のタイプ手持金(頭金)融資金(住宅ローン)
注文住宅636.5万円2,677.4万円
土地付注文住宅447.0万円3,496.8万円
建売住宅293.2万円2,944.5万円
マンション714.2万円3,544.1万円
中古戸建203.0万円2,132.1万円
中古マンション310.5万円2,522.5万円

ほとんどの方がマイホーム購入のために頭金を1~2割用意されているのがわかりますね。

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マイホーム

ただし、マイホームを買おうと考えてから、頭金を貯めるのはおすすめできません。頭金を貯めながら賃貸の家賃を払い続けるのは、家2つ分の支払いをすることと同じだからです。

一方、マイホームを購入すれば家賃がなくなり、ローンの支払い1つで済むようになります。総合的に考えると、ローンを多めに組んで物件を購入したほうが得になることも少なくありません

マイホームを購入するだいぶ前から余裕資金を貯蓄して、マイホームを買う適齢期になったら貯蓄を頭金に使う。もしくは、マイホームの購入という明確な目標の元、若いうちから長期スパンで貯蓄をしていくのが良いでしょう。

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マイホーム購入時の頭金:まとめ

女性

この記事では以下の内容を紹介しました。

監修者:鈴木 良紀

監修 鈴木

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧