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どのような条件に当てはまる人が、「実家を相続したらすぐに売却すべきか」について解説しています。実家の活用方法によっては、ずっと所有していた方がいい場合とすぐに売却した方がいい場合があります。家計の状況や考え方にも影響しますが、この記事を参考にして検討してみてください。
相続した実家を売却しないで放置すると大きな負担に?
不動産は所有しているだけでもお金がかかる
不動産は所有しているだけで費用や税金がかかります。そのため、実家の活用方法を早めに考えておかなければ、負担だけが増え、やむなく手放さなければならなくなるでしょう。ただ実家を売却した方がいいかどうか、判断に迷われる方もいらっしゃると思います。そこでこの記事では、実家を相続したらすぐに売却した方がいいかどうか判断するための条件について解説していきます。
当てはまったらすぐに売却した方がいい?5つの条件
①:相続人が複数いて分割が難しい
相続する前の話になりますが、不動産を相続で分割することはできます。しかし何世代に渡り分割していると、トラブルになることも考えられます。相続において遺産分割をどのようにするかは、相続財産の内容や相続人の考え方などによっても左右されますので一概に言えませんが、相続人が複数人いる場合、不動産は分割しにくい財産となります。売却して不動産を現金化し公平に分割した方がスッキリするという一面もあります。
実家を売却しない場合、相続した人が、他の相続人に金銭を渡すなどして、分割割合を調整する必要があります。相続財産が多い人ほど相続でもめるわけではありません。複数の相続人がいて、相続財産に不動産が含まれている場合は専門家に相談してみるのもいいでしょう。なるべく相続する前に相談しておくことをお勧めします。
②:家計に固定資産税等を払う余裕がない・払いたくない
実家を相続する予定の人、すでに相続された人で、実家に住む場合はいいのですが、住まない場合は固定資産税等を支払うだけになります。所有している間は負担しなければなりませんので、早めに税額を確認し、支払う余裕がない人や払いたくない人は売却を検討しましょう。
③:持ち家があるなどの理由で、生活環境を変えにくい
持ち家があると、持ち家を売却して実家に住むことが考えられます。その場合、生活環境が変わることになりますが、すでに慣れ親しんでいる今の環境を離れなければなりません。通勤や通学だけでなく、病院や役所などの公的施設の場所など、生活環境が大きく変わります。
近い将来、実家の使い道があるのならいいですが、予定がない場合は、維持管理や費用の面から売却した方がいいかもしれません。
④:管理のために定期的に訪れることができない
ご自身や親族の誰かが住むことなく、売却もしない場合、実家の定期的な管理ができなくなります。実家が近ければ、頻繁に足を運んで掃除や点検をすることができますが、遠方の場合は特にご自身で行くのは難しいので、不動産管理会社などに費用を払って管理してもらうことになるでしょう。
そうなると、固定資産税等に加え、管理費用も必要になってきますので、家計に負担がかかることになります。
⑤:却益が得られそう
実家を売却すると、地価の値上がりや需要の高まりで売却益が得られることもあります。売却益は課税対象となりますが、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に売却し、要件を満たせば、譲渡所得の金額から最高3,000万円控除できる特例があります。
譲渡所得は、売却額から取得費などの経費を引いた後の金額で、ここからさらに3,000万円を控除できますので、売却益から税金を払わなくて済む可能性があります。この特例を「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といいます。
この特例を適用させるための要件がいくつかありますが、中でも「相続したらすぐ売却すべき」というべき条件が、「相続の開始があった日から3年目の12月31日までに売ること」です。売りに出してもすぐ売れるとは限りませんので、余裕を持って動くことが重要です。なお、詳細は、下記の国税庁のサイトをご確認ください。
国税庁 「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
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売却しないまま放置する時の3つの注意点
①:住まなくても固定資産税等がかかる
住む住まないに関わらず、不動産には固定資産税等がかかります。固定資産税等の金額は不動産によりますが、支払いが厳しく家計に負担がかかるなら、売却することを検討しましょう。
また空き家のままで放置しておき、劣化がひどくて要件を満たしてしまうと、特定空き家に指定されることがあります。特定空き家に指定されてしまうと、土地に適用されていた固定資産税の減税(特例措置)が解除されますので、注意が必要です。
②:売却時に税金がかかる
「実家を相続したらすぐに売却すべき5つの条件」の「売却益が得られそう」でお伝えしましたが、相続の開始があった日から3年目の12月31日までに売らなければ3,000万円控除を使うことができません。その分、税金がかかる可能性が出てきます。
③:不動産の価値が下がる
土地はいきなり価値がゼロになることはありませんが、管理がされていない建物の場合、住むことができなくなり、そのままで売却するのは難しくなります。雨漏りや柱の腐食など建物の欠陥があると、大規模なリフォームをしなければならなくなり、必要以上の費用負担が生じるかもしれません。
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できれば相続する前に決めておきたい
決断を遅らせるほど、負担は重くなる
この記事では以下の情報を紹介しました。
繰り返しにはなりますが、不動産を所有しているだけで費用負担が発生します。また不動産に関する特例は数多くありますが、いずれも要件を満たす必要がありますので、どのような特例があるか調べるだけでも時間がかかります。そのため実家をどのようにするかはなるべく早く決めておきたいところです。すでに相続している場合には、今回紹介した条件をご参考にしていただき、必要であれば専門家のアドバイスを求めましょう。
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