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中古マンション購入に必要な内覧の回数から具体的なチェックポイントまで詳しく解説します。「内覧ってどのくらいの回数行けばいい?」「何を見ればいい」と不安を抱いている方もいらっしゃるでしょう。購入判断の大事な材料となる内覧は、どのくらいの回数行えばいいのでしょうか?
中古マンション購入者の平均的な内覧回数
そもそも「内覧」とは購入を検討している物件に、実際に出向いて室内を見学することをいいます。新築マンションではモデルルームの見学になることが基本的ですが、中古マンションでは実際に現物を内覧できるものです。事前の情報だけではわからなかったことも、内覧することで体感して分かるようになり、自分にあったよりよい物件を選ぶための大事な手段となります。
内覧自体に決まった件数はなく、好きなだけ件数を重ねることが可能です。とはいえ、どれくらいの件数を目安にすればいいのか気になるところではないでしょうか。
平均的な内覧回数は5件程度
一般的には、5件前後の内覧件数で購入を決める方が多いです。事前にネットや不動産会社で住宅の情報を調査・比較し、ある程度目処がついた段階で内覧を行うのが一般的でしょう。そのため、比較的内覧件数は少なくなります。とくに、転勤や進学などで入居時期が決まっているなどの、時間に余裕がない場合は、内覧件数も少なくなる傾向があります。
内覧希望する物件が5件以上出てきた場合は、自分の住まいについての条件整理が不十分状態だと思います。この状態です話をすすめると「いつまでも購入できない」又は「一瞬の衝動で吟味を省いて購入してしまう」という買っても買わなくても満足のゆく結果が得ずらい状況です。まずどの様なマンションが自分たちに必要なのか吟味して条件整理をしてください。参考記事はこちら。
10件以内の内覧回数で中古マンション購入を決める方が大半
じっくり見たいという方でも、多くても10件ほどで購入を決める方が大半となります。なかには20件以上という方もいますが、件数が多ければそれだけ購入までに費やす時間はかなりかかるものです。入居までの時間に余裕はあれば、件数が多くても問題ないでしょうが、現実的にはそれほどの時間をかけられるわけではありません。また、たくさん内覧すればするほど購入に迷いが出る可能性もあります。
たくさんの回数、物件を内覧してもあまり意味はありません。それはお住いを「一目ぼれを期待して探している」状態だからです。まず条件整理を十分に行い、お住いの要素の優先順位を決めてから内覧する物件を選んでください。10も20も物件も内覧すると「内装の色の印象がよい」、「ミストサウナが付いている」などの本来マイナーな要素なのにそれに心が動かされる様な衝動買いに近い状態になるので注意してください。条件整理が出来ていないから迷うのです
1回の内覧回数で中古マンションの購入を決める方も
件数が多くなる方がいる一方、1件の内覧で購入を決められる方も増えてきています。近年ではインターネットの普及により、物件の情報を詳細に入手できるようになりました。インターネットの情報を活用して事前にじっくり検討したうえで、絞り込んだ1件のみを内覧し購入を決めるケースがあるのです。
住まいに求める条件を事前にきっちり検討しているお客様は1度の内覧で物件を購入する方が多くいます。そして条件が整理できているので十分満足した住宅を手にしているのです。
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購入検討中の中古マンション:何回内覧にいくべき?
同じ物件に何回も内覧しに行くのを躊躇してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。内覧に制限はないので、基本的に同じ物件であっても複数回内覧することは可能です。前述のとおり、1回の内覧で決断する方もいれば10回・20回と回数を重ねる方もいらっしゃいます。内覧で大事なのは、回数ではなく自分がその物件に納得できるかどうかといえるでしょう。
中古マンションの購入は、人生の中でも高い買い物になります。購入後に後悔することがないように、じっくり内覧して物件を比較・検討する必要があるのです。同じ物件であっても気になる点があるのであれば、自分が納得できるまで内覧することをおすすめします。
何回も同じ中古マンションを内覧できるなら、違うシチュエーションで!
複数回内覧できる余裕があるのであれば、同じ物件でシチュエーションを分けて内覧するとよいでしょう。内覧のシチュエーション分けには次のようなものがあります。
- 朝昼晩
- 雨天時
- 出勤時間
- 土日と平日
シチュエーション別・中古マンションの内覧①:朝昼晩
一般的に内覧は日中に行うケースが多いものです。時間に余裕があれば、日中だけでなく朝方や夜間にも内覧すると、より生活のイメージを掴みやすくなるでしょう。とくに、昼と夜とではぐっと印象が変わることがあります。夕方になると近隣の高い建物の影響で日当たりが悪くなってしまうなど日当たりは時間帯によっても異なります。
また、昼間は人通りが多かったのに、夜は人通りがなく照明もまばらという場合は防犯上の心配もあるので確認をおすすめします。
シチュエーション別・中古マンションの内覧②:天候
雨天時のマンション周辺の様子を確認してみましょう。通勤・通学に使う歩道に大きな水たまりができていないか、傘をさして歩くのに十分な幅があるのかなど、実際に雨の中を歩かないと分からないことも多いものです。マンションの敷地自体に大きな水たまりができているような場合、排水機能が十分ではない可能性もあるので不動産会社や管理人に確認するとよいでしょう。
シチュエーション別・中古マンションの内覧③:出勤時間
出勤時間帯での混雑状況は、その後の生活にも大きく関わってくるものです。駅まで徒歩何分という情報があっても、信号の多さや人通りの有無、交通量などによって大きく異なることもあります。通勤時間帯の周辺状況を確認し、実際に通勤にどれくらいかかるのか把握すると生活イメージもより具体的にできるようになるでしょう。
シチュエーション別・中古マンションの内覧④:土日と平日
内覧は土日に行うことが多いものです。土日は人通りが多かったけど平日はあまり人がいないことや、反対に平日は仕事の人が溢れているということもあるでしょう。また、工事なども土日には行われていないため、平日では思わぬ騒音の問題の可能性もあります。土日と平日とでは周辺の印象が変わってくるため、確認するとよいでしょう。
中古マンション内覧時の3つのチェックポイント
「内覧といってもどこを見ればいいのかわからない」とお困りの方もいらっしゃるでしょう。内覧では、室内の印象や間取りなどさまざまな箇所を見ていくものです。ここでは、とくに内覧時に見るべきポイントとして次の3つをご紹介します。
- 部屋の明るさをチェック
- 共有部分をチェック
- 修繕積立金をチェック
中古マンション内覧時のチェックポイント①:部屋の明るさ
部屋の明るさは実際に内覧しなければ分からないものです。部屋の明るさは印象に大きく影響し、今後ずっと生活していくうえでも大事なことです。間取り図では南向きだから大丈夫ということはありません。時間帯によって日差しは変わり、近隣の高い建物に日当たりを邪魔される可能性もあるでしょう。同時に、風通しや眺望、騒音なども体感して確認することをおすすめします。
それらの体感的なものは、人によっても感じ方は異なり、事前情報と自分の印象は大きく違う可能性もあります。また、日当たりや風通しなどはリフォームなどをしても自分では変えられないものです。実際に自分で体感することで、感覚的に部屋の好き・嫌いを判断できるでしょう。
中古マンション内覧時のチェックポイント②:共用部分
エントランスや廊下・玄関ポスト・ゴミ捨て場などの共有部分には、管理体制が現れるものです。管理体制がしっかりしているマンションは、清掃や植栽の手入れが行き届いており、ポスティング禁止やチラシを捨てる場所の確保などもされており、清潔感のあるものです。ゴミ捨て場のゴミ出しルールが守られていない、落書きがあるなどは管理体制だけでなく、居住者のマナーも垣間見れるでしょう。
また、掲示物も剥がれていないかだけでなく、騒音や近所トラブルなどの情報が掲載されていないかまでチェックするとよいでしょう。共有部分のチェックポイントとしては次のようなことがあります。
- 廊下や階段にゴミが落ちている、汚れている
- 外壁の汚れ
- 掲示物の剥がれや内容
- 植栽の手入れ
- 照明がきれていないか
中古マンション内覧時のチェックポイント③:修繕積立金
内覧では、室内やマンションの環境だけを見るのではなく、マンションの規約や収支決算書・長期修繕計画などの書類もチェックしましょう。とくに、収支決算書では修繕積立金の未収状況などを確認できるので、見ておくことをおすすめします。
修繕積立金の未収率が高いマンションは、管理体制や居住者になにか問題がある可能性があるものです。修繕積立金が不足していると、大規模修繕前に臨時徴収されてしまうこともあります。
また、以前の住人が修繕積立金を未納していると、購入後にその分を負担しなければならないこともあるので注意しましょう。これらの書類は、部外者に公表されていないこともあります。事前に不動産会社などに閲覧依頼をしておくとよいでしょう。
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理想の中古マンションのための内覧回数:まとめ
中古マンション購入のために必要な内覧件数や内覧時のチェックポイントをお伝えしました。
内覧件数は1件という場合や10件以上など、人によってさまざまです。期間に余裕があるのであれば、同じ物件でもシチュエーションを変えて複数回内覧すると、いろいろな角度で見えてくるためより具体的な生活イメージがしやすくなるでしょう。大事なことは内覧の件数ではなく、自分が納得いくまでじっくり内覧を重ね、理想の物件を選ぶことです。この記事を参考に、内覧をもとにさまざまな物件や環境を比較検討し、自分の理想の物件を探せられるようにしましょう。
繰り返しになりますが、自分がお住いに求める要素の整理、住みかえの場合は、現在のお住いのどの様な不便を新居で解決したいのか等事前に十分吟味して検討しておくことが重要です。この段階を経て後は何件内覧するかですが、その数はそれほど多くならないでしょう。そして良い物件を選ぶことが出来るでしょう。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧