マンション売却時において、売却益が生じた場合は確定申告をしなければなりません。また、居住用のマンションの売却の場合は様々な特例を受けることができますが、いずれも確定申告をすることが要件になっています。これらの確定申告時における必要書類について、ケース別に説明していきます。

マンションの売却と確定申告

確定申告のための必要書類がたくさんあります

マンションを売却した場合、確定申告をすることで特例の適用を受けることができる場合があります。この特例の適用を受ける場合、たくさんの書類を確定申告に添付しなければいけません。一般の方にとっては普段見慣れない書類をたくさん求められるため、難しく感じられるのではないでしょうか。これからケース別に必要となる書類をまとめていきますので、ぜひ参考にしてください。

マンションの売却と確定申告、ケース別必要書類

確定申告が必要な場合のまとめ

マンション売却時において、確定申告が必要なケースは次の通りです。

  1. 譲渡所得が発生する場合
    譲渡所得は、売却金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。これがプラスの場合、譲渡所得が発生していることになり、原則として確定申告が必要となります。
  2. 各種特例の適用を受ける場合
    マンションを売却した場合、様々な特例の適用により納付税額が安くなる場合があります。これらの適用を受ける場合、確定申告をすることが要件となります。

確定申告時に共通する必要書類

マンション売却のため確定申告をする際、共通して必要となる書類は次の通りです。

  1. 確定申告書
  2. 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】
  3. 売却したマンションの売却時の売買契約書や領収書など
  4. 売却したマンションの購入時の売買契約書及び関連費用の領収書など、取得費用金額と取得日の確認できるもの
  5. 源泉徴収票や各種控除照明など、通常の確定申告に必要となる書類

1と2については税務署で入手することができます。また、国税庁のホームページからダウンロードすることもできます。なおe-taxを利用する場合は、システム上に入力フォームがあるため別途用意する必要はありません。3と4については譲渡所得の金額を計算するために必要となります。確定申告書に添付する必要はありません。

住宅用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例を受ける場合

マンションが居住用財産であった場合は、所有期間にかかわらず譲渡所得から最高3,000万円の控除を受けることができます。この際、通常の確定申告時に用意する書類とともに、次の書類が必要になります。

  • 除票住民票の写し又は住民票の写し
    (マイホームを売った日から2か月を経過した後に交付されたものに限る)

管轄の市区町村から交付を受けることができます。日付に指定がありますので注意してください。

軽減税率の特例の適用を受ける場合

10年を超えて所有していたマイホームを売却した場合、一定の要件を満たせば通常に比べて安い税率が適用されます。この特例の適用を受ける場合、次の書類が必要になります。

  1. 土地及び建物の登記事項証明書
  2. 除票住民票の写し又は住民票の写し
    (マイホームを売った日から2か月を経過した後に交付されたものに限る)

登記事項証明書については、管轄の法務局にて交付を受けることができます。

譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例の適用を受ける場合

住宅ローンの残っているマンションを売却した場合の特例です。ローン残高を下回る価額で売却して損失が発生した場合、一定の要件を満たせばその損失金額を事業所得や給与所得などの所得と損益通算することができます。

また、控除しきれなかった損失がある場合は、3年間繰り越すことができます。この特例の適用には次の書類が必要になります。

  1. 特定居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)
  2. 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書
  3. 登記事項証明書や売買契約書の写しなど、所有期間が5年を超えることを明らかにするもの
  4. 除票住民票の写し又は住民票の写し(マイホームを売った日から2か月を経過した後に交付されたものに限る)
  5. 売却したマンションに係る住宅ローンの残高証明書(売買契約日の前日のもの)

1と2については税務署や国税庁のホームページにて入手することができます。5については取引金融機関で発行してもらう必要があります。なお、損失が発生しているので「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】」は必要ありません。

マイホームの買い替えた時の特例の適用を受ける場合

マンションの買い替えを行った場合、一定の要件を満たせば払うべき税金の将来への繰り延べ、あるいは払うべき税金の減額を受けることができます。この特例の適用には次のような書類が必要になります。

  1. 登記事項証明書など、所有期間が10年を超えることを明らかにするもの
  2. 新たに購入したマンションの登記事項証明書や売買契約書の写しなど、取得の事実や取得したマンションの面積を明らかにするもの
  3. 売却したマンションの管轄市区町村から交付を受けた住民票の写し(売った日から2か月を経過した後に交付されたものに限る)又は戸籍の不評の写し等で、売却したマンションに10年以上居住していたことを明らかにするもの
  4. 取得したマンションの管轄市区町村から交付を受けた住民票の写し
  5. 売買契約書の写しなど、売却代金が1億円以下であることを明らかにするもの
  6. 取得したマンションが中古である場合は、取得日以前25年以内に建築されたものであることを明らかにする書類(登記事項証明書など)又は耐震基準適合証明書など

買い替えによる譲渡損失の損益通算等の特例を受ける場合

居住用マンションの買い替えにより損失が生じた場合、その損失を給与所得などの他の所得と損益通算できる特例があります。また、控除しきれなかった損失については3年間繰り越すことができます。この特例の適用には次の書類が必要になります。

  1. 居住用財産の譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)
  2. 居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書
  3. 売却したマンションの登記事項証明書など、所有期間が5年を超えること及び面積を明らかにするもの
  4. 売却したマンションの管轄市区町村から交付を受けた除票住民票の写し又は住民票の写し(マイホームを売った日から2か月を経過した後に交付されたものに限る)
  5. 購入したマンションの登記事項証明書など、購入年月日や面積を明らかにするもの
  6. 年末における住宅ローンの残高証明書
  7. 購入したマンションの管轄市区町村から交付を受けた住民票の写し

1.2については税務署や国税庁のホームページで入手可能です。また、損失が生じているので「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】」は必要ありません。

申告期限に間に合うよう書類は早期に準備を

たくさんの必要書類を短期間で用意するのは困難

以上、マンションを売却した場合の必要書類についてまとめてきました。ケースによって必要書類が異なり、非常にたくさんの書類が必要な場合もあります。特に行政機関から交付を受けなければいけないものについては準備が遅れてしまうことも多いです。申告期限内に間に合わないなどということがないように早期の準備を心掛けてください。

高垣 英紀
現在和歌山市にて税理士事務所を開業。 金融機関にて融資・渉外を経験後、税理士を目指して会計事務所に転職。 会計事務所で実務経験を積みながら、税理士の資格を取得。 その他保有資格としては、ファイナンシャルプランナー、通関士試験合格。