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不動産は一生で一番といってもよいほど高額な買い物のため、購入を検討していたとしても、本当に今購入すべきなのか迷ってしまうという方は多いでしょう。
それでは、不動産購入のベストタイミングはいつなのでしょうか?
本記事では、家の購入タイミングについてライフステージ毎の特徴をお伝えすると共に、不動産購入検討中の方にお伝えしておきたい3つのポイントをご紹介します。
不動産購入のベストなタイミングとは?
不動産購入のベストなタイミングはいつなのでしょうか?
ここでは、以下の5つのケースごとに特徴を見ていきたいと思います。
- 結婚前
- 結婚後
- 出産時
- 子供を作らないケース
- 結婚しないケース
結婚前
結婚前の不動産購入の最大のメリットは、早いタイミングで不動産を購入するため、ローンの完済も早くなるということでしょう。
一方、将来的に結婚するかどうか、また子供ができるかどうかも分からない状態では部屋数をどのくらいにしたらよいのか分からないという問題があります。
このタイミングで不動産を購入するのであれば、家族が増えてもよいように可変性の高い間取りにするか、立地のよい不動産にするなど将来的に売却を見据えたものにする必要があるでしょう。
結婚後
結婚後すぐ、夫婦2人の状態で住宅を購入するケースです。
このパターンでも早い段階でローンを完済しやすいというメリットがあります。
子供が産まれるかどうかは分かりませんが、夫婦の間で子どもが何人欲しいといった話し合いをすることはできます。
希望通りにいかなかったケースを想定して、可変性の高い間取りにするとよいでしょう。
出産後
子供を出産してから家を作るケースでは、家に住む家族の人数が確定しているため間取りを考えやすいというメリットがあります。
学校の場所を考慮したうえで不動産を購入しやすいといった点もポイントです。
子供の転校など考慮すると子供が小学校に入る前までに購入するなどできるとよりよいでしょう。
一方で他のケースと比べると不動産を購入するタイミングが遅くなりやすく、ローンの完済年齢が定年退職後になりやすいです。
今後は十分な額の退職金を期待できないことなど踏まえて、早いタイミングで繰上げ返済していくといったことが求められるでしょう。
購入物件についてもこの段階になると年収が上がっているので、伴って借入可能額も上昇し、予算も上がるので選択肢が増えてきます。
更に家族構成が決まっているので物件購入のリスクという意味では最も低いと言えます。
子供を作らないケース
子供を作らないケースであれば、夫婦2人が住むための間取りを考えればよく、取り組みやすいといえます。
実際のところ、子供は将来的に巣立っていくことが想定されるため、将来的には大きすぎる家となりやすい点も、このケースであれば問題が生じません。
昨今では新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークの導入で家で仕事することも多くなってきています。
仕事部屋や趣味部屋など、部屋数を確定したうえで間取りを考えていくとよいでしょう。
結婚しないケース
結婚しない前提で家づくりをする場合、単身で住む家を購入するか、もしくは両親との二世帯住宅を考えることになるはずです。
このケースでも、部屋数は確定しているため間取りは考えやすいといえます。
ただし、二世帯住宅にする場合はあまり特殊な間取りにしてしまうと将来的に売却しづらくなるといったことも考えられます。
二世帯住宅には完全同居型や分離型などありますが、親子で住むということもあり、できれば完全同居型の住宅にして、間取り的には一般的な戸建と変わらないものにすれば、将来的な売却も考えやすくなるでしょう。
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不動産購入検討中のあなたが知るべき3つのこと
ここでは、不動産の購入を検討しているあなたが知るべきこととして、以下の3つをご紹介します。
- 子供と一緒に住むのは20年程度
- 100%理想の不動産は存在しない
- 頭金を貯めるより今買った方がお得になりやすい
それぞれについてご紹介します。
子供と一緒に住むのは長くても20年程度
家づくりを考える際、お子様のいる家庭だと子供を中心に立地や間取りなど考えることが多いでしょう。
しかし、実際のところ、お子様の年齢にもよりますが子供と一緒に家に住むのは長くて20年程度です。子供が成人して家を出ていった後は夫婦2人で住むことも考慮すべきだといえます。
とくに、2階に子供部屋を設けるようなケースでは、年を取ると階段の上り下りも大変になってしまうこともあり、ほとんど使わなくなってしまいやすいです。
場合によっては、老後は家を売却して終の棲み処に住み替えることも考えて小さめの家を購入するといったことも考えるとよいでしょう。
100%理想の不動産は存在しない
不動産の購入は高額なものですから、時間をかけてじっくり探したいという気持ちはよく分かりますが、実際のところ100%満足のいく不動産は存在しません。
立地など条件のいい物件は価格が高いですし、逆に価格面で納得のいい物件は立地が悪いなどどこか理想通りにはいかないものです。
不動産の購入を検討されている方で、いつまでも購入まで至らない方もいらっしゃいますが、こうした方は「いつか理想の物件が見つかるはず」と考えているケースが多いです。
もちろん、少しでも理想に近い物件を探そうと努力することは素晴らしいことですが、不動産購入の場合、住宅ローンの完済年齢の問題があります。
優先順位を決めるのが大切
また、あまり購入時期が遅くなり年齢を重ねてしまうと、何らかの理由で健康を害して団体信用生命必須の住宅ローンを組めなくなるなどそもそも不動産購入を諦めなければならなくなることもあります。
おすすめなのは、「価格」や「立地」、「間取り」など家族全員の希望を聞いたうえで優先順位を決めて、今ある物件の中で一番条件に当てはまる物件の購入を検討してみる、というものです。
不動産購入検討者の方は、最初に「100%理想の不動産は存在しない」ことを念頭におくことをおすすめします。
頭金を貯めるより今買った方がお得になりやすい
不動産購入時に、頭金を多く入れるとそれだけ住宅ローンの借入額を少なくできるため、物件取得後の返済がしやすくなります。
確かに、物件取得時に頭金がたくさんあればよいでしょう。
しかし、現段階で不動産の購入を検討していて「3年間頭金を貯めてから物件の購入を考えたい」と考えているのであれば、実は全体で見ると損をしている可能性があります。
というのも、2021年現在、住宅ローンの金利は1%程度と超低金利が続いており、しかも「借入から13年間、借入額の1%について控除を受けられる」住宅ローン控除の存在があるからです。
つまり、住宅ローン控除の適用を受けられる期間はほぼ金利負担なしでローンを借りることができます。
この先の賃料も考えると買ったほうがお得かも
さらに、「3年間貯金を貯めてから物件の購入を考えたい」と3年間で100万円を貯めようとしたとき、その間も賃貸の賃料を支払い続けることになります。
その3年間で先に物件を購入していれば、ローン完済の時期は3年早くなりますし、賃貸にお金を支払う必要もありません。
もちろん、ローン返済額が少しでも安くなればそれに越したことはありません。しかし、現在の低金利状態であればお金を貯めるより先に買ってしまったほうが、お得なケースがほとんどであるということを覚えておくとよいでしょう。
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まとめ
不動産購入のベストなタイミングについて、ライフステージごとの特徴と押さえておきたい3つのポイントをご紹介しました。
結婚前、結婚後、子供が産まれてからなど不動産購入を考えるタイミングはいくつかありますが、万人に共通してベストなタイミングはありません。
実際のところ、住宅ローンの完済時期など踏まえて、金銭面で見れば不動産を購入しているいまが一番タイミングとして適しているということも多いでしょう。
現在不動産の購入を検討している方は、本記事の内容を参考にされてみてください。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧