この記事では、住み替えでダブルローンを考えている人に向けて問題点を解説していきます。

ダブルローンとは、住み替えのために現在の住まいの住宅ローンと併せて新居用の住宅ローンを組むことです。安易にダブルローンを組んでしまうと、住宅ローンの毎月の返済額は更に大きくなり……最悪、自己破産など大きなリスクも存在します。

あとになって後悔しないように、ダブルローンについて詳しく知っておいてください。

ダブルローンを借りるためのハードルは結構高い

お金 費用

これが原則!ダブルローンはやめたほうが良い

「原則」と書いたのは、既にこの先に現自宅の売却が確定している場合や、二重ローンの期間が決まっている場合を除くからです。ただし、そのような事例はあまり無いでしょう。

たとえば……現在の住宅ローン返済額が毎月10万円だとした場合、ダブルローンを利用すると、そこに上乗せして新居用の住宅ローン返済額が10万円上乗せされて、毎月返済額が2倍になります。現在のご収入から、返済額が生活に支障をきたさないか、立ち止まって考えてみてください。

また、自分たちは「一時的に住宅ローンが2倍になっても大丈夫」と思っても、金融機関の融資は当初の住宅ローン以上に審査が厳しくなります。一般的に、金融機関は住宅ローン審査の基準を「年間返済額が年収の30%以下」と設定しているため、ダブルローンでもこの基準をクリアさせないといけません。融資の審査が通るハードルは結構高いと思ってください。

住宅ローンの審査基準

一般的な住宅ローンの審査基準は以下のとおりです。

  • 年収
  • 完済時の年齢(80歳まで)
  • 健康状態
  • 勤務先
  • 勤続年数
  • これまでの返済履歴(車のローンやクレジットカードなど)

これらを金融機関がチェックします。

「定年時にダブルローンで新居を購入したい」方もおられますが、このような方は完済時の年齢がかなりネック。どの金融機関も大体70~80歳までの間に住宅ローンの完済をする前提としています。

そのため、定年時にダブルローンを組むと融資の期間が長く取れず、結果的に毎月の返済額が大きくなります。返済比率がオーバーしてしまい、融資が組めないパターンも多いです

ダブルローンを組むデメリット

防犯

ダブルローンのデメリット①:旧自宅を賃貸に出せない

ダブルローンを組んだ上で、旧自宅の売却が進まないケースもあります。すると「持ち家を賃貸に出して、家賃収入を住宅ローンの返済に充てよう」と考える方もおられますが……この方法は基本的にはNGです。

銀行からの住宅ローンの融資条件に「自己居住の為」と規約に記載があります。よって、賃貸に出してしまうと規約違反。ただし、事前に銀行に許可をもらった上での賃貸は問題ありません。

また、賃貸にも色々な問題があります。入居者からのクレーム対応や家賃管理、修繕義務など。確定申告も行わなければなりません。思っている以上に手間が掛かります。どうしても賃貸をやりたい方は身近な大家業をされている方へ一度相談してみると良いでしょう。

ダブルローンのデメリット②:旧住宅の住宅ローン控除は利用できなくなる

ダブルローンを組むと、旧自宅における住宅ローン控除は利用できなくなります。

住宅ローン控除は、あくまで自己居住用のために住宅ローンを組んだことに対する所得税の減税優遇措置です。ただし、新居での住宅ローンにおける住宅ローン減税は、居住面積などの住宅ローン減税の適用条件が合えば、利用できます。

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ダブルローンだけではない!買い替えローンも危険?

ダブルローンを避けるために、買い替えローンの提案をする不動産業者もいるでしょう。住み替えローンとも呼ばれます。

買い替えローンの詳しい説明は割愛しますが、簡単に言うと「現自宅の売却と2軒目の新居の購入を同時に行い、現自宅の売却で住宅ローンの残債が残ったら新居の住宅ローンに上乗せできる」システムです。

一見、二重ローンの回避ができるのでメリットがあるかと思いますが、現自宅の売却と新居の購入を同時に行うことは現実的ではありません。

そこで現自宅を不動産会社が買取ってくれることもあるかと思いますが、一般の市場で売却よりもかなり売却価格が下がります。大体市場価格の23割ダウンと見ておいてください。

では、住宅ローンを抱えている人が住み替えをしたい場合、どうしたら良いのでしょうか?

検討するのはダブルローンではなく旧自宅の売却

まず現自宅を高値でしっかりと売却した上で新たな新居の購入をするべきです。住宅ローンを抱えての住み替えは、かなりの高リスクを抱えていると認識してください。

余程の理由がない限りは、まずは筆者が以前書いた「高値で売却する5つのポイント」を参考に自宅を売却した上で、新居の購入をしましょう。売却から新居の購入まで少し時間がかかるなら一時的に賃貸住宅に住むのも良いと思います。

監修者から

現自宅を高値で売却することは重要ですが、一時的に賃貸住宅に住むことはお勧めしません。この一時的な賃貸住宅を借りるのにかかる経費が大きいからです。また、引っ越しも1回分多くなるので、引っ越し費用も上積されます。コスト面で考えると、旧自宅から新居に引っ越す形を目指すのが良いでしょう。

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住み替えのために旧宅を高く売りたい方へ

若い夫婦

ダブルローンを避けるためには、旧宅を高く売ることです。売主にできることが2つあるので、紹介しましょう。

まずは掃除、片付けです。あまりに生活感がありすぎる家は、内覧に来た購入希望者が購入に至りにくいのでなるべく綺麗な状態で内覧者を迎えてください。

もう1つは、安心して任せられる不動産会社を見つけることです。実は……不動産会社は家をいくらで売っても、それほど儲けは変わりません。そのためか、高い金額の見積もりだけを出して契約させ、後々値下げして売ろうと思っている業者もいます。これを業界用語で高査定といいます。

まともに査定をしてもらうために一括査定を利用しよう

家を売却する不動産会社はお決まりでしょうか?「買ったところに任せよう」ではなくていくつかの不動産会社に見積もりを出してもらうのが良いでしょう。きちんと任せられ不動産会社を見極めてください。

簡単なのは不動産一括査定サイトで複数の会社に見積もりを出してもらうことです。おすすめの不動産一括査定サイトは2つあります。

1つは大手不動産会社6社が運営し、業界で最も知名度がある「すまいValue」。三井のリハウスや住友不動産など、大手不動産会社にまとめて査定が依頼できるサービスです。

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すまいValueは不動産業界をリードする6社が運営する不動産売却ポータルサイトです。

2つめはLIFULL HOME’Sが運営しているHOME’Sです。こちらは約2,800社の不動産会社が登録しておりどんな会社なのか説明も具体的です。

まとめ・ダブルローンは避けるべき

若い女性 住宅

ダブルローンはリスクが高い!まずは旧自宅の売却を

この記事では以下の内容を紹介しました。

どうしても新居購入したい場合は、買い替えローンもしくは自宅の売却が確定してから。自宅の売却が確定すれば、安心して住み替えできます。

監修者から

旧自宅から新居へのダイレクトに引っ越せる状態を作るためには、新居を素早く見つける準備をしておくことです。自宅を売却して引っ越すには何らかの解決したいポイントがあるでしょう。たとえば、以下のポイントです。

  • 家族構成が変わり部屋の広さが足りない
  • 家族構成が変わり部屋数が足りない
  • 勤務先の変更で交通に不便

このように、新しい住居を探す為のポイントは明確なはず。明確な自分のニーズを知って物件を探せば、余程狭い地域に限定して探さない限り3ヶ月程度で物件は見つかります。3ヶ月で新居を探す事を決めていれば、旧自宅の売却の決済日を長めに2ヶ月先くらいに定めてもらい、売却決済までに新居を探すことも可能です。

信頼できる不動産会社に売却をまかせ、新居は自分のニーズを明確にすれば、不確かな不動産の売却、購入についても、ある程度確かなスケジュールを組めるでしょう。スケジュールが組めればダイレクトに新居へ引っ越せるのでコストも削減できます。

監修 鈴木 良紀
(株)ウィルゲイツ・インベストント勤務。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。宅地建物取引士・ビル経営管理士鈴木が監修した他の記事はこちら