マイナス金利とは?住宅ローンへの影響をわかりやすく解説

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目次

マイナス金利……この言葉自体はよく聞くことがあっても、何のことだかよくわからない人も多いのではないでしょうか。実は、マイナス金利は、住宅ローンにも関係するのです。この記事では住宅ローンがマイナス金利の影響をどう受けるか解説します。

マイナス金利とは?

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マイナス金利で何が変わるのか?

マイナス金利が直接関わってくることは何でしょうか?預金金利が引き下げられることによって貯蓄への金利が更に下がるというデメリットや、住宅ローンをはじめ様々なローンの金利が下がり借入をしやすくなるメリットもあります。ここでは、マイナス金利が私たちの生活にもたらす影響を解説します。

マイナス金利がもたらす影響

住宅 売却

マイナス金利とは?

そもそもマイナス金利とは何でしょうか?日本では初めての試みでも、既に欧米ではマイナス金利政策を導入している国はあります。日本におけるマイナス金利政策は、民間銀行が日本銀行(日本の銀行の親玉のような存在です。以下、日銀)に預けている預金をマイナス金利にします」というものです。

民間銀行は一定のお金を日銀の当座預金口座に入れており、従来であれば金利はプラスなので放っておいてもお金は増えていました(微々たるものですが)。少なくとも減ることはなかったです。しかし今回のマイナス金利政策は、口座に対して「マイナス金利」を導入しているので、銀行は日銀にお金を預けていると従来増えていたはずのお金がどんどん減ってしまうと言う事です。

つまり、日銀は民間銀行に対して「うちにお金を預けていないで積極的に企業や個人へお金を貸し出しなさい」というメッセージを送っているのです。お金を世の中にたくさん出すことによって物価を上げ、企業の収入を増やし、私達の収入を増やす事が目的です。

住宅ローンの種類

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話は少し変わって、住宅ローンについて簡単にご説明します。住宅ローンには大きく分けて「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。

A)固定金利

2年や3年、10年20年など期間は様々ですが、その所定期間は金利がずっと変わらないというローンになります。年数が長いほど金利が高めの設定になっていますが、世の中の金利情勢に左右されず一定の金利(支払い)に保てるというメリットがあります。一方、世の中の金利が低くなったとしても、固定金利は変わらないというデメリットもあります。

B)変動金利

5年ルールと呼ばれていますが、5年毎に世の中の金利に合わせて金利を見直すというローンです。メリットは固定金利よりも低い金利であると言う点で、デメリットは世の中の金利が高くなれば変動金利も連動して上がるので、支払額が時期によって変わるリスクがあるという点です。

固定金利は何を基準に決まる?

世の中にはたくさんの「金利」が存在します。変動金利と固定金利は「基準」としている金利が異なりますので、まずは固定金利からご説明いたします。

(特に長期の)固定金利は主に10年国債利回りが指標とされています。国債の利回りは国の金融政策の影響もありますが、基本的には需給バランスによって変動します。国債を欲しい人が多ければ国債の価格は上がるので利回りは下がりますし、国債の人気がなければ国債の価格は下がるので利回りは上がります。つまり、固定金利は国が行う金融政策も加味されますが、それ以上に需給バランスにより上下すると言う事です。

ただし、この需給バランスも金融政策によって左右されますので、マイナス金利政策が導入されれば国債の需要は上がります(お金を預金しているより国債を持っていた方がお金は増えるため)。それにより国債の金利は下がりますので、固定金利もそれに連動して下がる可能性が高いです。

変動金利は何を基準に決まる?

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変動金利は「短期プライムレート(以下、短プラ)」と呼ばれる金利を基準に決まります。短プラは民間銀行が優良企業に融資をする際、1年以内の短い期間でお金を貸し出すときに適用する金利の事です。これは金融機関同士がお金を貸し出す際に適用される「市中金利」にも連動していて、更にこの市中金利は日銀が金融機関に貸し出す時に適用される「政策金利」にも連動しています。

つまり、変動金利は固定金利よりも日銀が定める金利によっての影響が大きいため、マイナス金利の導入など、「政策」として金利を左右する時には固定金利よりもダイレクトに影響を受けると言う事です。

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マイナス金利がもたらす今後の影響

結論から言うとマイナス金利政策を続ける限りは、特に変動金利においては住宅ローンも下がる傾向にあります。つまり、住宅を購入する私達からすると良い状況であると言えます。

先述しましたが、民間銀行が日銀にお金を預け続けるとマイナスになってしまいますので、そのお金を企業や個人への投資にまわします。マイナス金利が終わるときは、民間銀行が投資にお金を回したことにより、お金が世の中に適切に回り、物価が上がり、企業の収益が増え、更にそれが私達の収入へ反映した時です。

その時にはマイナスからゼロに戻し、従来の「ゼロ金利政策」を取るかもしれませんし、アメリカのように利上げの選択肢をとるかもしれません。いずれにしろ直近何年間はマイナス金利が続くと予想されますので、特に変動金利においては住宅ローンが下がる恩恵を得られそうです。

マイナス金利で住宅ローンは有利!?

女性 住宅

この記事では以下の内容を紹介しました。

マイナス金利で、住宅ローンの固定金利も当然影響を受けます。下がった時に組んでおけば仮に10年後利上げを実施しても、マイナス金利導入時の低金利の時に金利が固定されます。今までも十分住宅ローンの金利は低かったですが、マイナス金利政策導入のため、金利が更に低くなる可能性が高いと言う意味で、住宅ローンは組み時であると言えるでしょう。

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