住宅ローンが残っている状態での引越し。この記事では、引越し前に注意しなければならない重要事項をお伝えします。

「住宅ローンを残した状態で引っ越しができるの?」……と、感じているかもしれませんが、結論から申し上げれば、引っ越しは可能です。ただし、準備や手続きを怠ると負のダメージがあなたを襲うこともあります。住宅ローンは返済期間が長いだけに、やむを得ない事情で引っ越しをすることは想定の範囲内。しかし、知っておかなければならないことも多いので、やむを得ない事情での引っ越しには、注意が必要です。

ちょっと待った!ローンを残したままの引っ越し

ローン債務者用の正しい引っ越しの知識

家計資産として住宅や土地を持っている人は少なくありません。しかし、資産を持っているとはいえ、住宅ローンを利用している方が大半。返済が終わるまでは、資産というよりも「借金」という意識のほうが強いのではないでしょうか。

「転勤」「子育て」「介護」「自然災害」など事情は人それぞれですが、住宅ローン返済中に引越しを余儀なくされてしまう人も多いでしょう。移転となれば、住宅ローンの返済以外にも転居先の家賃負担を考えなければなりません。住宅ローンを背負っての引っ越しは、やり方を間違えると大きな損失です。

誤った方法を選択しないためには、ローン債務者用の正しい引っ越しの知識が必要となります。ローンが残っているマンションはどうする

ローンが残っているマンションは賃貸物件に出すリスク

住宅ローン以外に引っ越し先の家賃を支払う感じになってしまう方も少なくないようです。苦肉の策として銀行に黙って知人や親せきに家を貸し、その賃貸料金でローンを返済する方もいるようですが、これは危険。

「返済をしっかりしていれば問題ないのでは」と考えている方もおりますが、 借入先(金融機関)の承諾を得ず、無断で賃貸してしまう行為は契約違反です。

住宅ローン融資を行う銀行では、「自己居住用住宅の取得のための資金借り入れ」を条件に金消契約を結んでいます。賃借を認めてくれるような金融機関は少ないと考えてください。

ただし、「金利優遇」の割引適用を受けない、または事業用の不動産投資ローンに借り換えることを条件に第3者への賃貸を承諾する金融機関はあります。一時的でも居住用のマンションでは無くなるのでローンの金利が上昇しますが、契約違反を起こして契約解除されるよりはマシでしょう。

引越し相談をすると賃貸をOKしてくれる住宅ローン

民間金融機関で取り扱われている住宅ローンは、その性格上、住宅ローン対象物件を「賃貸で貸す」ことは簡単な話ではありません。

しかし、住宅金融支援機構のフラット35には、住宅ローンを借りている者(債務者)の事情に配慮した対応が予め用意されています。なんと!住宅金融支援機構の住宅ローンは、転勤、転職、病気などの事情によらず、住所変更届のみの提出で転居することを可能としているのです。

従来から、『ローンを融資住宅から一時的に転居される場合の処置』として、事前に留守管理承認申請書を提出しての手続きは存在していましたが、今は「住所変更届のみ」ですから利用者の事務的負担はかなり緩和されたといえるでしょう。

ただ、第3者に賃貸マンションとして貸し出す場合は、借り手が付かず家賃収入が入ってこない空室リスクや物理的リスクに備えた対策も必要になります。空き室リスクは、ローン返済が苦しくなるので、家賃を保証するマイホーム借上げ制度なども検討するとよいでしょう。詳しくは、国土交通省が支援する一般社団法人「移住・住みかえ支援機構(JTI)」を参照ください。

任意売却でマンションを引き払って、引っ越しをする

家を売る

引っ越した後に住む予定がない場合は、自宅マンションを引き払う「売却」の選択を視野に入れておいてもよろしいでしょう。マンションは、築年数とともに資産価値が下がる傾向にありますので、売却したほうが住宅ローンの返済が軽くなる場合もあります。

一般的に売却の懸念材料とされるのは、自宅マンション売っても住宅ローンが完済できない場合です。差額分が発生すれば現金で用意しなければなりません。その他にも、売却するための諸費用(仲介手数料や印紙代など)の支払いが発生するので、別途、数10万~100万円ほどの余力資金が必要となります。

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住宅ローンの残りを現金で用意できない時は任意売却を選択

任意売却と聞くと怖いイメージを抱かれる方も少なくありませんが、住宅ローンを借りている銀行など金融機関の許可をもらい不動産業者に仲介してもらって売却する手続きとお考えください。通常、ローンの残債を現金で清算できない場合は、金融機関が売却を認めてくれることはまずありません。

しかし、話し合いのうえで金融機関の同意をいただければ売却も不可能ではなくなります。任意売却は、通常の売却に比べるとハードルが低いです。

仮に、任意売却したのち住宅ローンの債務が残ってしまった場合は、マンションオーナーと金融機関の話し合いによって、生活に支障がないように分割して支払うのが通例となっています。任意売却には手続きに時間がかかる(3~6カ月)ため、引っ越しが決まっているのであれば、早めに行動するようにしましょう。

転居を黙っていても、いずれは債権者である銀行は気づきます

契約

住宅ローンを利用している場合、引っ越しが決まったら連絡が必要です。仮に内緒にしたとしても、金融機関では郵便物の転送をわざと無効にしているので、移転した形跡が残り、おのずと転居したことが金融機関には知られてしまうのです。

郵便物の転送届もせず、住民票の変更も行わない引っ越しは、現実的ではありません。金融機関に無断で賃貸マンションにしてしまうと、「期限の利益を失う」ことになりかねませんので注意しましょう。

「期限の利益」とは、ローンを長期で払う権利のこと。契約違反をすれば、期限の利益は消えてしまうので、残りのローン残高の即払いを迫られても文句は言えません。

まとめ・住宅ローンは完済できるまでが契約です

次に新しく住むお家の前に手続はお忘れなく

なんらかの事情での転居は、けっして珍しくないことです。しかし、その際には必ず金融機関に相談しなければなりません。「住宅ローンを払っていれば問題ないだろう」と安易に考えてしまうと、後々になって大変な思いをする可能性もあります。住宅ローンを支払っているうちは、あくまで契約をしている物件であることを忘れてはいけないのです。

この記事では、以下の6つについて解説しました。是非、お役立てください。

ローン債務者用の正しい引っ越しの知識

ローンが残っているマンションは賃貸物件に出すリスク

引越し相談をすると賃貸をOKしてくれる住宅ローン

任意売却でマンションを引き払って、引っ越しをする

住宅ローンの残りを現金で用意できない時は任意売却を選択

転居を黙っていても、いずれは債権者である銀行は気づきます

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監修 鈴木 良紀
(株)ウィルゲイツ・インベストント勤務。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。宅地建物取引士・ビル経営管理士

サイト:https://fudousan.click/


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