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「不動産売却は難しい」と言われる5つの理由とその対処法を、不動産のプロがまとめました。「不動産がなかなか売れなくて困っている」という声は良く聞きます。現在困っている人はもちろん、これから不動産売却をする予定の方は是非参考にしてください。
不動産売却は難しいのはなぜ?
なぜ不動産がうまく売れないか買主の気持ちになって考える
不動産売却したいのなら、買主の気持ちを知るのが大事です。まずは、買いたくない不動産の特徴を知ってください。
- 立地が悪い
- 築年数が古い
- 価格が高い
- 売却設定期間が短い
- 内覧対応が悪い
多くの買主は、上記のような理由で「この不動産は買いたくない」と考えます。これらの理由は、同時に不動産売却が難しい理由でもありますね。ここから先は、不動産売却が難しくなる要因を1つずつ見ていきましょう。
不動産売却が難しい5つの理由
不動産売却が難しい理由①:立地の悪さ
1つ目は立地の悪さです。立地の悪い物件を持っている売主の方には、少し耳の痛い話になるかもしれません。買主にとっての中古物件の最大の魅力は、立地が良いのに価格が安い点です。買主は中古物件を購入することで、新築であればとても手が出せなかった立地の物件を、安く購入することができます。
不動産は立地の良いものから売れていく
中古物件には立地の良いものから売れていく特徴があります。中古物件は新築マンションのように同じ立地のマンションを一斉に売り出すわけではありません。似たようなマンションで、もっと立地の良い物件が市場に売りに出されれば、買主はそちらに流れてしまいます。
駅からの距離が近ければ、それだけで購入を検討するお客様が増えます。需要と共に価格も上がり、相場価格になるでしょう。一方、駅からの距離が遠い物件は、それほど需要がないため価格が下がります。しかし、下がった価格が適正価格なら売却は可能です。大事なのは需要と価格のバランスの検証です。
しかし、嫌悪施設は別に考える必要があります。たとえば、お墓、消防署、刑務所、高速道路などの嫌悪施設が隣接している物件などです。あなたが不動産を購入した後に嫌悪施設が建設されたのなら、大幅な値下げも検証しなければなりません。「嫌悪施設による価格減歩はどの程度なのか」と多くの事例を調べ、その上で売却価格を設定しましょう。
不動産売却が難しい理由②:築年数の古さ
2つ目は築年数です。築年数でとくに注意が必要なのは、昭和56年以前に建築された旧耐震基準の建物です。熊本地震や東日本大震災など、大きな震災が発生する度に、購入者の耐震性に対する見方はシビアになってきます。
旧耐震基準の建物は避けられる傾向も
旧耐震基準の建物は地震について極端に敏感な購入者には避けられる傾向にあるので、新耐震基準の建物よりも需要は多少減ってしまいます。また、昭和56年以降の建物も築15年以上経過している建物は、今後、大規模修繕が立て続けに発生する時期に突入します。そのため、少し売却しにくくなるでしょう。
築20年以上経過している木造戸建住宅は、ほとんど価値が認められません。場合によっては、更地から取壊し費用を差し引いた金額でしか売却できないケースもあります。
不動産売却が難しい理由③:価格設定の難しさ
3つ目は価格です。不動産売却では売出価格の設定が高すぎると、やはり売れにくいです。中古物件の購入を検討している人は、数か月前から他の物件のチラシ広告を真剣に見ています。そのため、買主は売主の想像以上に不動産の相場を把握しています。売出価格を安くする必要はありませんが、高すぎる価格設定は売れない原因です。
相場は、物件の状況を把握して比較してください。フルリノベーションした物件と現状のまま販売している物件を、同じ土俵で比較しているケースもあります。フルリノベーションは500万円以上の費用をかけて物件の価値を上げているので、現状の物件とは全く別物です。他の売主のリノベ物件の価格が頭に残っていると「自分の物件もその位の価格で売れる」と勘違いしてしまいます。
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不動産売却が難しい理由④:不適切な売却設定期間
4つ目は売却設定期間が短過ぎることです。不動産売却の適正期間は3ヶ月が目安です。まずは、3ヶ月程度の売却期間を要すると認識しておくことが必要です。1ヶ月程度で売ろうとすると、売り急ぎの状態になってしまい、価格をかなり値下げしないと売れなくなります。
ただし、売買は縁。開始早々、1ヶ月程度で売れることもあるでしょう。この際、買主が相場程度の金額を提示していれば、売却を決断するべきです。ダラダラ売却活動をしても価格が伸びるとは限らないので、自分の中で「この金額が出たら売る」というラインを決めておきましょう。
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不動産売却が難しい理由⑤:内覧対応のまずさ
5つ目は内覧対応が悪くて売れないことが考えられます。とくに住みながら不動産売却をする場合は注意が必要です。購入希望者を案内した時に、家が汚ければ、買う気が失せます。大きなゴミは捨てて置き、キッチンやお風呂、洗面所などの水回りは最低限、ピカピカにしておきましょう。
また、スリッパの用意がないなど、対応が悪いと売却が遠のく傾向があります。内覧は購入希望者の最後の背中を押す重要な局面です。最大限の「おもてなし」をしましょう。ここまで不動産売却が難しいと言われる5つの理由について見てきました。それでは次に対処方法について触れていきます。
難しい不動産売却への対処方法
まず、上述の①立地の悪さと②築年数の古さの2点については、変えようがありません。この条件は受け入れた上で、対処方法としては③価格設定と、④売却設定期間、⑤内覧対応の3つを改善していきます。
難しい不動産売却への対処法①:価格設定
価格設定については、相場をきちんと把握することが重要です。最近では一括査定サイトといったとても便利な無料サービスも登場してきました。複数の不動産会社から一度に無料査定をしてもらえるため、ある程度の相場を把握することが可能です。
おすすめはすまいValueです。大手不動産6社からの査定を一括で申し込めます。もちろん査定は無料です。
難しい不動産売却への対処法②:適正な売却期間の設定
売却設定期間については、最低でも3ヶ月間を設けるつもりで計画しましょう。とくに買換えを行う方は、次の住宅を購入するタイミングも合わせて計画を立てることが必要です。
難しい不動産売却への対処法③:内覧対応の見直し
内覧対応については、とにかくお客様である購入者を「おもてなし」をすることが重要です。面倒臭がらずに、毎回、きちんと掃除して、襟を正して買主を迎えましょう。
難しい不動産売却には買取も考慮!
物件によっては通常の売却が難しいケースもあります。そのときは、不動産会社に直接買い取ってもらう方法も考慮してみてください。買取を考えるのなら、買取専門の業者に一度相談してみましょう。おすすめは買取博士です。査定や手数料は無料ですし、買取してもらった後の物件への責任はなし。なるべく早く物件を現金化したい方にもおすすめです。
難しい不動産売却は「価格設定」「売却設定期間」「内覧対応」に絞って対処
以上、この記事では以下の内容を紹介しました。
不動産売却のために改善できる「価格設定」と、「売却設定期間」、「内覧対応」については再検討していくと良いです。また、不動産売却にはトラブルもつきもの。関連記事をお読みいただき、なるべくスムーズな形で売却できるように心がけましょう。
買取を考えるのなら、買取専門の業者に一度相談してみましょう。おすすめは買取博士です。査定や手数料は無料ですし、買取してもらった後の物件への責任はなし。なるべく早く物件を現金化したい方にもおすすめです。
監修者:鈴木 良紀
経歴:東京理科大学卒業。大手ゼネコン、ディベロッパー、不動産ファンドを経て、(株)ウィルゲイツインベストメントの創業メンバー。不動産、法律に広範な知識を有し様々なアセットのソリューションにアプローチ。保有資格:宅地建物取引士、ビル経営管理士、一級土木施工管理士、測量士補。執筆活動:投資僧
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