あなたは「住宅ローンを残した状態で引っ越しができるの?」そう感じておられることでしょう。
先に結論から申し上げれば「引っ越しはできます」。
但し、準備や手続きを怠ると負のダメージがあなたを襲うこともあります。住宅ローンは返済期間が長いだけに、「やむを得ない事情で引っ越しをする」ことは想定の範囲内として考えておくべきでしょう。 本文では、引越し前に注意しなければならない重要事項をお伝えします。

ちょっと待った!ローンを残したままの引っ越し

ローン債務者用の正しい引っ越しの知識

総務省の「平成26年全国消費実態調査」によると家計資産の約7割を住宅・土地が占めています。一世帯あたりの家計資産は 3,480万円のうち2,324万円が不動産です。

資産を持っているとはいえ住宅ローンを利用している方が大半。返済が終わるまでは資産というよりも「借金」という意識のほうが強いのではないでしょうか。

「転勤」「子育て」「介護」「自然災害」などに引っ越しの事情は人それぞれですが、移転となれば、住宅ローン返済以外に転居先の家賃負担を考えなければなりません。住宅ローンを背負っての引っ越しは、やり方を間違えると大きな損失です。

誤った方法を選択しないためにはローン債務者用の正しい引っ越しの知識が必要になるのです。

ローンが残っているマンションはどうする

ローンが残っているマンションは賃貸物件に出すリスク

念願のマイホームを購入したのにもかかわらず、会社の都合で転勤を余儀なく言い渡されることは少なからずあります。転勤の際に会社が「社員の自宅マンションを社宅して借り上げもらえる制度」があれば、住宅ローンの負担は軽減できます。

しかし、住宅ローン以外に引っ越し先の家賃を支払う感じになっている方は少ないようで、苦肉の策として銀行に黙って「知人や親せきを住まわせてローンを返済する」という方もいるようです。

返済をしっかりしていれば問題ないのではと考えている方もおりますが・・・ 借入先(金融機関)の承諾を得ず、無断で賃貸してしまう行為は契約違反にあたります。住宅ローン融資を行う銀行では、「自己居住用住宅の取得のための資金借り入れ」を条件に金消契約を結んでいますので、賃借を認めてくれるような金融機関は少ないと考えて下さい。

ただし、「金利優遇」の割引適用を受けない又は事業用の不動産投資ローンに借り換えることを条件に、第3者への賃貸を承諾する金融機関はございます。一時的でも居住用のマンションでは無くなるのでローンの金利が上昇することになりますが、契約違反を起こして契約解除されることだけは回避したいものです。

引越し相談をすると賃貸をOKしてくれる住宅ローン

民間金融機関で取り扱われている住宅ローンは、その性格上、住宅ローン対象物件を「賃貸で貸す」ことは簡単な話ではありません。

しかし、住宅金融支援機構のフラット35には、住宅ローンを借りている者(債務者)の事情に配慮した対応が予め用意されています。なんと!住宅金融支援機構の住宅ローンは、転勤、転職、病気などの事情によらず、住所変更届のみの提出で転居することを可能としているのです。

従来から、『ローンを融資住宅から一時的に転居される場合の処置』として、事前に留守管理承認申請書を提出しての手続きは存在していましたが、今は「住所変更届のみ」ですから利用者の事務的負担はかなり緩和されたといえるでしょう。

ただ、第3者に賃貸マンションとして貸し出す場合は、借り手が付かず家賃収入が入ってこない空室リスクや物理的リスクに備えた対策も必要になります。空き室リスクは、ローン返済が苦しくなるので、家賃を保証するマイホーム借上げ制度なども検討するとよいでしょう。詳しくは、国土交通省が支援する一般社団法人「移住・住みかえ支援機構(JTI)」を参照ください。

任意売却でマンションを引き払って、引っ越しをする

家を売る

引っ越した後に住む予定がない場合は、自宅マンションを引き払う「売却」という選択を視野に入れておいてもよろしいでしょう。マンションは、築年数とともに資産価値が下がる傾向にありますので、売却したほうが住宅ローンの返済が軽くなる場合もあります。

一般的に売却の懸念材料とされるのは、自宅マンション売っても住宅ローンが完済できない場合です。差額分が発生すれば現金で用意しなければなりません。その他にも、売却するための諸費用(仲介手数料や印紙代など)の支払いが発生するので、別途、数10万~100万円ほどの余力資金が必要となります。

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住宅ローンの残りを現金で用意できない時は任意売却を選択

任意売却と聞くと怖いイメージを抱かれる方も少なくありませんが、住宅ローンを借りている銀行など金融機関の許可をもらい不動産業者に仲介してもらって売却する手続きとお考えください。通常は、ローンの残債を現金で清算できない場合は金融機関が売却を認めてくれることはまずありません。

しかし、話し合いのうえで金融機関の同意をいただければ売却することは、不可能ではなくなるのです。任意売却は、通常の売却に比べるとハードルが低いといえるのです。

仮に、任意売却したのち住宅ローンの債務が残ってしまった場合は、マンションオーナーと金融機関の話し合いによって、生活に支障がないよう分割して支払うのが通例となっています。任意売却には手続きに時間がかかる(3~6カ月)ため、引っ越しが決まっているのであれば、早めに行動するようにしましょう。

転居を黙っていても、いずれは債権者である銀行は気づきます

契約

住宅ローンを利用している場合、引っ越しが決まったら連絡が必要です。仮に内緒にしたとしても、金融機関では郵便物の転送をわざと無効にしているので、移転した形跡が残れば、おのずと転居したことが金融機関には知られてしまうのです。

郵便物の転送届もせず、住民票の変更も行わずに引っ越すことは、現実的ではありません。金融機関に無断で賃貸マンションにしてしまうと、「期限の利益を失う」ことになりかねませんので注意しましょう。

「期限の利益」というのは、ローンは長期で払う権利のことをいいます。契約違反をすれば、期限の利益が消えてしまってそく支払いを迫られても文句はいえないのです。賃貸物件にしてしまうリスクを考えたら、手続きの相談したほうが合理的だとご理解いたければと思います。

まとめ・住宅ローンは完済できるまでが契約です

次に新しく住むお家の前に手続はお忘れなく

今回は、マンションを引っ越す時の注意点とやっておいてほしいことをお伝えさせていただきました。なんらかの事情で転居というのは決して珍しくないことだと思います。住宅ローンを払っていれば問題ないだろうと思いがちですが、契約をしている物件であることを忘れてはいけないのです。

安易な判断で不幸を招かないよう注意しましょう。


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マンション売却の査定をする前に

マンションの売却は一生に一回あるかないかの事です。非常に大きな金額になりますので「なるべく高く早く売りたい」という方は多いと思います。

そのために一番大切な事は「査定」で売却を依頼する不動産会社を見極める事です。ここからはその査定をする前に必ず読んでおいて頂きたいマンション売却20ヶ条をお話します。

マンションを売却する前に必ず読みたい20ヶ条