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夢のマイホームを購入したにも関わらず、会社から突然の転勤命令……。住宅ローンの返済が残っているのに、転勤などで引っ越しをせざるを得ない時もありますよね。この記事では住宅ローンが残っているのに転勤しなくてはならない人を対象に、今の家を賃貸に出すべきか売却をした方がいいのか、住宅ローン控除などはどうなるのか……などを解説をします。
住宅ローン返済中の転勤:自宅を賃貸に出す場合
いくら転勤でも住宅ローン中の家を勝手に賃貸に出すのは厳禁!
転勤で現在の自宅を保有し続けるために賃貸に出す場合は、まずは住宅ローンを組んでいる金融機関に一度相談をしてみましょう。基本的に住宅ローンは皆さんが自宅を目的に金融機関が融資をしてくれています。
それ以外の賃貸などの目的で使用する場合は住宅ローンではなく投資用もしくは事業用のローンで組みなおす必要があり、金利や融資期間は大幅に変わってきます。
住宅ローン中の家の賃貸:金融機関に知られると……
最悪なのが、転勤した上で金融機関に相談なしで賃貸に出してしまうことです。もしも、金融機関にばれてしまった場合、住宅ローンを組むうえでの約款規定違反となります。ペナルティが課せられる場合もあります。
ただし、事前に予め転勤の旨を金融機関に相談した上で金融機関が賃貸の旨を了承してくれたら、そのまま住宅ローンが利用できます。金融機関も転勤などの想定はしてくれていますので、必ず相談をしてみましょう。
住宅ローン中の家を賃貸に出すメリット・デメリット
現在の自宅を保有し続けると、住宅ローンの返済はそのまま続きます。また、固定資産税や修繕積立金などが転勤中も出費として必要です。その出費を賄うために賃貸に出すわけですが、いくつか注意点があります。
転勤の期間が決まっているのなら定期賃貸借
まず、一つ目は転勤の期間が決まっており、数年後に現在の自宅に帰ってくるのが確実な場合は「定期賃貸借」で賃貸に出す必要があります。
一般的な賃貸借契約で賃貸に出してしまうと、現在の法律では入居者の方を優先して保護する内容になっています。皆さんが戻ってきて「直ぐに解約して退去してください」と決して言えない内容です。現在の自宅に戻ってくる時期が分かっている場合は、賃貸を依頼する会社に必ず「定期賃貸借で」と伝えましょう。
普通賃貸借は借地借家法によって借主のほうがより強力に保護されています。(借地借家法28条)貸主からの退去には正当事由が必要されるという条文です。正当事由には
- 建物の賃貸人が建物の使用を必要とする事情
- 建物の利用状況
- 建物の賃貸借に関する従前の経過解除料
- 立ち退き料の支払い
などがあるので注意が必要です。
転勤中、家賃管理と苦情への対応は?
二つ目の注意点は、賃貸中の入居者さんとの家賃の管理や苦情の対応を誰がするかということです。人が家に住んでいると必ず何かしらの修繕などが発生します。その際の対応を怠ってしまうと、入居者から最悪の場合、損害賠償請求などの訴訟に発展する恐れもあります。
賃貸に出す限り、皆さんは立派な大家さんという立場になります。自分で入居者の管理をすれば管理費用も掛からないからと安易に考えてしまいますが、転勤で遠隔地に行ってしまうとなかなか対応できません。入居者を決めてくれた賃貸の仲介会社に一度相談をしてみてください。
住宅ローン返済中の転勤:自宅を売却する場合
現自宅に戻ってくることは無く、現在の自宅を売却して転勤先で新しい自宅を購入したいという方もおられると思います。その際に大事なことは、まず「現在の自宅が住宅ローンの残債以上の価値で直ぐに売却ができるか」という点です。
不動産は金額が大きい分、売却など換金することが非常に時間がかかるものです。併せて、ローンの残債を清算できる自己資金があればいいのですが、自己資金に余裕がなく、フルローンで現在の自宅を購入した場合などは、ローンの残債が売却査定額を上回ることが多く、なかなか「ローンの残債=売却希望額」にしても売れない状況にあります。
まずは住宅ローン返済中の家を一括査定に出してみよう
ただし駅近のマンションや築年数が浅い物件などは需要も高いために早期で買いたい人が見つかることもあります。まずは売却の査定をしてみましょう。 一括査定サイトで査定額を調べるのがおすすめです。
オススメの不動産一括査定サイトは2つあります。一つは大手不動産会社6社が登録しているすまいバリューです。
もう1つがLIFULL HOME’Sが運営しているHOME’Sです。こちらは約2,800社の不動産会社が登録しておりどんな会社なのか説明も具体的です。
購入よりも売却を優先
また、転勤先での新居購入を検討する場合は、できるだけ現在の自宅の売却を優先してください。ダブルローンを組んでしまうと、毎月の住宅ローン返済額がかなり大きくなってしまい、生活に支障をきたす危険があります。現在の自宅を高く売却する方法、ダブルローンの危険性などについては筆者の記事を参考にしてもらえると幸いです。
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転勤した場合、現自宅の住宅ローン控除はどうなる?
国内での転勤で単身赴任ならそのまま利用できます。ただし、住宅ローン控除の適用を受けるためには、以下の条件があります。
居住者が、住宅ローンなどを利用して居住用家屋の新築もしくは取得または増改築などをした日から6カ月以内にその者の居住の用に供し(=入居し)、かつ、その年の12月31日まで引き続きその者の居住の用に供していること
つまり、自宅に住むことが条件です。なので、転勤で家族全員が転居してしまった場合は、住宅ローン控除は受けられなくなるのが原則です。例外として単身赴任は、残された家族が住み続けるので、「引き続きその者の居住の用に供している」とみなされ、住宅ローン控除を受け続けられます。ただし、海外への単身赴任の場合は、本人が非居住者になってしまうので、住宅ローン控除を受け続けることはできなくなります。
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まとめ・住宅ローン返済中の転勤はまず相談
この記事では以下の内容を紹介しました。
転勤での引っ越しによる賃貸もしくは売却については、時間的な制約などもあり、なかなか自分で考えることは難しく、また安易に考えて行動してしまうとデメリットが大きいケースがあります。現在の自宅の立地や種類で賃貸がいいのか、売却がいいのか変わってきますので一度専門家へ相談してみてください。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧