税金が発生するか不安な方へ

「高く売れた!」と満足するの早い!

東京オリンピックの開催決定から不動産価格が上昇し、2018年現在においても高い水準でマンション価格が推移しています。

「購入時よりも高く売却することが出来た」
このような声を聴く機会も増えているので、マンションの売却を検討している方の中には胸を躍らせている人も多いはずです。

ですが、ここで注意をしなければいけないのは『所得税』と『住民税』です。
不動産売却で利益が発生した時には必ず所得額に応じて課税されてしまうので注意が必要です。
そこで今回は、所得額別に目安となる税金額を計算していくので、マンション売却を検討中の方は最後までご確認下さい。

税額を計算する前に譲渡所得の計算を

マンション売却時の税金を計算するには、まず、課税対象となる『譲渡所得』から算出しなければいけません。
聞きなれない言葉かもしれませんが、この所得を一言で例えると、購入時よりも売却価格が高い時に発生する利益のことです。

計算式は下記になります。
譲渡所得=売却益-(取得費+譲渡費用)

一例で確認していきましょう。

マンション購入価格:3000万円
マンション売却価格:4000万円
4000(万円)-3000(万円)=1000(万円)

上記のケースでは、1000万円の売却益が発生したことになります。
まれに、「住宅ローン残高よりも高い金額で売却出来た時」と勘違いをされる方がいるのですが、そうではありません。

さらに、この売却益から経費を差し引きます。
所得を計算する時、購入時および売却時の諸経費を経費計上できるので忘れずに行いましょう。
下記表が経費の一例です。

取得費 譲渡費用
  • 印紙代(契約書貼付分)
  • 仲介手数料
  • 登記費用(登録免許税、司法書士報酬含む)
  • 不動産取得税
  • 印紙代(契約書貼付分)
  • 仲介手数料
  • 抵当権抹消費用

 

※個別条件によって経費計上可能な項目が異なるので詳細は税務署にご確認下さい。

ここから、さらに掘り下げていきます。

細かい話になるので神経質になる必要はありませんが、マンション購入価格から『建物減価償却費』を差し引きます。マンションや一戸建などの不動産は、建物と土地に分けることが出来ます。

この内、建物部分については税法上、経過年数に応じて価値が下がっていくのです。
このことを『減価償却』と言います。

下記が減価償却の計算式です。
減価償却費=建物取得価格×0.9×0.015×経過年数
上記計算式で算出した減価償却費を購入価格から差し引くと、より正確な譲渡所得を算出することが出来ます。
※公式中の0.015は鉄筋コンクリート造のマンションに適用される数字です。構造によって異なります。

所有期間で税率が変わる!長期と短期の違いに要注意

譲渡所得の計算が終わって、いよいよ税金の計算と行きたいところですが、その前に所有期間の確認をしましょう。
あなたは、売却するマンションを何年間所有していますか?

所有期間が『5年以下』か『5年超』かで税率が大きく変わるので、しっかりと確認しましょう。

  • 短期譲渡所得(5年以下)→所得税:30.63% 住民税:9% 合計税率39%
  • 長期譲渡所得(5年超) →所得税:15.315% 住民税:5% 合計税率20%

※平成49年まで復興特別所得税(基準所得税額×2.1%)も課税されます。
 基準所得税額とは、所得税額のことをさします。

ここで、注意点です。
所有期間は、『売却した年の1月1日現在』で数えます。
つまり、1月1日のタイミングで5年超の所有期間を満たしていなければいけないので、実際には5年以上所有していなければいけないのです。

マンション売却した日を基準に期間を数えてしまうと、5年以上所有しているにもかかわらず短期譲渡所得として課税されてしまうケースもあるので、慎重に確認するよう心がけましょう。

実際に税金を計算!手軽におおよその税額を把握する

不動産の仲介手数料

ここまで確認をして、ようやく税金の計算です。500万円刻みで譲渡所得500万~2000万円までの税金の見積額を算出してみます。今回は、短期と長期、両方のケースで計算を行うので、税額の違いも含めてご確認下さい。
※建物減価償却費は含んでいません。

ケース1、譲渡所得:500万円の場合

『短期』5年以内で売却した場合の税金
  • 所得税:500万円×30.63%=153万1500円
  • 復興特別所得税:153万1500円×2.1%=3万2161円
  • 住民税:500万円×9%=45万円
  • 合計税額:201万3661円
『長期』5年目以降で売却した場合
  • 所得税:500万円×15.315%=76万5750円
  • 復興特別所得税:76万5750円×2.1%=1万6080円
  • 住民税:500万円×5%=25万円
  • 合計税額:103万1830円

ケース2、譲渡所得:1000万円の場合

『短期』5年以内で売却した場合の税金
  • 所得税:1000万円×30.63%=306万3000円
  • 復興特別所得税:306万3000円×2.1%=6万4323円
  • 住民税:1000万円×9%=90万円
  • 合計税額:312万7323円
『長期』5年目以降で売却した場合
  • 所得税:1000万円×15.315%=153万1500円
  • 復興特別所得税:153万1500円×2.1%=3万2161円
  • 住民税:1000万円×5%=50万円
  • 合計税額:206万3661円

ケース3、譲渡所得:1500万円の場合

『短期』5年以内で売却した場合の税金
  • 所得税:1500万円×30.63%=459万4500円
  • 復興特別所得税:459万4500円×2.1%=96万4845円
  • 住民税:1500万円×9%=135万円
  • 合計税額:690万9345円
『長期』5年目以降で売却した場合
  • 所得税:1500万円×15.315%=229万7250円
  • 復興特別所得税:229万7250円×2.1%=4万8242円
  • 住民税:1500万円×5%=75万円
  • 合計税額:309万5492円

ケース4、譲渡所得:2000万円の場合

『短期』5年以内で売却した場合の税金
  • 所得税:2000万円×30.63%=612万6000円
  • 復興特別所得税:612万6000円×2.1%=12万8646円
  • 住民税:2000万円×9%=180万円
  • 合計税額:805万4646円
『長期』5年目以降で売却した場合
  • 所得税:2000万円×15.315%=306万3000円
  • 復興特別所得税:306万3000円×2.1%=6万4323円
  • 住民税:2000万円×5%=100万円
  • 合計税額:412万7323円

税金というと、複雑な計算をしているイメージを持つ方がいますが、そんなことはありません。
公式が分かっていれば、簡単に計算することが可能なのです。
ただ、下記公式を使って頂くと、もっと簡単に目安となる税額を算出することが出来ます。

『短期』
40.2万円×( 譲渡所得金額 / 100 )=概算税額

『長期』
20.6万円×( 譲渡所得金額 / 100 )=概算税額

譲渡所得が100万円あがるごとに、『長期:約20.6万円、短期:約40.2万円』、税額が上昇していきます。
この数字さえ覚えておけば、税額の心配をする必要はありません。これで、譲渡所得金額に合わせておおよその税額を確認することが出来るようになります。

特定居住用財産(マイホーム)を売却した時の特別控除

ここまで、不動産譲渡所得が発生した際の税金の計算方法を解説してきました。意外と高額な税金が発生することに驚いている方も少なくないでしょう。

ここで忘れて欲しくないのは『3000万円の特別控除』です。
これは、マイホームを売却して発生した譲渡所得から3000万円を差し引ける特例なので、譲渡所得が3000万円を超えない限り税金が発生することは無いのです。

マンション売却を検討している方にとっては魅力的な特例なのですが、適用条件が設けられているので誰でも利用出来るというわけではないので注意が必要です。

3000万円の特別控除が適用できる場合

  1. マイホームを売却した場合(譲渡する年から過去3年以内に居住の用に供さしなくなった家屋を含む)
  2. 上記①の敷地だった土地など
  3. 災害で滅失したマイホームの敷地だった土地など(譲渡する年から過去3年以内に居住の用に供しなくなったものに限る)

3000万円の特別控除が適用できない場合

  1. 配偶者、直系血族、生計を一にする親族などに対して譲渡する場合
  2. 譲渡する年の前年、前久年に譲渡した居住用財産について一定の譲渡所得の課税の特例をすでに適用していた場合
    (住宅ローン控除や居住用財産の買い替えなどの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例など)
  3. 居住用財産の軽減税率の特例を除き、固定資産の股間の特例や収容交換などの場合の特別控除の特例などを適用する場合

住宅ローン控除のとの併用も出来ないので、不動産の買い替えを検討している方は特に注意が必要になるでしょう。
様々な制約はありますが、大きな節税効果がある特例です。譲渡所得が発生した時は適用条件を確認の上、適用を検討してみるべきでしょう。
検討の際には税務署にて適当条件などの確認を必ず行って下さい。

税理士など専門家に聞いておこう

マンション売却はプロにサポートしてもらおう

税金の不安はマンション売却を検討している多くの方が感じているので、事前に税額を把握することでマンション売却の不安を1つ取り除くことが出来ます。
ただ、本記事でご紹介しているのは『目安となる税額』で、実際に支払う税額とは異なるのでご注意下さい。

不動産会社の中にも、税金に詳しかったり、提携している税理士を紹介してくれることもあるのでまずは不動産屋に聞いてみるのもいいでしょう。

確定申告時には個別条件などを税理士や税務署にご確認下さい。

マンション売却を考えているものの、何から始めて良いのか分からない方へ
マンション売却の査定をする前に

マンションの売却は一生に一回あるかないかの事です。非常に大きな金額になりますので「なるべく高く早く売りたい」という方は多いと思います。

そのために一番大切な事は「査定」で売却を依頼する不動産会社を見極める事です。ここからはその査定をする前に必ず読んでおいて頂きたいマンション売却20ヶ条をお話します。

マンションを売却する前に必ず読みたい20ヶ条