中古マンションは購入時期を間違えると思わぬ出費につながり、痛い目に遭うこともあります。この記事はこれから中古マンションを購入予定の方に向けて、ベストの購入時期やどんなタイミングで購入したら良いかを紹介します。

昨今、新築マンションの価格高騰によって割安な中古マンションが注目されていますが、格安といっても高い買い物であることは変わりありません。賢く住宅を購入するための参考にしてください。

チラシの「今がマイホームの買い時！」は本当？

不動産屋のチラシにはよく「今がマイホームの買い時！」といった文字が躍っています。しかし、本当に今が買い時なのかどうかは、よくわかりませんよね？実は、一口に「中古マンションの買い時」といってもいろいろな視点があります。つまり、見方によって複数の「買い時」が存在するというわけです。以下、さまざまな視点から見た、中古マンションを購入するのに良い時期を説明していきましょう。

中古マンションの購入時期①：価格相場の動きから見た買うタイミング

中古マンションの価格はそのときの不動産相場や需要と供給のバランスによって常に動いています。同じような立地、同じような広さなど、条件は同じでも、その時々で価格は変わるものです。不動産相場が下降傾向にある時は、マンションを安く買えるチャンスなので「買い時」と言えるでしょう。相場が上昇傾向なのか下降傾向なのかは、国土交通大臣が月に一度発表している「不動産市場動向マンスリーレポート」が参考になります。

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中古マンションの購入時期②：住宅ローンの金利から見た買うタイミング

中古マンションを購入するときに現金一括払いをする方は少数です。多くの方が住宅ローンを組んで中古マンションを購入します。そのため、ローン返済の金利の安いときは、不動産購入のベストタイミングの1つです。

具体例

たとえば、同じ3,000万円を35年返済で借り入れた場合、住宅ローンの金利が３％なら、毎月の返済額が11万5455円、総返済額は約4,849万円です。一方、金利が１％になると毎月の返済額が8万4685円、総返済額は約3,556円まで下がります。これは、どちらも元利均等返済、固定金利でシミュレーションしたものですが……実に1,300万円近い差があることがわかっていただけると思います。

ちなみに2021年現在の住宅ローンの金利は、１％を切るものも珍しくありません。5年固定金利で１％代のものもあります。住宅ローンの金利面から考えると、不動産のチラシに書かれている「低金利の今が買い時！」の言葉も、あながち嘘ではありません。

中古マンションの購入時期③：人生設計から見た買うタイミング

中古マンションは誰でもいつでも買えるものではありません。金融機関の住宅ローンの審査をパスしなくてはならないからです。審査される項目はいろいろありますが、借りる側の働き方と勤続年数もそのひとつ。一般的に、企業などに勤めて3年以上であればOK、自営業やフリーランスに対しては収入の安定性が低いとみなされ、審査は厳しくなります。

将来的に独立したい方へ

筆者はライターとしてフリーランス歴25年以上で、出版社に勤める友人から独立の相談を受けることもしばしばあります。その際に「フリーランスは信用がないので、お金を借りるのも難しい。中古マンションが欲しいなら社員のうちに買っておけ」とアドバイスするのですが、なかなか聞く耳を持ってもらえません。興味は仕事の独立のほうに向いているため、住まいのことなど二の次なのでしょう。

しかし、後にマイホームが欲しくなって住宅ローンの審査を受けると、ほとんどの方が玉砕します。「あの時、アドバイスに従っていればよかった！」と後悔しても後の祭りでしょう。

さて、何故多くの方が住まいの購入を独立よりも後回しにしまうのかといえば、サラリーマン自身に「サラリーマンには信用がある」と実感できないからです。だから、もしも将来的に独立したいのなら、会社員のうちにマイホームを買っておくと良いでしょう。また、中古マンションを住宅ローンで購入する時は、物件価格の１割程度の頭金と諸費用が必要です。自分のキャリア設計のみならず、資金面での準備ができていることも「買い時」の条件のひとつと言えるでしょう。

中古マンションの購入時期④：年間の不動産の動きから見たタイミング

１年という短いサイクルの中にも中古マンションの「買い時」が存在します。新年度である４月に合わせて住み替えをする人が多いため、毎年１～３月には中古マンションの供給が多くなるからです。選択肢が増えれば、自分の希望する条件のマンションが見つかる可能性も高くなるでしょう。この点から１～３月は買い時と言えます。

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以上、いろんな視点からの中古マンションの「買い時」をご紹介しました。

よく「マイホームは欲しいときが買い時」と言います。筆者は不動産業者が客に買わせるための常套句にすぎないと思っていましたが、ある意味、真理でもあると思います。もちろん、十分なリサーチや資金計画もないままに勢いで購入することはお勧めできません。でも「欲しい！」と思える物件に出会った時に買えるように常に準備をしておくのが賢明ではないでしょうか。