マンションの寿命と築年数は必ずしも関係ない

法定耐用年数と建物寿命は何が違う?

一戸建・マンション問わず、中古不動産の購入を検討する多くの方は、建物の築年数を気にされるのではないでしょうか。

最近ではリノベーション物件の普及が急速に進み、「間取りが変更できるのであれば」「室内が新築のように綺麗なのであれば」という理由から、築30年以上の中古物件であっても取引が活発に行われています。
ですが、「あと何年住み続けられるのだろう?」という素朴な疑問を感じている方も多くいるので、中古物件を検討する上で築年数は重要な判断材料となっています。

中古物件を買うことを検討していると、『耐用年数』という言葉を耳にする機会があります。

読んで字のごとく、どれくらいの年数建物を使用する事が出来るのかという意味をあらわしている言葉なのです。
ただ、ここで気を付けて頂きたいのが、ここでいう耐用年数とは『法定耐用年数』の事であって、寿命とは全く意味が異なります

『法定耐用年数』とは、税法上定められている建物の耐用年数の事で、減価償却可能な期間を表しています。
『寿命』とは、誰しもがご存知の通り、あと何年建物を利用する事が出来るかを表しているので、この2つの単語は似ているようで全く異なる意味を表しているのです。

『耐用年数=建物寿命』

このように考えている方もいるのですが、これは誤った計算なので注意しなければいけません。

鉄筋コンクリートは何年利用できる?

青山同潤会アパート(wikipediaより)

マンションは戸建てに比べて建物の寿命が長いですが、何年ぐらいなのでしょうか?

日本のマンションの建物寿命を考える際に、最も参考になる事例は『同潤会アパート』です。

関東大震災後の復興住宅として建設された集合住宅で、東京都内(上野や表参道など)や横浜市内に計16棟が建設されました。

2019年現在、躯体構造や設備などの劣化が進み全て取り壊されていますが、最も最後まで使用されていたのが、上野にあった上野下同潤会アパートです。こちらが2013年に新築マンションに建て替えられたのですが、大正時代から数えると約80年ものあいだこの世に存在していたのです。

建物の建築技術は日進月歩で進化改良されているわけですから、この実例をもとにすると鉄筋コンクリート造の建物であれば、建て替えなくても目安として70年~80年は利用する事が出来ると考えてよいのではないでしょうか。

昨今販売されている定期借地権付きの新築マンションの広告を見てみても、借地期間が60年~80年前後の借地期間が設定されている物件が多く販売されています。

定期借地権ですから、借地期間中は建物利用する事が出来る事を前提として販売価格を決めています。
ということは、最低でも、借地期間中は鉄筋コンクリート造のマンションは利用出来ると考えて差し支えないはすです。

実際、国土交通省のHPを確認してみると、RC造の寿命に関する研究事例が記載されています。

これによると、RC造の平均寿命は、68年とも117年とも記載されています。

中古物件であっても、一棟リノベーションという中古マンションの販売もされていますから、鉄筋コンクリートの耐久性は私たちが考えている以上に高いのではないでしょうか。

建物修繕で寿命が延びる?マンションの修繕状況を確認する

大規模改修工事

では、鉄筋コンクリートを使用しているマンションであれば、一定の耐久性や建物寿命が保証されているのでしょうか?

中古マンションを内見していると、同じ築年数であっても綺麗に見えるマンションと汚く見えるマンションがあります。これは、建物修繕の差によるものです。
不動産に限らず、この世の中に存在している動産物(車など)は、年数とともに経年劣化していきます。

さらには、地震や台風などの外的要因によって躯体構造にダメージが与えられてしまう可能性もありますから、定期的な修繕が必要不可欠です。

躯体構造の補修を行わなければ雨水が浸入して中にある鉄筋の腐食が進んでいきます。防水工事を行わなければ雨漏れが発生する確率が高くなります。

上記以外にも、配管の更新や躯体構造の補修、防水工事、外壁塗装など、修繕工事は建物寿命に大きな影響を与えると考えて間違いないでしょう。

ただ、マンションを所有している組合員が専門知識を持っているとは限らないので、建物管理には不安が残ります。

ですが、このような心配は必要ありません。

建物管理を委託しているマンションであれば、修繕計画の作成や建物点検、修繕箇所の特定など、全ての作業を管理会社が代行してくれます。(大多数のマンションが管理会社に委託しています。)

建物の修繕履歴や長期修繕計画は書面にて確認する事が出来るので、気になる方は確認してみてはいかがでしょうか。

修繕状況でマンションの査定価格が変わる?

不動産の相談、不動産業者

建物修繕と寿命の関係性が確認できたところで、マンションの資産価値についても考えてみましょう。

先述した通り、適切な建物修繕を行わなければ建物寿命は短くなります。

「長期修繕計画はあるのか?」
「修繕積立金に滞納はないのか?」
「耐震改修工事は行っているのか?」

購入検討者の多くは、このような事を気にしています。

一戸建てであれば土地が付いているので、建物が使えなければ家を取り壊し、土地として売却することが出来ます。

ですが、分譲マンションは集合住宅ですから、建て替え費用負担が大きくなるので、こうはいきません。

なので、マンションの場合はマンション全体の修繕状況がとても重要になるのです。

聞くまでもありませんが、綺麗なマンションと汚いマンションを単純に比較した場合、どちらの方がより好まれるでしょうか?

駅距離・広さ・価格などの諸条件が同等であれば、丁寧に修繕を行っているマンションの方が引き合いは強くなり、より良い条件で売却出来る可能性が高くなるのです。

ですが、建物寿命が長いからと言って必ず売却する事が出来るというわけではないので、この点には注意が必要です。

購入者側からしてみれば、より築年数の浅い物件を求めるのは当然ですから、売却するタイミングや時期によって
結果は異なります。

このように、築年数に係わらずマンション売却をして引っ越しを検討することは可能です。

と同時に、賃貸物件としての利用価値も出てくるので様々な用途でマンションを活用する事が出来るのです。築年数が古くても建て直しだけが選択肢ではないので、中古マンション検討時には修繕状況も加味してご検討頂くとより良い物件を購入する事が出来るはずです。

マンションの寿命は周辺環境の影響にも左右される

建物の劣化そのものは、修繕などで手を加えれば長く使えることはお判りいただけたと思います。マンションは割と長持ちしますし、丈夫です。マンションに限ったことではなく家全般に言えることなのですが、街の環境によっても大きく左右されます。

かつて「ニュータウン」と呼ばれたはずなのに、高齢化してしてゴーストタウンになったマンションも実在します。30年の間に近くに鉄道ができ、駅ができて昔より便利になって値上がりするマンションもあります。

住む人があってこその家ですので、周辺環境がその先どうなるのかという点はマンションの寿命を気にするうえで抜かせないポイントです。

これからお持ちのマンションを売却しようかなと思っていらっしゃる場合、試しに見積もり査定をだしてもらってみてはいかがでしょうか?査定は無料でできます。不動産一括査定サイトはいろいろありますが、おすすめは2つあります。首都圏・大阪圏のマンションであればソニー不動産とYahooが共同で運営するおうちダイレクトです。もし売却する場合、セルフ売却ならば仲介手数料0円で売却も可能です。

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郊外、地方のマンションであればライフルホームズが運営しているHOME’Sがオススメ。47都道府県の1700社を超える不動産会社が登録しています。

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鉄筋コンクリートのマンションは長持ちします

メンテナンス状態と近隣エリアを調べてみよう

マンションは1個人だけの持ち物ではないため、劣化が進むマンションを建て替えるには住民の同意が必要です。建て替えの場合、仮に条件がよくてマンション建て替えの費用負担が0円だとしても2年ほど賃貸マンションに仮住まいする必要性はあります。その間の家賃負担は出てきます。

大阪で築57年のマンションが立て替えられました。その際に費用を計算した結果、近くで中古マンションを新たに購入したほうが安いことが分かり、マンションは建て替えられたのですが元の住人は全員出ていったという事例もあります。

先々の事って考えだすときりがないのですが、不動産購入の際にそうした事例もあると覚えておいていただければ幸いです。

マンション売却を考えているものの、何から始めて良いのか分からない方へ
マンション売却の査定をする前に

マンションの売却は一生に一回あるかないかの事です。非常に大きな金額になりますので「なるべく高く早く売りたい」という方は多いと思います。

そのために一番大切な事は「査定」で売却を依頼する不動産会社を見極める事です。ここからはその査定をする前に必ず読んでおいて頂きたいマンション売却20ヶ条をお話します。

マンションを売却する前に必ず読みたい20ヶ条