親のマンションを相続したら、まず費用をチェック!売却or賃貸or住み替え?

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不動産業者 女性

目次

少子高齢化が急速に進んでいる日本では、相続にかかわる問題で頭を抱えている世帯が増加傾向にあります。不動産においては、以下の選択肢があります。

  • 「親の家に住み替えるべきか?」
  • 「売却するべきか?」
  • 「居住用賃貸マンションとして利用するべきか?」

その上で、各家庭のライフスタイルなどを考慮して最善の選択をしなければいけません。いざという時の対応に困らないよう、今から具体的な親の家の活用方法をイメージしておきましょう。

親のマンションへの住み替え……考えたことありますか?

住宅

親のマンションを相続したら相続税はどれくらい?

両親の不動産も無条件で相続することは出来ません。『相続税』を納税してはじめて不動産があなたの所有物となるので、税金を支払う能力が無ければそもそも相続が出来ません。ということで、まずは相続税の計算方法を確認していきましょう。不動産の場合、土地・建物の両方に課税されます。以下が公式です。

  • 『土地:路線価(敷地権割合にて按分した金額)×税率』
  • 『建物:固定資産税評価額×税率』

これだけ聞くと、高額な税金が課税されるのではないかと心配になる人もいますがご安心ください。税法にて、非課税になる部分や評価額を下げる特例が設けられています。

基礎控除額

『基礎控除額:3,000万円+相続人の人数×600万円』


不動産以外にも財産・資産を所有している場合、遺産総額から上記基礎控除額を差し引きます。たとえば、不動産評価額と現金や証券など遺産総額5,000万円を二人の子供が相続するとしましょう。すると計算式はこのようになります。

遺産総額5,000万円ー(基礎控除額 3,000万円+2×600万円)=5,000万-4,200万=800万円

このケースでは、遺産総額から基礎控除分を引いた800万円に税金が課税されます。

小規模宅地の特例

居住用の土地を配偶者や親族が相続した場合、330㎡までの土地であれば評価額を80%減額する節税措置があります。

この2つを考慮して算出された評価額に対して、以下表の税率を課税します。

相続人の取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円

※不動産を含めた遺産総額の取得金額で税率が決まります。

800万円の相続税は税率10%が適応され、80万円ほどになります。実際は、諸々の経費も引くのでもう少し安くなりますが、大まかな目安で覚えておいてください。

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相続した親のマンションの価値は?4つのチェックポイント

マンション 家族

では、住宅を相続した時を想定して話をしていきましょう。不動産には、一戸建て・マンションに大別出来ますが、加齢に伴い段差の少ないマンションへ住み替えを行う世帯が増加します。

この状況を踏まえ、マンションを相続した時を想定して話を進めていきます。マンションを相続した場合、『どれだけの価値があるのか』可能な限り正確に把握する必要があります。相続マンションの『資産価値』が最も重要なチェックポイントとなるので、以下4つの項目を必ず確認してください。

  1. 立地条件(エリア)
  2. 駅距離
  3. 築年数
  4. 間取り(広さ)

それぞれの項目を具体的に確認していきましょう。

相続した親のマンションの価値チェック①:立地条件

相続マンションはどこに立地していますか?交通利便性の悪いエリアの場合、多くの需要を望むことは出来ません。ビジネス街、繁華街までのアクセスなどを確認してください。

相続した親のマンションの価値チェック②:駅までの距離

男性 青空

マンションの資産価値を考える上で、駅距離は重要です。駅直結の物件なども販売されているので、駅徒歩5分圏内が理想的と言えます。ただし、お客様やエリアによって駅距離の許容範囲が異なるので、駅徒歩5分以上は絶対にダメというわけではありません。

相続した親のマンションの価値チェック③:築年数

新耐震、旧耐震(1981年以前のマンション)など、築年数によって不動産価格が大きく前後します。丁寧に建物修繕を行っているマンションであれば見栄えは良くなりますが、建物の性能自体が上がるわけではありません。築年数は浅ければ浅いほど良いので、多くの需要を得ることが出来ます。

相続した親のマンションの価値チェック④:間取り(広さ)

エリアによってニーズのある間取り(広さ)が異なります。都心部であれば『50㎡以上/2LDK以上』のニーズがありますが、郊外エリア(埼玉県、千葉県など)では『70㎡以上/3LDK以上』が最も多くのニーズを捉えることが出来ます。

また、相続対象の中古マンションの場合、広すぎる物件も多いです。昔は兄弟が多く家族の人数が多かったので4LDKといった物件もありましたが、今は子供の数も少なく広すぎると売りにくいのです。周辺の販売中物件と比較して頂きエリアのニーズや時代のニーズを確認するように心がけましょう。

一括査定で不動産会社に査定をしてもらう

不動産会社の担当者

1~4までのチェック項目を確認したら、実際に不動産会社に査定依頼をします。どんなに正確に情報を確認したとしても、一個人では正確な不動産価格を算出することは出来ません。そこで、一括査定サイトを利用して複数の不動産会社に査定をしてもらいましょう。査定は無料です。1社だけでは正確な価格かどうか判断することが出来ないので、必ず複数の不動産会社に査定依頼をして下さい。

一括査定サイトもいくつかあります。おすすめはこの二つのサイトです。一つ目は大手不動産会社6社(住友不動産、三井のリハウス、東急リバブル、三菱地所、野村の仲介、小田急不動産)に査定をお願いできるのがすまいバリューです。

すまいバリュー

二つ目は全国の2,800社を不動産会社とも提携していて、地域密着型の中小規模の不動産会社も登録しているのがライフルホームズが運営している一括査定サイトHOME’Sです。

ホームズ

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売却・賃貸・住み替え……相続した親のマンションをどうする?

おおよその資産価値が確認出来たところで、どのように相続マンションを活用すれば良いのか確認していきましょう。

相続した親のマンションは?①:賃貸に出して有効活用する

相続マンションで賃貸経営をする場合、立地条件が良くなければいけません。多くのケースでは、相続マンションのローンは完済されているので、ローンの支払いで困る可能性はありません。ですが、マンションを所有している間は、管理費や修繕積立金、固定資産税、退去後のリフォームなどのランニングコストがかかります。

交通の利便性、駅距離、築年数などの諸条件によっては、空室リスクが高くなってしまいます。そのため、経費がかさんでしまうと、赤字になってしまうケースも。

引退後の居住を想定している場合も、所有期間によっては維持費用が高額になる可能性があります。賃貸経営の検討には、慎重な判断が求められます。基本的に、駅距離・立地条件が悪い賃貸アパートの経営は控えたほうが賢明でしょう。

相続した親のマンションは?②:居住用として自分たちで住む

相続マンションに住むというと、多くの方は通勤・通学などの利便性を気にします。ですが、これと合わせ『築年数』にも注意しなければいけません。

仮に、築20年のマンションをあなたが相続したとします。15年後、あなたがマンションの売却を検討した時には築35年となっているのでマンション売却に一抹の不安が残ります。将来あなたが売却することも考慮して、検討するようにしましょう。

相続した親のマンションは?③:売却する

相続マンションの諸条件(立地、駅距離など)によっては、有効活用が困難なケースも多々あります。

  • 『郊外のファミリータイプ』
  • 『駅からの距離が離れている(徒歩15分以上、バス便など)』
  • 『需要が見込めないエリアのマンション』 

具体的には、上記のようなケースの場合は、迷わず売却することをお勧めします。先述していますが、マンションを所有しているとランニングコストがかかってしまうからです有効活用できず負債となってしまう可能性が高いので、いち早く不動産を現金化するよう心がけてください。

監修者から

マンションの場合、居住用資産の譲渡にかかる3,000万円控除を相続した子供では受けられないので、生前の譲渡をおススメします。相続した空き家の譲渡にかかる3,000万円控除制度は、マンションには使えません。相続した瞬間に同居していない子供にとって相続したマンションは、居住用資産ではないのでマイホーム(居住用資産の3,000万円控除も受けられません)。

この事を知らないと3,000万円控除が使えず多くの税金を支払うことになりますので、親がマンションに居住して、同居していない方は最大限の注意が必要です。マンション売却で利益が出る場合は相続前、親の生存中に売却しましょう。

相続した親のマンションは?④:買取に出す

家の状態によっては賃貸も売却も難しい……そんなケースもあります。そのような物件でも買取なら現金に変えることが可能です。親が譲り受けた物件が「賃貸も売却も難しそう」と感じたら、買取を検討してみてください。買取を検討するのなら『買取博士』がおすすめです。査定や手数料は無料ですし、買取してもらった後の物件への責任はなし。なるべく早く物件を現金化したい方にもおすすめです。

買取博士

親のマンションを相続したら、保持のための費用を確認!

女性 物件へのアドバイス

相続した親のマンションは資産ではなく負債になるかもしれない

この記事では以下の内容を紹介しました。

このように、相続マンションの資産価値に応じてとるべき対応が異なります。安易に考えていると将来的に大きな負債となってあなたの家計を圧迫する可能性すらあるのです。対処方法を事前に親子間・兄弟間で話し合っておき、いざという時に迅速な対応が出来るよう準備しておきましょう。

 

監修者:鈴木 良紀

監修 鈴木

経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧